先日のこと。
休憩時間にたばこを吸っていた。珍しく話しかけてくれる人がいたので、少しの間話し込んだ。
そろそろ時間だと、タバコの火を消そうと思ったら、灰が作業着のズボンに落ちていた。手で払う。
ん?
払う。
ん?
払えない。
ん?
ガーン!
ズボンが焦げて、穴が空いているではないか。
ガーン。
そこは・・・股間ではないか。
ガーン。
なんてこった。新しい仕事に就いて早々、一着しか支給されていない、神聖な新品の制服のズボンに穴を開けてしまった。しかも、股間に。
そんなことってあるのか?いや、ないだろ?がしかし、あるのだ。
総務に行って、「すいません、制服の股間に穴が空いたので、新しいのください」とは言えないだろう。さすがに。
かと言って、このままでは僕の話題があがるたびに、「あぁ、あの、股間に穴の空いた新人でしょ?」とか言われてしまう。
縫って塞ぐという手もあるが、それもまた目立つだろう?
まいった。袋小路だ。なんてこった、四面楚歌だ。・・・もちろん、大袈裟だ。
それから数日。どうしようかと悩んだが、どうしようもないので、股間の穴は放置したままで仕事をしている。
まだ誰も気づいてはいないようだ。このまま夏服が支給されるまで、誰も気づきませんように・・・。