ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

赤いブーツのビリーブラウン。

2016-01-31 04:25:57 | Weblog
アニーズガーデンというバンドでライブをたーくさんやっていた頃、わざわざ遠い所まで来てくれる人に、何かしらのお礼をしたい・・・ってことで、来場者全員にオリジナル手作りキーホルダーを差し上げていた。
アニーズガーデンというバンドをやっている頃は、お客さんがたくさんいたもんだから、ライブ前になると、演奏の練習よりもキーホルダー作りやCD作りに四苦八苦していたような記憶が強かったりする。

アニーズガーデンが解散してTrash Box Jamのライブをやるようになった。
ギターのシッシーが描いてくれたイラストに、シングが物語調の詩を載せてハガキサイズに印刷したものを配るようになった。「僕とビスケットの旅」シリーズである。

シングソロでライブをやる時に、さて何を配ろうか・・・と。何を差し上げようかと考えるものの、なかなかいいアイデアが思いつかない。そうこうしているうちにライブの日時は迫って来てしまい、「何もあげないのもなんだよな」的な考えのもと、手元にある売れ残りのポストカードなんぞを掻き集めて差し上げたりする。ははは。

僕が作った影の人気作シリーズポストカードに、「自由を」「手紙を」「愛を」「旅を」というのがある。
前々回の下北沢ラウンでのソロライブの時に、そのシリーズのポストカードをほんの少しだけ書き変えて配った。


前回の下北沢ラウンでのライブ、初めて来てくれた人がいる。
名前は「コウちゃん」。なんとも変わり者だという噂の人だ。
僕は変わり者であるわけだし、僕は変わり者であるからに変わり者が大好きなわけで、どちらかというと変わり者しか好きじゃなかったりするわけで、コウちゃんに会うのを楽しみにしていた。

楽しみにしていたといっても、コウちゃんという人がライブに来ると知ったのは、開演の2時間ほど前、リハーサルの最中くらいだったのだけどね。

果たして、コウちゃんはやって来た。見たところ、いい感じの変わり者具合である。

僕はよく、「胡散臭いね」と言われたりするのだが、コウちゃんも、かなり胡散臭い感じがして良いのである。僕なりの「胡散臭い」の意味の取りようは、「この人には奥がある」、「相当なバックグラウンドがある」ということなのでね、胡散臭いというのは、とても良いことなのだね。

コウちゃんと話した。

コウちゃんは、前々回のライブで配ったポストカードを見せてもらって「泣いた」と言う。だから、今回のライブに来てくれた。

「うーーーん・・・泣くような箇所があったかしら?」と僕は想うのである。

だから、コウちゃんに聞いてみた。
「ねぇ、どこで泣いたの?どこが泣けたの?」

コウちゃんは教えてくれた。この箇所だ。

・・・
みんな僕のことを
赤いブーツのビリーブラウンと呼びます
なせなら
僕がそう名乗っているからです
・・・

全然、泣ける場所じゃないの。
ここでどうやって泣くの?っていう箇所なの。

でもさぁ・・・おれね、コウちゃんがこの箇所で泣いたっていうことを思い出してね、時々泣きそうになるんだよね。時々、ウルってしちゃう。時々、ホントに涙が零れる。ポロリってね。

もしかしたら、僕が感じる孤独と、コウちゃんが感じる孤独は、同じ種類のものなのかもしれない。
もしかしたら、僕が感じる喜びと、コウちゃんが感じる喜びは、同じ種類のものなのかもしれない。

コウちゃん、頑張ってるかなぁ・・・って。想う。
みんな頑張ってるかなぁ・・・って。想う。
おれも、頑張るっかなぁ・・・って。想う。

おれは幸せだなぁ・・・って。想う。
詩を書いて良かったなぁ・・・って。想う。
いろんな人に出逢えて幸せだなぁ・・・って。想う。

コウちゃんにもみんなにも、早くまた逢いたいなぁ・・・って。想う。


クマが出たぞぉ!ドーン

2016-01-29 02:54:17 | Weblog
嵐山駅前にある喫茶店。一般の方々にとっては非常に入り難いと思われる、とこか懐かしい感のある喫茶店。
ここのナポリタンは美味しい。甘くて美味しい。粉チーズをかけすぎると、喫茶店が潰れてしまうかもしれないので、少し遠慮気味にかける。この店に来ると、僕はいつもナポリタンを頼む。

でも、この日の僕は、なんとなくナポリタンな気分ではなかった。ナポリタンの気分ではない時にこの店に来るべきではないような気がする。ナポリタン以外のメニューには魅力を感じない・・・と言ったら言い過ぎなのかもしれないが、困る。とても困る。困った挙句、サンドイッチを注文した。

あんまり美味しいとは思えない普通のサンドイッチを口に放り込みながら、目の前で瓦屋の親方が食べているナポリタンを見ている。うん、やっぱり今日はナポリタンの気分ではない。美味しくないサンドイッチを頬張りながら、僕は確信するのである。

瓦屋の親方は、僕が起きるのを、我が家の庭先で2時間も待っていたという。
目が覚めて、携帯を見ると親方からの着信の履歴があった。折り返し電話をかけてみると、庭先に親方がいた。

食後のコーヒーを飲みながら親方が言う。
「あの件はどうなってる?」

いや、あの件とか知らないし。

「あの件だよ、鉄砲の免許の件」

いや、鉄砲とか撃つ機会ないし、そういうの知らないし。興味ないし。

「テレビでやってたけど、鹿が増えているらしいね、鹿を駆除する人が足りないんだってよ。いやぁ、早く免許を取らないとな」

鹿とか撃たないし。そういうの知らないし。

「で、猟友会の講習会と狩猟資格の試験はいつだって?」

いつだっけ?とか意味分かんないし。おれ、鉄砲の免許とか必要ないから。要らない資格を取るのにお金もかかるし。嫌だし。興味ないし。

仕方なく、僕は猟友会のサイトにアクセスをするのである。
親方の手元にはiPad miniなるものがあるのだが、なぜかそれを使う気はさらさら無いのである。

猟友会のサイト、講習会の日程を見つけた。僕は少しホッとしながら親方に告げる。

「今年度はもうないよ。次の講習会は夏だね」

危なく鉄砲撃ちにされるところだった僕は、今回も一安心。こんな風に先延ばし先延ばしにして、早一年が経とうとしている。

親方が言う。

「そっか・・・夏か。・・・じゃあ、あっちの件はどうなってる?」

あっちの件とか知らないし。

「あっちの件だよ。カキ小屋の件」

カキ小屋とかやらないし、そういうのよくわかんないし。そういうの止めてほしいし。

「ほら、飲食店をやるのに資格みたいのがいるじゃん。食品なんちゃらみたいなやつ。あれは?」

飲食店とかやらないし。必要ないし。勝手に取って勝手にやればいいと思うし。断然巻き込まないで欲しいって感じなわけだし。

残念ながら、食品衛生責任者の講習会は頻繁に開催されているようで、直近だと数日後には開催されるようで、それを逃してもちょこちょこ開催されているみたいで・・・。

僕は親方の軽トラに乗せられて東松山の保健所へと連れて行かれた。

「食品衛生責任者の資格を取りたいんですけど、2名分の申し込み用紙をくださいな」


いや、まぁ、別にお店とかやらないんだけどね。まぁ、いつかやるかもしれないからね。まぁ、いいんだけどさ。

鉄砲撃ちにされるよりは数百倍いいか・・・と、自分に言い聞かせる僕なのである。

クレーム処理班出動です。

2016-01-28 02:31:52 | Weblog
電話がかかってきて、目が覚めて、電話に出たら、瓦屋の親方だった。

電話と話しながら、ベッドから出て、カーテンと窓を開けると、瓦屋の親方が立っていた。

「あぁ、おはよう」というと、「おはよう?もう昼だよ」と言われた。

いやぁ、だって、おれは、朝に寝たばかりだから・・・さっき寝たばかりだから・・・。ムニャムニャ・・・。

「あぁ、おれ、狭山に行かなきゃ。大工さんに頼まれてるんだ」と親方は言う。

へぇ・・・そうなんだ。へぇ・・・そうなんだぁ。へぇ。いってらっしゃーい。

親方は庭先に立っている。どちらかというと、立ち尽くしている。

うーん・・・むむむ。うーん・・・むむむ。これはどういうことなのか・・・ということだ。

仕方ないので、着替える。仕方ないので、着替えた僕は親方のトラックの助手席に乗る。仕方がないので・・・。うーん・・・なんでだ?

嵐山から狭山まで1時間ほどのドライブ。現場に着く。ピンポンを押すと、おばさまが出てくる。関西弁のおばさま。

なんだかおばさまは怒っている。親方にクレームをつけている。
聞くと、数年前に親方が屋根を直した家らしい。
やった仕事のクレームが来れば、当然対応するうちの親方なのだが・・・。おばさまが言うクレームは、どうも親方の仕事とは関係のない事柄についてのようで、たとえば主に大工さんの仕事に対するクレーム。

まぁ、それはいいんだけど、親方はさっさと屋根の上へと消えてしまい、事情が今ひとつ理解出来ていない僕がおばさまのクレーム対応を一手に引き受けることとなる。

大体からにして、事情をわかっていない俄か瓦屋の小僧(現在休職中)に、クレームの対応など出来るわけがない。
おばちゃん、関西弁だし。関西弁で怒ってるし。

まぁしかし、どんな時も目の前の危機には対応していかなければならない。これは生きる上での鉄則なのである。

いつ工事をしたのかも、どんな工事をしたのかも、さっぱりわからないので、とりあえずおばちゃんの言うことにはすべてこう答える。

「そうなんですかぁ!」
「ほんとですかぁ!」
「それはひどいですねぇ!」
「なんでですかねぇ?」
「そりゃあ、まいっちゃいますよねぇ!」

こんな感じかな。ってな感じで。

元来、うちの親方ってのは、仕事で手を抜く人ではないし、ズルをする人でもないし、お金を多く請求したりする人ではない。現代では珍しい、誇りを持った職人なのである。

だからまぁ、こんな感じかな?ってな感じで対応しつつ、おばちゃんの怒りが収まってきた辺りを見計らって、「親方ならこんな風に説明するんだろうな、きっと」という想像をもとにして、なんとなーくゆるーく説明してみる。素人なりに。

結局、親方は出来得る限りの対応、つまり自分がした仕事とは関係のない仕事を、おばちゃんのためにしてあげた。無料で。

僕のクレーム対応もうまくいったようで、帰り際のおばちゃんの機嫌はすこぶる良好であった。


おばちゃん、寂しかったのかもしれないなぁ。


いや、まぁ、いいんだけど・・・。なんでおれは狭山まで連れて行かれたのだろうか。

トラックは嵐山の我が家で僕を降ろすと、ズドドドズビビビと音を立てて帰って行った。辺りはもう真っ暗だった。

なんだったんだろうか・・・。まぁ、いいんだけど。ははは。

なんのたぐいライフ?

2016-01-28 01:01:59 | Weblog


裏山の木々の間から、月が顔を出した。天空には星が瞬く。

気温は零度である。零度というのは低いのか暖かいのか・・・わかりかねる。
数日前のマイナス8度と比べると、随分と暖かい気がする。顔と手が痺れるということはない。

外にいる。薪ストーブに火は入っているのだが、以前のように暖かくはない。
先日の雪で、我が居場所のテントが崩壊した。もはや、テントに囲われたヌクヌク生活は送れまい。
薪ストーブの前で、身体の前面は暖かいのだが、背中側は寒い。非常に寒い。

でも、考えてみると、この状況、この状態は好きである。
ふと、空を見上げると暗闇の中に星がある。
まるで秋の北海道でキャンプをしているような錯覚に陥る。少し、幸せな気分に浸ることができる。

外で本を読みながら、外でジーンと感動したりする。感動と寒さでブルブルっと震える。ちょっと幸せな気分に浸ることができる。

我が家は家の中も寒い。なぜ寒いかというと、暖房をつけないからだ。部屋の中が零度であろうと、暖房をつけない。最近では、意地でもつけない。いやぁ、こうなると、もう意地でしかないですよ。
なぜ暖房をつけないかというと、江戸時代には石油ストーブなんて無かったからですよ。

いやぁ、すごいなぁ、江戸時代人。

寒さに震えて過ごしているなんて可哀想・・・とか、思わないでくださいね。
僕は全然寒さに震えてなんかいない。
なぜならば、江戸時代人になくて僕にあるもの。それは・・・ダウン。つまり羽毛。羽毛グッズの類。

そう、僕は暖房器具に頼らずに、ダウンの類に頼るのです。

そうそう、そんで、なんで外で本を読んでいるのかっていうとね、薪ストーブでお湯を沸かしているのです。お湯をたーくさん沸かして湯たんぽに入れて、部屋の中でダウンの類とか共にヌクヌクするのです。

いやぁ、全然怖くないなぁ、マイナス温度なんて。

いやぁ、楽しいなぁ、ダウンの類ライフ。

うーん・・・去年の今頃も、同じようなことを書いたような気がするなぁ・・・。

関係ないけど、うちの地区、まだ全然雪が融けてないんだよぉ。すごくない?

劇団カッパーフィールド!

2016-01-27 03:03:23 | Weblog
久しぶりにしゅうちゃんから連絡が来た。

痛いのか?
しょんぼりしてるのか?

と聞いてくるから、「全然痛くないし、ションボリもしてないよ」と答えると

じゃあ何やってんだ!ブログを書け!おまえのブッキングマネージャーよりも俺の方が怒っているんだぞ!

とキレられて、爆笑した。

そんなわけで、ブログを書くことにする。

しゅうちゃんがこう言う。

「今度ミュージカルをやるから、曲を書いてくれ」

爆笑した。

「今一番本気でやりたいのは、ミュージカルなんだ」

爆笑した。

どんな曲を書けばいいのだろう?
台本とかあるのかなぁ?

「前回のミュージカル公演のDVDを送るから、観てくれ」

あぁ、それに合わせて曲を書けばいいんだね?

「いや、台本も変えるし、全部変える」

ん?

うーーーん、僕はどうしたらいいのだろうか?

爆笑した。


そういえば、しゅうちゃんは劇団員と共に「劇団四季」の公演を観に行ったと言っていた。

劇団四季みたいのがやりたいってことかなぁ?

「そう!それ!・・・でも、劇団四季でさえもやっていないような凄いことがやりたい」

たとえばどんな?

「イリュージョンとか!」

爆笑した。


あぁ、面白かった。


おれ、書けるかなぁ・・・劇団四季を超えるイリュージョンミュージカルの曲。


あぁ、面白い。

晴耕雨読、雪・・・

2016-01-18 23:15:33 | Weblog


雪が降る降るって言ったって、どうせ大して降らないんだろうなぁ・・・なーんて思っていたんだけど、すげぇ降った。すげぇ雪が降った。ビックリした。

あっ、どうも。2016年初です。初ブログっす。今年もよろしくお願いいたしますです、はい。

ブログをずーっと書かなかったら、誰かが怒ったりしてくれるのだろうか?とか思いながら日々を費やしていたのだけれど、まぁ、大して内容のある毎日でもないわけで、ブログネタってのも異様に少なかったりして、そんで書かずに日々が過ぎ去っていったわけなんだけどね。
先日、ブッキングマネージャーから怒りのメールが届いてすげぇ怒られたので、「えへへへ」と返事を返して、こうしてブログを書いている次第なんでありやす。
怒ってくれる人がいるってのは、ありがたいことでやんす。

そんでもって、雪。

雪が降ったなら家でジッとしていればいいわけで、普段なら雪が降ろうが槍が降ろうが、予報さえ出ていればなんてことはない。
だがしかし、である。
今日は、なんと、病院へ行く日だったのである。CT検査の日だったのである。
つまり、雪が降ろうが槍が降ろうが、病院へ行かなければならないのである。

「もう~どうせ降らないくせにぃ」とブツブツ言いながら、昨日、スタッドレスタイヤに履き替えた。
それが大正解だったのが、今日の大雪。
嵐山くらいの田舎になると、降る雪も積もる雪もハンパじゃないのである。その雪の融けなさもハンパじゃなく、その後に雨が降ろうが陽が照りつけようが、ほんの少しも融けないのである。
田舎嵐山、いまだ一面の銀世界なのであります。

無事に病院に着き、検査をし、検査の結果の画像を見、主治医の先生の検分を聞く。
来月、再手術を行うか否かを決めるとのこと。僕の見立てでは・・・再手術「あり」だと思います。
だって、再骨折から2ヶ月。くっついた骨は、ほんのちょびっとだったんだもん。このままでは、今後の人生に関わってしまいそう。

まぁ、そんなことはいいんだけど。

帰ってきて夕暮れ時。

積もる雪の中に椅子とテーブルを置いた。
コッヘルに注いだカップ一杯分のお湯を沸かす。
川越のマルヒロの裏のコーヒー豆屋で買った、やたらと高い有機栽培のコーヒー豆。
沸き立ったお湯を少し冷まして、ダブルステンレスの保温マグにチョロチョロとお湯を注ぐ。
夕刻の太陽の光を、真っ白な雪が照り返す。
熱いコーヒーを少しずつ。
陽が暮れるまで、少しずつ。

晴耕雨読といいますが・・・
晴耕雨読雪珈琲・・・
そんなのが良いと思います。