キスの味と言っても、恋するブチューのkissではない、魚のキスである。いただき物が重なる日がある。昨日という日がそんな日で、朝に珍味のアケビをいただいたと思ったら夕方、今度はお隣さんの若いご主人から釣りたての大きな落ちギスを6匹もいただいた。釣り好きでよくあちこちに出かけるらしいが、いつも獲物を持ってくるところを見ると、なかなかいい釣り師の腕のようだ。ため息の出るような鱗のきらめき、白肌のなまめかしさ。そんなキスの顔を見ながら、どんなふうにお料理しようかと考えて今回は煮付けに。ほんのり甘くて、身のしまった味はとても豪華な夕食の一品になった。山の幸と海の幸が一度に味わえたまさしく恵みの秋、絶好調の日だったな。