なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膵癌だった

2014年06月23日 | Weblog

 高血圧症で外来通院している83歳女性は、義理の弟(亡くなった妹の夫)の世話をしていたが、やっと施設に入所させることができるとホットしていた。この方自身は一人暮らしで、若いころに流産をきっかけに離婚していた。その後、縁あって内縁関係の夫(妻は死亡)と暮らしていたが、大分前にその夫も亡くなっていた。ただ、先妻の子供たちとはつながりが続いていて、旅行に連れて行ってくれたという。人柄が良さが、伝わっていたのだろう。

 2年前から体調が悪くなって、、また回復したりというのを繰り返していた。今年になって義理の弟のことで心労が続き、一時食欲がなくなった。もともと心気症+うつ状態という印象の患者さんで、スルピリドを処方してみたが効果が上がらず、SSRIを少量処方してみることにした。ジェイゾロフト25mgを処方したが、その後に下痢が続き、体重が減少してしまった。ジェイゾロフトの副作用として中止して、下痢は治まった。食欲が出てくるまで時間がかかったが、やっと回復した。副作用で迷惑をかけて申し訳なかった。前回受診した時に、常にではないが、心窩部痛があるという。

 胃内視鏡検査を行ったが、萎縮性胃炎のみで胃癌はなかった。腹部エコーは異常なしだが、膵臓は観察困難と記載されていた。血液検査に腫瘍マーカーを入れていたが、CEAが軽度に、CA19-9が中等度に上昇していた。結腸癌か膵臓癌が疑われた。大腸検査は受けたくないというので、今日腹部造影CTを行った。結果は膵臓癌だった。心窩部痛は気にならないが、3日くらい排便がないと食物を嘔吐することがあるという。曖昧に、膵臓が悪いようですとだけ伝えた。病状を伝えるとすれば誰になるのかと聞くと、実家の兄弟の子供である甥だという。近くに住んでいるらしい。

 調子が悪ければ入院もあるというと、今は大丈夫と言われた。どのように受け取ったかと思うながら、通院で様子をみましょうと伝えた。親族(甥)と相談してから、本人にどう説明するかを決める方がいい。放射線科のレポートを確認してから、呼び出す予定とした。

コメント
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