なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

術後の食欲不振

2014年06月11日 | Weblog

 外科医から紹介された66歳男性は今年の2月に胃癌の手術を受けていた。漿膜浸潤・リンパ節転移もあり、再発が予想される手術であった。その後、4月と5月に食欲不振で入院した。入院すると案外食事をとれて退院するので、家庭環境の問題も疑われたようだ。今月また食欲不振で入院した。CTでは明らかな再発の兆候はない。CEAが低めだが異常値を呈して、それが少しずつだが、上昇はしている。癌細胞が潜んでいるような所見だった。ただ転移として腫瘤を形成しているわけでもないし、腹水もなかった。それで食欲不振は合わない。外科でスルピリドを処方していた。あとは六君子湯と消化剤が処方されている。

 病室に診に行くと、いかにも元気というか活気がない。入院すると食事をとれるようになるというのは、器質的な疾患とは言い難い。うつ状態なのだろうか。ビルロートⅠ法で再検していて、胃切除術後症候群としての症状はないようだ。低蛋白血症になっていて両側下腿に浮腫がある。下痢が続いているという症状はない。甲状腺機能は正常だった。吸収不良というよりは栄養摂取不足だ。尿蛋白は陰性。

 さてどうしたものかと思う。抗うつ剤を開始して経過をみるしかないような気もする。普通はSSRIの処方から開始するものだろう。ジェイゾロフト25mgからかな、と思った。その気があれば、精神科を受診してもらう方がいいか。

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