なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナ治療薬

2022年02月12日 | Weblog

 倉原優先生がYahoo newsで新型コロナの治療薬をまとめていた。

 

 感染初期に使用するのは、抗ウイルス薬か抗体薬になる。

 軽症中等症Ⅰ(肺炎があるが酸素吸入は不要)で使用できるのは、抗体薬のソトロビマブ(ゼビュディ)か、経口抗ウイルス薬のモルヌピラビル(ラゲブリオ)ニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド)使用できる。

 中等症Ⅱ(肺炎があり、酸素吸入を要する)から重症ではレムデシビル(ベクルリー)しか使えない。

 

 

図1. 新型コロナ治療薬まとめ(筆者作成)

 

 

表2. 新型コロナ軽症者に対する抗ウイルス薬(筆者作成)

 

 軽症・中等症Ⅰで使用するこれらの薬は、重症化リスク因子がないと使用できない。高齢者(65歳以上)は年齢だけで使用できるので問題ないが、若年者では使えず、中年でも基礎疾患がないと使いない。

 リスク因子のなかでは、高血圧症や脂質異常症は、(程度の問題はあるが)COPDなどに比べればさほどリスクがなさそうで、それで使えるのは有利だ。糖尿病でも食事・運動療法レベルの患者さんだとリスクが低そうだが、糖尿病の病名があれば使用できる。

 

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 経口抗ウイルス薬としては、モルヌピラビル(ラゲブリオ)を数例処方(使用)してきたが、2月10日にファイザーのニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッドパック)が特例承認された。早ければ2月14日から使用できるようになるそうだ。今後はこちらを処方することになるか。

    パキロビッドパックは死亡・入院リスクを88%低下させるとなっていて、ラゲブリオの30%低下より効果があるようにみえる。しかし、ラゲブリオも当初はもっと高い効果とされていたが、実際に使用されて低下した結果になったという。

 パキロビッドパックの現在いわれている効果は少人数の臨床試験でのもので、実際に使用されれば効果の%は低下するだろうと予想される。またパキロビッドパックは併用禁忌薬がずらっと並んでいて、頻用薬もかなり含まれているので、慎重なチェックを要する。

 

 中等症Ⅱ以上ではレムデシビルに頼るしかない。レムデシビルは効くといわれたり、効かないといわれたり、また効くといわれたりでよくわからないところがあった。

 岡秀昭先生のコロナ特講で、レムデシビルは発症10日以内ならば使用すると(7日目以降に使用する抗炎症薬のステロイドと併用で)されていた。軽症ではレムデシビル3日間の投与もあるという。レムデシビルは効果があるものと確定されたということか(それも発症早期から10日目までの期間で)。

 

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