なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

右中葉肺炎、好酸球増加症

2022年06月18日 | Weblog

 火曜日の内科新患を、微熱と倦怠感を訴える88歳女性が受診した。内科の若い先生が担当した。

 高血圧症と喘息で市内の内科医院に通院している。心臓ペースメーカー植え込み術を受けていて、心臓血管センターのある専門病院の管理だった。

 好酸球増加症と肺陰影を医療センターでフォローしているという病歴があった。内科医院の紹介でもなく、直接の受診なので本人の話と処方内容しかわからない。

 1週間前からの症状ということで、バイタルも含めて、緊急性はなさそうだった。血液検査では、白血球11900・CRP0.1で、好酸球が57.5%と確かに好酸球増加症だった。

 胸部CTで右肺中葉に浸潤影を認めた。高齢なので入院治療でもいいが、外来で抗菌薬内服で経過をみて、改善しない時は入院治療を考慮することになっていた。抗菌薬はオーグメンチン(AMPC/CVA)が処方された。

 

 その日の午後に受診者を確認していて、この患者さんが目についた。好酸球増加症と肺陰影の詳細が分からないが、呼吸器科の外来に来ている先生に相談することにした。

 木曜日に相談した。胸部CT画像を見ると、気道に沿った散布影と、気管支拡張像、そして浸潤影がある。ある程度慢性であれば部位(中葉)的にも非結核性抗酸菌症(NTM)が疑われるということだった。

 慢性好酸球性肺炎だと両側性の病変になる。好酸球増加症と肺陰影は別の問題かもしれないという。外来に回してもらっていいですよ、と言ってもらった。

 1週間後の外来予約になっていたので、症状と検査再検の結果をみて、対応を決めることにした。通常の肺炎で抗菌薬で軽快すれば一番簡単だが、どうなるか。

 

 そういえば、以前80歳代後半の女性で右肺中葉と左肺舌区の肺炎を繰り返した患者さんがいた。その都度、抗菌薬投与に反応して軽快したかに見えていた。

 最終的には、年に渡って陰影が継続していると判断された。器質化肺炎としてステロイド投与を開始して、軽快した。こちらの患者さんは好酸球増加はなかった。

 

 

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