なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19で発熱遷延

2022年06月25日 | Weblog

 今週の月曜日に、COVID-19のクラスターが発生した施設に入所中の69歳男性が入院した。その日で発症13日目だった。

 濃厚接触者として新型コロナの検査を受けて陽性と判明した。検査時点では無症状だったが、翌日から発熱があった。高熱が2日続いてから微熱から平熱になっていた。

 その後10日目から微熱が出て、12日目に38℃の発熱があったために、入院依頼となった。咳など呼吸器症状はなく、酸素飽和度は正常域だった。

 入院時の胸部CTで両側下肺野背側に淡く陰影があるようにも見えるが、重力の問題で肺内水分を描出しただけのようだ。血液検査で白血球6400・CRP1.2と、COVID-19 として悪化しるようでもなく、細菌感染を併発したようでもない。

 COVID-19では中等症までは細菌感染併発に対する抗菌薬は不要とされている(岡秀昭先生)。しかし知的障害者で嚥下の問題もあり、抗菌薬を入れて経過をみることにした。

 ステロイド使用をどうするかと思った。糖尿病で当院消化器科の外来に通院していた。DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬の合剤で、HbA1cは6.5%だった。

 入院後も38℃台の発熱が続き、3日目の水曜日にデキサメサゾン4mg/日を点滴静注した(6mgではなく、ちょっと腰が引けた量になった)。

 木曜日に呼吸器外来に来てもらってる先生に相談した。大学病院の感染症内科に所属していて、COVID-19 を多数診療している先生だ。

 肺炎ではなく、COVID-19のウイルス消失後も、感染による全身の炎症が遷延しているのでしょう、といわれた。患者さんは小柄なので(40kg弱)、デキサメサゾンは4mg/日でもいいでしょうという。

 COVID-19 で定番のデキサメサゾン6mg/日10日間ではなく、4mg/日を5日間・2mg/日を5日間の10日間使用で行きましょう、ということになった。血糖が上昇するので、インスリン併用で対応する。

 デキサメサゾンを2日間入れた金曜日には、微熱から平熱程度になった。入院後食事摂取が進まなかったが、やっと食べられるようになった。

 

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