なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

側頭葉てんかん

2022年06月08日 | Weblog

 火曜日の午前は救急当番だった。一過性意識消失の83歳男性が救急搬入された。けいれんはなかったそうだ。

 当院の神経内科外来(大学病院医師)に側頭葉てんかんで通院している。20年前から通院していて、処方はカルバマゼピン400mg/日のみだった。長年発作はなかったが、車の運転をすることから処方継続となっていた。

 その日はトイレに行こうとして、トイレも前で倒れた。倒れる音がしたので家族が行って、倒れているのを発見した。3分くらいで意識は回復したというが、開眼したということのようだ。

 救急車内では「大丈夫、大丈夫」と発語があった。搬入時には回復して、意識清明となっていた。普通に会話ができる。トイレに行こうとしたことは覚えているが、倒れる直前のことは覚えていない。その後は、病院に搬入されたところから覚えている。

 高血圧症で内科クリニックに通院している。ARB+βブロッカー貼付薬で血圧が下がりすぎて、βブロッカー貼付薬は中止になっていた。その後も起立性に低血圧があり、血圧が90になってふらつく時もあった。

 今月1日に作業中に動作が止まり、眼球が上転したのを妻が見ていた。立っていたので、すぐに座らせて支えた。数分で治まったので救急要請などはしなかったそうだ。

 頭部CTは以前から指摘されている左島の小低濃度巣(放射線科の読影では梗塞とされていが、欠損?)があるが、それ以外には出血はなく、明らかな梗塞巣はなかった。

 血液検査ではカルバマゼピン血中濃度は治療域にあり、他も異常はなかった。炎症反応は陰性だった。

 処置室に移ってもらって午後まで経過をみたが、特に症状はなく、家族が売店から買ってきて昼食もとれた。帰宅できるようだ。

 単なる起立性低血圧症というよりは、てんかんの症状のように思われた。神経内科外来の予約日は7月始めになっていたが、家族が今週の外来予約に取り直していた。(こちらで予約を入れるつもりだったが)神経内科外来の評価にお任せする。

 

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