なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳出血

2022年06月04日 | Weblog

 木曜日の午後1時ごろに、外来の看護師さんから連絡がきた。頭痛・体調不良を訴える81歳女性が直接外来を受診したという。当院事務職員の母親だった。

 2回の脳出血の既往があり、付いてきた夫によると認知症があります、ということだった。その日朝は特に変わりなかった。デイサービスに行って、お昼ごろに頭痛(頭重感)と体調不良を訴えた。 

 家族に連絡が来て、夫が迎えに行って、そのまま病院に連れてきた。入所者ではないので、デイサービス中の体調不良は家族が呼ばれて対応することになる。

 

 救急室に別の患者さん(若い女性)がいて、腎臓内科の若い先生が対応していた。81歳女性は、救急室の脇の方のストレッチャーに横になっていた(カーテンで仕切られているだけ)。

 開眼はしていて、頭痛があるという。部位を訊くと、右前頭部を手でさわっていた。両側上下肢は動くが若干左上下肢の動きが弱い(不全麻痺?)ようだった。

 ふだんは頭痛はなく、その日に出現した頭痛だった。すぐに頭部CTを撮影することにした。これまでの画像を確認してから放射線科に行くと、ちょうど撮影が終わったところで、放射線技師さんたちが声を上げていた。(事務職員の母親と知っているので、技師さんたちが集まって来ていた)

 右後頭葉に出血を認めた。部位は高血圧性脳出血としてはあまりないところになる。出血性脳梗塞も疑われたが、心房細動はなかった(正常洞調律)。

 高血圧症で当院神経内科医の外来に通院している(処方はベニジピン4mg1錠のみ)。神経内科医に連絡してCTを診てもらった。以前のMRIを確認して、動静脈奇形などはないのを確認していた。「脳出血」というしかない、基幹病院へ搬送を、ということだった。

 地域の基幹病院脳外科に連絡すると、受けてくれたので、救急搬送とした。その日脳外科はその先生しかいないそうだ。手術にはならず保存的に診ることになるので、脳神経内科に頼むことになる、とも言っていた。

 

 これまでの脳出血も普段あまり見ない部位に発生していた。2015年は右側頭葉の脳出血が発症している。保存的治療になるので、当院の神経内科に入院していた。

 2020年には左側頭葉の脳出血が発症して、その時は基幹病院脳外科に入院していた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする