9月18日(水)の内科外来(再来)に、高血圧症の70歳代初めの女性が受診した。降圧薬を4種類使用しているが、血圧は120台で安定していた。
病状やそれ以外のことで時間がかかる患者さんが多い。その中で、心気的は訴えもなく、血圧も安定しているので診察がすぐに終わる有難い患者さんだった。高脂血症もあるので、半年に1回検査をしているが、結果は問題なかった。
その日は珍しく、実はと話し出した。40歳代後半の息子さんが当院の回復期リハビリ病棟に入院しているという。
1か月前に左半身不全麻痺と知覚鈍麻の症状が出て、地域の基幹病院に救急搬入された。頭部CTで脳出血(左被殻出血)と診断され、脳外科に入院した血腫が小さく保存的治療になった。
高血圧症があったが放置していたそうだ。比較的若年でもあり、内科で二次性高血圧症の精査をしたが、特に二次性ではなかった。降圧薬2種類(ARBとCa拮抗薬)が処方されて、血圧は軽快している。
転院時には血腫は吸収されていた。多少の麻痺は残るかもしれないが、日常生活には支障がない。別の仕事をしていたが、実家に戻って来て自営業を手伝っていたそうだ。
担当の内科医から退院後は近くのクリニックでといわれているが、いっしょに外来で診てもらえないかということだった。夫婦や親子でいっしょに(同日の同じ予約時間)通院している患者さんたちもいるので、問題はない。
研修医のころは高血圧症放置で40歳代で脳出血発症というのは時々あったが、最近はほとんどみない。
印象的で今でも覚えている患者さんもいる。電気工事店を経営している40歳代の男性が、電信柱に登っている時に脳出血が発症した。電信柱の上から助けを求めて、近くの人が救急要請した。いわゆる命綱は装着しているので転落はしなかったが、電信柱から降ろすのには消防のレスキュー隊が必要だった。
ほぼ完全麻痺で歩行はできず仕事は難しかった。兄弟たちの希望で、リハビリ病院に転院していったが、改善は見込めなかった。(お子さんはまだ中学生)
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