内科クリニックからMRCPの画像検査だけ依頼された89歳男性は、胆管疑いと診断された。その後に改めて当院消化器科外来に紹介されてきた。閉塞性黄疸は当院では基本的に受けていないので、対応できる他院紹介を勧めているが、今回は消化器科医が受けた。
腹部造影CTが行われて、総胆管中部に造影される腫瘤を認めた。これは胆管癌でいいと思っていたが、黄疸が改善しているという。MRCPで見るともっと黄疸がひどそうだが、実際は総ビリルビンが3.2mg/dlだった。それが再検して1.4mg/dlまで下がっていた。
さらに腹部エコーで総胆管を見ると、腫瘍があると思われた部位はdebrisエコーのように描出された。そしてそこにはドップラーで血流がなかった。総胆管内に腫瘤様にdebrisがたまる病態なんてあるのか?。予想外の結果でわからなくなってきたが、やはりERCP(+内視鏡処置)が必要な気がする。
「ケースで学ぶ不明熱の診断学」は興味深かった。最後の2症例が典型的な伝染性単核球症(EBV)・偽痛風で、症例の順序はちょっと変かもしれない。