Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ダウントン・アビー/使用人の序列

2012-11-05 09:18:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
「ダウントン・アビー」シリーズ2は昨夜TVでエピソード2放映でした。


相続人マシュウとグランサム伯爵

日曜夜は、字幕版はなく、音声を英語/日本語吹き替えから選ぶようになってます。
で迷ったけど英語にして見てたら、でてきたんですよ!「フットマン」という単語が!

ヴァレンタインの不思議な形のお風呂の疑問解決に役立った本「メイドと執事の文化誌」に、使用人の種類の解説があり、中でも美しい制服のフットマンが私のお気に入りポジションだったのです。



p100より「フットマンは全般的に反感をもたれていた。雇用主からも、同僚からも。」えーなにこの損な役回り、気になるじゃないですか!この妙な役職名のフットマンとは、まず長身と容姿が雇用条件にある!昔のJALスチュワーデスですか?
ご主人一家や客人の座る席へディナーを執事と共に給したり、旅行のお伴をしたり、貴婦人の乗馬のお手伝いをしたりと、貴族から見たら、家の美しい自慢の家具に近い、働く装飾品?同じ使用人でもお給料は男性の方が女性よりも高かったので、フットマンを揃えることはステイタス・シンボルだったそうです。ダウントン・アビーでも「ディナーをメイドが給するわけにはいかない」という会話があったわけがやっとわかりました。
ちなみにダウントンでは、トーマスやウィリアムがフットマンでした。

トーマス
ウィリアム

高い序列にある使用人とは、ご主人一家と直接会うチャンスのあるポジションです。
(ダウントンの伯爵一家は寛容で、ご主人様が使用人部屋に出向いたりしますけど)


執事(Butler)・・・男性使用人の長。中世ではワイン(樽をバットという)担当。
          ああ!だからカーソンはいつもワインを管理してるのか!

レディーズ・メイド・・・女主人の着替えなど身の回りの世話。あの恐いオブライアン。

従者(Valet)・・・紳士の個人つき使用人。ミスター・ベイツやモーズリー。

家政婦長(Housekeeper)・・・女性使用人を監督。ミセス・ヒューズ


なるほど!フットマンはこれらの役職よりは下ですね。
それでダウントンのお屋敷ではトーマスがミスター・ベイツにいじわるするわけです。あのポジションが欲しいと言って!この知識なしにドラマを見ていた時、なぜ野心的なトーマスが、ご主人の着替えを手伝うというつまらなそうな仕事にこだわるのかがよく理解できませんでした。しかも、ダン・スティーヴンズ演じる相続人マシュウは中産階級出身なので、上流の紳士の習慣であるこの従者を要らないと、「男がやる仕事じゃない」と使用人本人にも反抗します。それに対してお屋敷の主人グランサム伯爵は「人にはそれぞれ役割がある。従者から仕事を奪っては我々がきちんと役目を果たしているとはいえない」(うろ覚え)と上流のしきたりに躊躇する遠縁の相続人に諭すのです。この台詞は、ノブレス・オブリージュとともに、大勢の使用人が必要な大きなお屋敷の時代が、第一次世界大戦を期に終わろうとしている予感があっても、自分の存在価値をかけた伯爵の心情を感じるところでした。。。

そうそう、フットマン以外に好きな制服は、ショーファー(運転手)。

ブランソン

もともと初期の自動車はフランス製が多く、車も運転手もフランスから調達したそうで、だからフランス語で定着したのか。外国人なので使用人のヒエラルキーにも無頓着で、女性にもモテたそうです。うおお!ダウントンではお嬢さんと結婚したことの背景にはそんな事実が!

ところで!
伯爵役のヒュー・ボネヴィルさん、こんな姿ですとなかなか気づかないのですが



Third Star に出てきた、海辺の変人おじさんだったんですよね!

いや、これを見てすぐには気づかなかったな・・・脚出しててビックリ



question2追記
フットマンって、日本語字幕では「下僕」となっていました。ん?そうか下僕だよね、
足男なんだから。。。でも、下僕も足男も「容姿端麗」を想像させなくて不満が残る。