Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ドクターの恐怖

2014-05-29 21:43:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
私は「ドクター・フー」は、10代目テナント・ドクターをたぶん全部、その前の9代目エクルストン・ドクターの最初の方だけ、11代目マット・ドクターのシーズン6がもう少しで終わりそうなくらいしか見ていません。でも、よく知らなくても知らないなりの感想を書きたくなりました。

日本では「シャーロック」プロデューサーのモファット&ゲイティスが製作しているドラマシリーズとして知られることが今現在は多いかと思います。2005年よりも前の旧シリーズは見てないのでどうかわかりませんが、それ以降の新シリーズは子供番組として放送されています。

ですので、ドクターを見ていて一番心の奥までズキンと来るのは、私がおもに子供の頃に感じた想像上の恐怖とか不安を見せられることなんです。逆に言えば、そういう想像を文化や時代を越えて人間ってするんだなあ、と感動したんです。

例えば、マット・ドクターは7歳の女の子エイミーとの出会いから始まり、その話はエイミーがコンパニオンをしている間延々とオープニング・タイトルに繰り返されてエイミーは"The girl who waited"と称されています。それは1度会っただけのドクターが迎えに来るのを荷造りして一晩中外で待っていたから、そしてその後も再開するまで数年間「きっと迎えに来る」と信じて、だけどある時点からは「想像の友達」と自分でも半信半疑になりながらも忘れることがなかったからです。

私も子供の頃は、絵本の世界と現実の世界が半々になったような意識でした。そしてその後、10代になってからは少女マンガ「ポーの一族」のエドガーが時空を越えて生きていると思ったものです!エドガーは窓からやって来る、私が大人になっても、彼だけは少年の姿で・・・・と!
エイミーの家はスコットランドで、私の実家も一地方都市。都会の子供にはドキドキするような現実がたくさんあるのでしょうけれど、何も起こらない小さな町に住む子は絵本や空想の世界の方に住んでしまうものなのかも。

子供時代に恐かったものと言えばドクターの「嘆きの天使」、石像のふりしてるモンスターです。ちょっと目を離すと姿を変えて近くに来てる。「だるまさんがころんだ」みたいと思ってたら日本語版wikiにはモファットさんがそれから着想を得たと書いてあるけど本当でしょうか。
夜中にトイレに行く時、隣の部屋のドアが開いていて、そこに何かいるんじゃないかと恐くて仕方ありませんでした。その「何か」が動くのを見たくない!と絶対にその部屋と、トイレの窓の外に焦点を合わせないようにしていました。視線を床から壁の方へ上げる時も、何かが上げた先にいたらどうしよう!と思ったものです。

それと似てるのが「銀色のねずみ」で、視界のギリギリ端っこに、何かがサーっと動いたのを見たような気がしました。それに焦点を合わせると見えないんだけれど、違う方向を見ると視界の端にまた現れる「何か」です。それは恐くはなかったのですが、次元の違う存在という感じがしてました。

1人でお風呂に入っている時などは、普通、一番プライベートな空間なわけですが、ふと「私の一部始終を監視している宇宙人がいてもおかしくない」と思ったことがあります。その目的までは想像できませんでしたけれど、地球まるごとを外から見てる存在があるかも、と思いました。私はテレビで大人の番組や外国の映画やドラマを見る子供じゃなかったのに。

遊園地/腹話術の人形、これはたぶんどんな子供にとっても恐いですよね。あの張り付いたような笑顔。

美容整形の成れの果てに皮1枚になっちゃったモンスター。これは子供の時の恐怖じゃないけれど、シワ伸ばし手術のやり方を聞いた時に感じた恐怖の成れの果てです。

出られない巨大ホテル、これも私は子供の頃にホテルなんて泊まった覚えがないので大人になったからの体験ですが、大型ホテルは、廊下の両側に部屋が並び、窓は客室についているので廊下は密閉空間で窓がなく、方向感覚を失うんですよね。廊下で迷って恐い思いをしたのは、最近はホテルではなく高級マンションに人を訪ねた時にも迷って恐かった。

と、日常に潜む恐怖をいちいち書くとキリがありませんね。

ドクターは時空を超えるので歴史上の人物が出て来たり、未来都市もよく出て来ますが、今現在と思われるエピソードもあって、そういうのに私はほっとします。特に子供や老人が出て来るのは、子供部屋とかオモチャ売り場とか、子供と散歩に行くと大体日中フラフラしてるのは老人ですし、私のよく知っていたイギリスなので懐かしいです。ドクターの中で、ある登場人物の恐怖の思い出として、「PE(体育)をパンツでやらされる」というのがあったんですが、私の子供の行ってた学校でも体操着を忘れた子は下着でやっていました。うちの子はまだその時4、5歳でしたけど「イギリスって野蛮だな」と思いましたもん。やはりあれは子供心に辛いものだったのか!




ドクターの好物「カスタードをつけたフィッシュ・フィンガー」も、どちらもバラでなら子供の大好物です。私も好き。子供の夕食の大定番はフィッシュ・フィンガー+チップス+ピーズだと思います。

ついでながら、この写真で注目したいのは、エイミーの後方、お鍋の乗ったガス台の上の部分です。これが、エイミーが子供だった頃までは見かけた「グリル」で、ここでトーストを焼くのです。最近はこういうガス台が近代化に伴いキッチンがシンプルにスマホのように表面がツルっとして電気で調理する傾向にあり寂しい限り。