Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

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2019-04-11 00:00:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
この映画を好きな人はざっくり2種類あると思う。

本好きな人。

イギリス好きな人。

(両方って場合もありましょう)

私は二つ目の方にピタリと収まって、私の大好きなイギリスの詰め合わせのようでした。



というか、日常のちょっと昔のいいもの、と思うようなものは1950年代後半のものだったのか?!と知りました。

この本屋さんの看板のような緑色のペンキ。

本屋さんのグレーがかった焦げ茶色で幅の広い床板。

本屋さんの中の鉄製の丸い柱。

手書きの本棚の表記カード。



この少女クリスティーンの衣装ぜーんぶ!
手編みのザクザクしたカーディガン。
素朴な花柄やチェックのドレス。
糸の太いレース編みのタイツ。
紐靴。

この子のワードローブはヴィンテージ屋とかアンティークマーケットでよく見る匂いがして、「実際に着るとこうなるのかあ!」と膝を打ちました!



ところでこの子、「シャーロック」の最終章に出てきた飛行機で電話してた女の子なんですね。



主人公フローレンスの本屋は町の有力夫人の反対にあいさんざんな目に会うのですが、その彼女と心が通じて味方になる孤独な老人にビル・ナイ。

どうも彼が演じるというだけでその人が一癖も二癖もあるような気がしてしまう。

よく言えば人物像に深みが出てますが、見てる私はいらないところまで深読みしてしまってよくない。

その彼が気に入った新しい作家のブラッドベリの本を再現した、シネスイッチ銀座の手作りディスプレイ。すごくその精神がこの映画そのもの。



ものだけでなく、この映画の会話が、見事に遠回しに遠回しに意地悪を言ったり、断ったり、人間関係の微妙な距離、上下、愛情を表現していて泣けてきます。

冒頭には女声の語りがあり「この人は一体誰・・・・?」と頭をかすめながらもいったん忘れてしまうんですが、ラスト近くにそれを思い出す仕組みにも泣かされます。

そう、宝物の詰まった重たい箱を開けて中身を見る楽しみだけでなく、不条理にやるせない想いにさせられ、最後には密かな達成感までついている、いい映画でした!

そうそう、エンドクレジットでロケが北アイルランドだとわかりました。どうりでイングランドにしては荒涼とした海辺だなあと・・・