NHKの番組を見損ねたので、どんな内容だったのかこのテキストを待ってました。
内容は以下の4人による読解とご本人のインタビューです。
『トーマの心臓』をよむ――小谷真理
『半神』『イグアナの娘』をよむ――ヤマザキマリ
『バルバラ異界』をよむ――中条省平
『ポーの一族』をよむ――夢枕獏
萩尾望都インタビュー
私はほとんどテレビを見ないので、たまに見るとそのテーマが好きなほど内容の浅さにがっかりしたり、進行の仕掛けなどはいいから「早よ結論を教えてくれ!」とせっかちになるので、読むという形をとったのはたぶん良かったです。
とりあげられた中、「バルバラ異界」は作品そのものを全部読んでいないのでその解説も飛ばし読みした以外は、どの解説も丁寧でわかりやすい上にポイントもついていて、尚且つ作品と作者への愛にも溢れ、いちいちうなずきながらあっという間に読んでしまいました。
心に残ったキーワードは、
・全受入れの愛
・母の呪い
・異端の孤独
1970~80年ごろに描かれた作品が、半世紀後にとてもわかりやすい時代になっていたのか、それとも個人的に私が最初に読んだ時にはアタマが足りな過ぎてそういうテーマに気付かなかったのか、とてもシンプルながら汎用性が広く、これをクリアしたら人生楽勝じゃないか、というテーマばかりでした。
つまり、番組の解説本を読んで、「人(家族含む)に条件を求めず、母の呪いを切り罪悪感を丸めて燃えるゴミに出し、自分は孤独だと認めて生きたい」と勇気が出た、なんとも単純な私でした・・・