主演がオリヴィア・コールマンで、その若い頃がジェシー・バックレー、映画賞で話題になっていたのと、フェミニズムの映画なのかなとも思い見てみました。
ギリシャにひとりでバカンスに来た48歳の大学教授レダが、ビーチで出会った家族に自分の娘たちや家庭の過去を思い出させられて、動揺していくという話。
バカンスしながら研究も続けるインデペンダントなキャリアのある女性で、大家族が「場所取りしたいからそこどいて」というムカつく要求をしてきた時にはさりげなく「NO」と言えるけど、控えめで友好的。
しかしレダは若い頃に結婚、ふたりの娘の育児と研究職の両立に苦労し夫ともうまく行かなくなってしまった。
現代の女性が昔に比べたらチャンスはあるけど、現実的にはこうなる・・・という、男性がいくつで結婚して子供を持ってもこんな話にはならないぞ、という意味でまだまだ「女はつらいよ」な現状を描いてたと思います。
たいへん評価も高い作品ですが、途中でつまらなくて数日間放り投げてました。
男性は悩まないのに女性はなぜか前時代的な母性を期待され、自分のその呪いに縛られて苦しむ、ということが当事者以外にも伝わるのはイイことだと思うけど、それ以上のものを感じないのでした。
極め付けは、レダが他人の子供のお人形を盗んで、それを当の子供も周りも大騒ぎしてる中、一緒に寝たり着せ替えのお洋服を玩具屋さんで購入してたエピソード。子供の物だから落書きはされてるはベタベタに汚れてるのに、まったく意味がわかりません。自分の娘への罪悪感で精神が錯乱している・・・?
まあそれがきっかけでストーリーが動き、大家族の逆襲を恐れて山の曲がりくねった夜道を運転して逃げるのはもう物理的にとても怖くて、外国で田舎のヤンキーに映画鑑賞を妨害されて「うるせいババア」みたいな扱いされるのもムカつく出来事だし、
オリヴィア・コールマンには、次作ではスカッと強い女性が女を軽視する奴らに大逆襲するような役をやってもらいたいです。もちろん、ジェシー・バックれーと組んでくれてもなおイイです。
この映画、私も数ヶ月前に観ましたが、数ヶ月前に観たせいで既に記憶が曖昧になってます。その頼りない記憶の中で、オリヴィア・コールマンとジェシー・バックリーの二人は巧いと思うけど、オリヴィア・コールマン扮する大学教授の本心がどこにあるのか(どうして子供の人形を隠す理由は?)、時折見せる精神の不安定さや行動の意味不明さから考えるに、映画のラストで彼女が抱えているえげつない真相が明かされるのではないか(目を離したスキに娘が死んだ/大怪我をした/生きているけど今では完全に没交渉etc)と、終始ドキドキしてました。してましたが——全然そんなオチじゃなかったですね、普通に健全な親子関係を維持してましたね、違う意味でびっくりしましたよ(苦笑)。
ありがとう、ありがとうございます!私がうまく書けないことを書いていただき・・・!
私も最初、娘は自分のせいで死んだという話かとてっきり思ってたんですけど、ラストの電話先の話に「え?!なんて言った?!」って耳を疑いました・・・
>>子供の人形を隠す理由は?)、時折見せる精神の不安定さ
知性の高い精神の強い女性でも、子供のトラウマで理性がどっか言ってしまうと描きたかったとしたら、それこそフェミニズムと逆行して女性の行動は支離滅裂って思えてしまうんですけどねえ〜