ネットフリックスで80年代に活躍したデュオ「ワム!」のドキュメンタリーを見ました。と言っても私はまったくワム!のファンだったことはなく、80年代前半のヒットチャートにいつも入っていて、イギリスのティーン音楽誌(とじこみで人気ミュージシャンのポスターがついていた)にもよく出ていたので知っていた程度。後にジョージ・マイケルがソロとしても人気があったようですが、私はもう1人のアンドリューの方が見た目で好きだったくらいです。
ですのでメンバーのジョージとアンドリューが子供の頃からの親友で、当時はジョージはギリシャの名前で学校では浮いていて、アンドリューが逆に目出す存在だったことはもちろん初めて知りました。2人はルックスも人気がありましたがドキュメンタリーを見て2人ともエキゾチックな顔立ちだったんだ、と思いましたがジョージはギリシャ人の父、アンドリューはイタリア人の父が、そして2人ともママがイギリス人なのだそうです。
ワム!の曲はめちゃ明るいのが印象として強く、ケアレス・ウィスパーなど日本でも西城秀樹がカバーしたらしいスローな曲に至ってはキャッチーで忘れられないけどオルタナ系の暗い音が好きだった当時の私にはアイドルにしか見えず、曲のタイトルやサビが巨大ロゴで入った衣装などふざけているとしか見えなかったです。でもそれが今見るとエルトン・ジョンも絶賛というのも頷け、あのダサいロゴとスポーツアイテムのステージ衣装も2023年の若者ファッションで繰り返されているのでなかなか可愛く見えてしまいました。
ドキュメンタリーで初めて知ったのは初期の彼らの作品は政治的だったということ。それがイギリスの評論家には受けていたよう。それとジョージ・マイケルって歌のうまさも後年になってフレディ・マーキュリー・トリビュートコンサートで知ったくらいですが、彼の音楽にかける熱意は、当時まだゲイをカミングアウトするのは社会的にもキャリア的にも困難だった時代に自分を偽るマイナスのエネルギーをクリエイティブなエネルギーに昇華して生まれたものだったんだと知りました。しかし彼に熱意があったこと、作曲やプロデュースの才能があったことも知らなかった私。
ワム!の活動期間はわずか4年ほどと短かったにもかかわらず「ラスト・クリスマス」はクリスマスの定番曲となっているし存在感は大きい2人のバンドを始めた時から解散までを本人の声で語った「ワム!とはなんだったのか」がわかる良いドキュメンタリーでした。
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