ちょっと「コリン・モーガン」カテゴリーに入れるか迷いましたが、「さすらいの人オスカー・ワイルド」からの流れですのでお許しください。残念ながらコリンの出番はないのですが、ルパート・エヴェレットは出演しています。
ありがたいことに、colin's grandmaさんに教えていただき、ドキュメンタリー「Edward Carson and the Fall of Oscer Wilde」をBBCアイプレイヤーで見ました。あと13日間視聴できますので、ご興味のある方はぜひ(要VPN)。
エドワード・カーソンとはオスカーが有罪判決を受けた時のボジーの父側の弁護士で、のちに北アイルランドの英雄となる政治家です。
オスカーの唯一の孫であり研究家でもあるマーリン・ホランドが全編を通してガイドしてくれます。苗字がワイルドではないのは、オスカーの汚名から逃れ妻のコンスタンスの旧姓に改名したためだそうです。
オスカーとカーソンは同い年生まれで子供の時から交友もあり、共にダブリンのトリニティ・コレッジに入学しました。その後オスカーはオックスフォードのモードリン・コレッジへ進学します。ちなみにマーリンさんの父、つまりオスカーの息子もオックスフォードに進みたかったのが、周囲が「これ以上オスカー・ワイルドと関わるな」と周囲の反対にあいケンブリッジに行ったそうで、マーリンと彼の息子はモードリンへ晴れて進学、父の願いを果たしたのだそう。
で、イングランドに移り住んだオスカーは、まず自分のアイリッシュ・アクセントをなくし、派手な生活を始めたそう。(・・・なんだか田舎から都会に出てはっちゃけるドラマIt's A Sinのゲイたちそっくり)
作家として成功し、ゲイの香り漂う「ドリアン・グレイの肖像」出版のころに、ボジーと出会う。興味深いのは、やはり貴族の子息ということが美しい彼のスペックを更に更にupさせていて、当時の貴族とは聖人か神のような存在だったと。オスカーの心内たるや。
だがその貴族であるボジーのお父さんクイーンズベリー侯爵には、長男を亡くした悲しい近い過去があり、正式には狩りでの事故という死因だが、長男は秘書官であったローズベリー(のちに首相にもなっている)と男色の仲であり、事故ではなく自殺が真相らしい。
そのことがあって、ボジーとオスカー・ワイルドの仲は何が何でも許せなく、ワイルド宛に息子から手を引けという手紙を送った。
ワイルドの方は当時社交界の大スターに上り詰めていたので、よもや自分が罪に問われるとは疑いもせず侯爵を名誉棄損で訴えたのだった。名声はシステムに負けないとの誤算だった。
法廷でもまるで役者のように尊大に雄弁にふるまい、カーソンに検証されるうちに過去の男色の事実が明るみになり、デカダンスやホモセクシュアルに対する政府の生贄、見せしめとなった政治的な判決、というのが事の運びだった。ちなみにカーソンはいつまでもアイリッシュアクセントが抜けず、その彼と法廷でやりあっているのは何かの冗談だと思っていたようなオスカーだったらしい。
現代ではパリにあるオスカーの墓地に世界中からのファンがキスをしにやってくるように、生きて英雄となったカーソンが忘れられているのに比べ、オスカー・ワイルドは再びセレブとなった。・・・という結びでドキュメンタリーは孫のマーリンの視点よりで語られました。
ありがたいことに、colin's grandmaさんに教えていただき、ドキュメンタリー「Edward Carson and the Fall of Oscer Wilde」をBBCアイプレイヤーで見ました。あと13日間視聴できますので、ご興味のある方はぜひ(要VPN)。
エドワード・カーソンとはオスカーが有罪判決を受けた時のボジーの父側の弁護士で、のちに北アイルランドの英雄となる政治家です。
オスカーの唯一の孫であり研究家でもあるマーリン・ホランドが全編を通してガイドしてくれます。苗字がワイルドではないのは、オスカーの汚名から逃れ妻のコンスタンスの旧姓に改名したためだそうです。
オスカーとカーソンは同い年生まれで子供の時から交友もあり、共にダブリンのトリニティ・コレッジに入学しました。その後オスカーはオックスフォードのモードリン・コレッジへ進学します。ちなみにマーリンさんの父、つまりオスカーの息子もオックスフォードに進みたかったのが、周囲が「これ以上オスカー・ワイルドと関わるな」と周囲の反対にあいケンブリッジに行ったそうで、マーリンと彼の息子はモードリンへ晴れて進学、父の願いを果たしたのだそう。
で、イングランドに移り住んだオスカーは、まず自分のアイリッシュ・アクセントをなくし、派手な生活を始めたそう。(・・・なんだか田舎から都会に出てはっちゃけるドラマIt's A Sinのゲイたちそっくり)
作家として成功し、ゲイの香り漂う「ドリアン・グレイの肖像」出版のころに、ボジーと出会う。興味深いのは、やはり貴族の子息ということが美しい彼のスペックを更に更にupさせていて、当時の貴族とは聖人か神のような存在だったと。オスカーの心内たるや。
だがその貴族であるボジーのお父さんクイーンズベリー侯爵には、長男を亡くした悲しい近い過去があり、正式には狩りでの事故という死因だが、長男は秘書官であったローズベリー(のちに首相にもなっている)と男色の仲であり、事故ではなく自殺が真相らしい。
そのことがあって、ボジーとオスカー・ワイルドの仲は何が何でも許せなく、ワイルド宛に息子から手を引けという手紙を送った。
ワイルドの方は当時社交界の大スターに上り詰めていたので、よもや自分が罪に問われるとは疑いもせず侯爵を名誉棄損で訴えたのだった。名声はシステムに負けないとの誤算だった。
法廷でもまるで役者のように尊大に雄弁にふるまい、カーソンに検証されるうちに過去の男色の事実が明るみになり、デカダンスやホモセクシュアルに対する政府の生贄、見せしめとなった政治的な判決、というのが事の運びだった。ちなみにカーソンはいつまでもアイリッシュアクセントが抜けず、その彼と法廷でやりあっているのは何かの冗談だと思っていたようなオスカーだったらしい。
現代ではパリにあるオスカーの墓地に世界中からのファンがキスをしにやってくるように、生きて英雄となったカーソンが忘れられているのに比べ、オスカー・ワイルドは再びセレブとなった。・・・という結びでドキュメンタリーは孫のマーリンの視点よりで語られました。
私もワイルドのことは好きだったのですけど、Happy Princeをきっかけに
「奥さんには甘えて頼りながら他の恋人と好き勝手」がわかってから
個人的にはやなやつだな〜と思い始めました。
ルパート・エヴェレットはカミングアウトしてから仕事が
来なくなった自分と、世間に虐げられたワイルドを重ねて
ワイルドの見方でしょうけど!
でもボジーの美貌が調べれば調べるほどわかりコリンをキャスティングした
人を尊敬します〜〜〜!
>>『赤い靴』
私は映画も見てなくて、去年舞台を見に行きましたがストーリーにほぼついていけました。
舞台だとダンサーの顔の演技が見えない後ろの方の席はわからなくなるのですけど
シネマのバレエならちゃんとアップも映してくれるのですごくいいと思います。
>破産もしている
あ、自覚はあったのか(笑)。
そうなるとちよっと見方が変わってくるかも。
ワイルドには同情的だったのですが・・・
映画ではとても奥さんや子供達に会いたがっていたじゃないですか。
う~ん・・・これも身勝手と言えば身勝手だけど。
>マシュー・ボーンのバレエを是非お勧め
ですか~?
来月『赤い靴』が上映される予定なのでトレイラーは観たのですが・・・・・・
映画版を観てストーリーを把握してからなら大丈夫かしら。
>>芸術家というのは昔からパトロン頼り
芸術家って昔は王侯貴族が雇ってくれないと仕事にならなかったし
ワイルドの時代は中産階級もそこそこリッチになって芸術にお金を出してくれる
ようになりましたが、そういう仕事をくれる人達は有閑階級(仕事をする必要がない)
なのでその生活スタイルに入ってしまうというか、
なかなか今のように作品一つにいくらの値段、という売り方ではまともに稼げなかった
のではないでしょうか。
>>自分の執筆で得たお金はまだまだあるとあてにしていたのか
有罪判決の後、破産もしているので、奥さん個人のお金にたかってたんですよ!
>>美しいのはわかりますが最後まで身がもたない
そんなcolin's grandmaさんにマシュー・ボーンのバレエを是非お勧めしたいです。
実はとってもストーリーがわかりやすく、めちゃくちゃ新解釈(男だけの「白鳥の湖」とか)
で、笑えるシーンもあるんですよ〜
>ボジーは三男なので
あ!そうでした!父親の気持ちに肩入れするあまり勘違いしました。
亡くなる前ボジーとお兄ちゃん(二男)を間違えたとか言ってましたっけ。
>バレエ版でマシュー・ボーンのが
YouTube で短い映像は観たことがありますがバレーは私には無理(笑)。
美しいのはわかりますが最後まで身がもたない気が・・・・・・
>奥さんに経済的には頼ってボジーと遊び歩く
ですよね。
どうも芸術家というのは昔からパトロン頼りで
自分の仕事以上の生活をして当然という気質が根付いてるのではないでしょうか。
奥さんはもちろんパトロンではありませんが
自分の執筆で得たお金はまだまだあるとあてにしていたのかも。
それにかつてワイルドの熱心なファンであったアーバスノット婦人や
別れたボジーにまでお金の無心を切り出していますから
一般の人からすると感覚が違いますね。
彼は奥さんや子供達を愛してはいたようですが
やっぱり派手な生活の味を覚えてしまったことや
破滅に向かうとわかっていながらボジーと会う約束をしてしまうほど
ボジーの魅力の方が勝ってしまったというわけでしょうか・・・・・・
>>ルパートエバレットとしては、〜〜〜 番組で何か発言は
ええ〜〜〜ん><
出てきたのにあまり彼の発言に注意がいかず思い出せません?!
多分もう他で語ったことだったからかな・・・すみません。
ラストのパリの墓地にマーリン孫と訪れているので
復活した名声を噛み締めてたのかな。
(マーリンさんファンのキスに1ユーロを徴収してた、とかそんなことは覚えてるのに。
ちなみにその料金は清掃代がかかるのだそうで。)
>>男女問わずの美貌好き?
奥さんも子供もいたのでバイじゃないですかね!
あでも、ロビーと付き合い始めたのが下の子供が生まれた年で、
女好きから途中で男の世界にガーーーーっと移行したのかも。
どっちにしても美貌好きなのは確かですよねー
だって生活全般が派手好きなんですから「可愛いものに囲まれていたい」派。
>>とことんダメ夫
それな!!!!!です。奥さんに経済的には頼ってボジーと遊び歩くという。
男色が悪いとは思いませんけど、奥さんに思いやりがなさすぎですよね。
本当にタイムリーでしたので早速見に行ってきました!
>>残った跡継ぎであるボジーを何としても守らねば
一瞬、私もそう思いましたが、ボジーは三男なので次男が後を継いでます。
長男が自殺したのが痛かったのと、醜聞を恐れたんでしょうか。
>>出所後に執筆する意欲がわかなかった
受刑生活は体に厳しく弱ってしまったと言ってました。
>>破滅させられてはいないのだという見方
はい、それと当初カーソンは破滅させようとは思っていなかったけれど
ソドミーの証拠が上がって、政治がオスカーの名声を利用しスケープゴートとして
有罪になってしまったようでした。
お孫さんはカーソンに対してはニュートラルでした。特に彼だから
おじいちゃんがひどい目にあったという気は無かったみたいです。
>>お孫さんの名前がマーリン
ふふふ!!!
>>「ドリアングレイの肖像」は映画ヘルムート・バーガー版
それは見てないかも・・・不覚です。ベン・バーンズは好きなので見ました^^
あとバレエ版でマシュー・ボーンのがあってそれも見たいんですがチャンスがないです。
書き忘れです。
カーソンは「英雄」であって
「ワイルドを破滅させた」という形容はもうふさわしくないと
お孫さんは言いたかったのでしょうか。
イギリスの番組を速報、さすがしましまさん!
それぞれの立場に配慮した内容だったようですね。
クイーンズベリー侯爵は現在14代で今も続いている名家。
ワイルドは世界的に著名なだけでなく、国民的にも多くの人にその誕生日が祝われています。
カーソンは一般外国人にとっては「知らん人」ですが、銅像が頑張ってます。
ルパートエバレットとしては、作品の中で破滅の晩年に心を寄せると同時に、自分の生きている現在「あなたは勝利したのだ」と言いたいでしょうね。番組で何か発言はありましたか?
番組とは関係ないですが、ひとつ気になることが。
ワイルドはフローレンスという美女に求愛したもののその想いは叶わず、彼女は結局小説ドラキュラの作者と結婚してしまいます。wikiの画像でもかなり美しい人です。男女問わずの美貌好き?それともぶれた?
ポジーは最初の頃は自宅に招いて奥さんに紹介しています。
2人目の息子が産まれた後に2人は深い間柄になったのだそうです。
お産がきっかけの不倫なら今だったらこっちの方が問題。とことんダメ夫。
わぁ~!詳しい記事ありがとうございます!!
観れないと思っていたので感激です!
クイーンズベリー侯爵の長男の経緯は何かで読みました。
そういう背景を知ると残った跡継ぎであるボジーを何としても守らねばという
父親の強い想いはわからないでもないですね・・・・・・
>当時社交界の大スターに上り詰めていたので
そうそう!自信満々で自分が公爵を訴えたんでしたよね。
そこから(カーソンに追い詰められて)転落するのですから
その落差たるや想像しただけでも恐ろしいものがあります。
刑期が終わって出所後に執筆する意欲がわかなかったのもうなずけるような・・・
>オスカーの墓地に世界中からのファンがキスをしに
>生きて英雄となったカーソンが忘れられて
>オスカー・ワイルドは再びセレブと
カーソンはワイルドを破滅させた男ということになっているがそれは本当だろうか
みたいなことを投げかけていましたよね。
ワイルドは一時は破滅したかに見えましたが後にしっかり復活したのだから
結局破滅させられてはいないのだという見方ができるようになったのでしょうか。
もちろんよい作品を残したのは事実ですが
ワイルドの名誉回復に努めたロビーの功績も大きいのでしょうね。
余談ですがお孫さんの名前がマーリンというのになんだか縁を感じてしまいました。
1つの映画からこんなに多くのことを知り
多くのことを考えさせられたのは初めてかもしれません。
「ドリアングレイの肖像」は映画ヘルムート・バーガー版は随分前観ました。
また観てみたいです。ベン・バーンズ版もね。