Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

「英国の街を歩く」街にあるメッセージを読む

2020-08-23 04:26:00 | イギリス
職場で使うのに、掲示物の英語の例文集の本があったらラクだなあ〜と探したんですが、どうも存在しないんですよね。

接客のための英会話本はすっごくたくさん出てるのに、何なのこの供給の差は?

同じことを言うのにも日本語に適材適所があるのと同じで英語にもあるし、会話と違って証拠がずっと晒し者になるので、妙な英語文を貼りたくないのに。

でもその本を探すときに、目的とは違うけどこんな本を見つけました。



パラパラしたら、オックスフォードのパブ「Eagle and Child」の看板の写真も載ってるしで読んでみました。

実は私もイギリス歩くとよくサインを読むのが好きです。

なので見覚えのある駅や電車やバスの中に書いてある文とか懐かしいな〜と思いながら、

でもその文章の意味の解説部分がかなり多い本なので、著者の解釈に、私と受け取り方が違う部分が出てくると、同じ表示を見ても人それぞれなのだな〜と思ってしまいました。

著者はディケンズの訳書や研究書、テニスンやシェイクスピアの研究書なども書いている19世紀イギリス文学が専門の教授なので、英語の知識はもちろんプロなのですが、

ヒースロー空港とロンドン中心を結ぶ地下鉄ピカデリーラインのドア付近にある、

*Priority Area for Luggage (貨物優先スペース)本文より

の説明に、「自分本位でいい気な乳母車族の特権意識をくじいた(略あり)」とあるのに私は目がキョトン・・・確かにチューブでベビーカーはドア付近に乗ってますけどそれは自分本位なのではなく奥には入れないからだし、この表示で何より優先なのかというとそれは乗客のことで、空港からスーツケースが乗ってきたらドア付近に置いてもらって人間はそれ以外のスペースに立つのが誰にとっても効率がいいじゃないですか。ドアの両脇に人が立って通路の真ん中にスーツケース置かれたら誰にとっても邪魔ですから。それに経験上、ピカデリーラインってベビーカーあまり見ないです。本当のところはロンドン地下鉄に聞いてみないとわかりませんけど。

その電車車内の続きで、セキュリティーカメラのことをイギリスでCCTVというのですが、よくあるのは「安全のためカメラ作動中」というズバリ表現で犯罪は録画されてることを警告してるやつです。そういう中、

*Smile you're on CCTV(さあ、ニッコリ。CCTVに写っていますよ。)本文より

これを「呑気でがっかりするような標示」と書いていて、これは私もよく覚えている標示なんですが、実はユーモアがかわいいから覚えていたお気に入りのやつなんで、呑気というより、犯罪者のやる気を削ぐアイロニーだと思っていたんですが?!

それに、混んだら奥に詰めるようにという標示に出てくる「Little Miss Stubborn」って



この有名な絵本キャラだと思うんですけどその指摘はないし、

昔、青い電話ボックスという、いささか風変わりな代物が街頭に見られたようだ。

と紹介されたら、「おお!ターディスのことか?!」と期待に胸が踊るじゃないですか、そしたらそれは "Police Public Call Post" という、ロンドンのような狭い街中用に作られたターディスよりも細身のバージョンだったんです。それにしても、ボックスではない電話を「青い電話ボックス」と呼びながらここでターディスのタの字もないというのは私にとっては致命的な情報欠落かと思いました。



同じものを見ても見えてる世界は、英語の歴史も熟知されている教授とはぜんぜん違うんだ・・・ということがわかり勉強になりました。


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2 コメント

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Unknown (hedgehog)
2020-08-24 16:06:25
しましまさん

観光旅行しかしたことのない私は、しましまさんとは逆に、掲示をちゃんと読まずに自分の思い込みだけで突き進んで失敗するタイプです。空港の乗り継ぎとか、正しい列に自力で並べた試しがない……。

>Priority Area for Luggage (貨物優先スペース)

空港駅と直結している地下鉄路線の場合、座席のところまでスーツケースを持っていくと通路がふさがってしまうから、入り口のところにスーツケース置き場のようなエリアがある、ということでしょうか? そういう話をするのに「ベビーカーのお母さん」を例に持ち出すとは、ある意味いかにも「日本男児」(怒)。

>Smile you're on CCTV(さあ、ニッコリ。CCTVに写っていますよ。)

いかにもイギリスって感じのユーモアのセンスだな、と思いながらしましまさんの文章を読んでましたが、まさかこれを「がっかり」と感じる人がいたなんて! 感じ方は人それぞれとは言うものの、しかし……。

>"Police Public Call Post"

ターディスには本来「隠蔽機能」がついていて、1960年代にイギリスのあちこちでみられた"Police Public Call Post"に模した外観であれば、イギリスの街角でそこらへんに放置しておいても誰からも不審がられない——はずだったのに、その昔、ドクターが勝手に借用したターディスはもともと修理中で「隠蔽機能」も壊れてて、そのせいでいつでもどこでも見た目が「青いポリスボックス」のまま、おかげでどこに出現しても悪目立ち、というのが「ドクター・フー」の基本設定(より正確には、第1話で予算を使いすぎ、毎回違う場所にターディスを出現させるたびに違う外観のセットを作るだけの制作費がなくて、苦し紛れのこじつけをひねり出した)。ということで、この本が出版された2019年にはとっくにイギリスの街角から姿を消していた"Police Public Call Post"をあえて取り上げるなら、「ドクター・フー」の話は必須でしょと言いたいです。だって、今のイギリスの街角にある「青いポリスボックス」は、見かけた人に「あ、ターディスだ!」と思ってもらうためのものに決まってますもん!
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Unknown (しましま)
2020-08-24 21:21:53
hedgehogさん

そういえば私も今は観光旅行で行くので頭の中は次の目的地のことでいっぱいだし
調べ物でスマホ見てるので表示をまじまじと見てたのはスマホ前の時代だったからかも!

>>入り口のところにスーツケース置き場のようなエリア

そうなんです。私もいつもお世話になっています。

>>「ベビーカーのお母さん」を例に持ち出すとは、ある意味いかにも「日本男児」(怒)

しかもこの著者、お子さんたちが小さい時に在英してたみたいなんですよ。
それなのにそういう発想をするとは育児してなかったんかい?!と思いました。

>>いかにもイギリスって感じのユーモアのセンスだな

ですよね?!「ぼーっとしてる奴からスってやるわい」と企む輩が表示を読んで「チッ」となる
姿がありありと頭に浮かんだのは私が変なドラマばかり観ているからではないですよね〜

>>今のイギリスの街角にある「青いポリスボックス」は、見かけた人に「あ、ターディスだ!」と思ってもらうためのもの

激しく同感です!!
赤い電話ボックスがどんどん姿を消しているのに、
青はもう何の役目も持ってないのにところどころに残してあるのはターディスが現れても
あまり怪しまれないように・・・という理由もありそうです。
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