Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

STUART A LIFE BACKWARDS

2012-11-15 11:21:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
気がついたらブログを1週間もほったらかしに?!
家族の用事や家内工業チュチュ&レオタード作りでちょっと大変でしたが、
何とかしてあみ出した文化(俳優ファン)活動。
「裏切りのサーカス」の後は「Fortysomething」「Starter For 10」と「STUART A LIFE BACKWARDS」を見ました。ちゃんとリサーチしたりまとめてブログにしたいけどいつになるか不安なので覚え書きで残しておく事に。今日はSTUARTの方です。


気に入った画像が見つからないので視聴中にスクリーンをカメラで撮った原始的写真です。。

このお話は、Third Starをロンドンから買って来てくれたTちゃん曰く、
「ホームレスの実話なのでちょっと暗いんじゃない?!」というもの。
原作本を検索したら、うお!このペーパーバックの表紙には見覚えがある!
そうだ、私が在英中の2005年に本屋に並んでいたのだ!
そのころは本も読まずドラマも見なかったよ~文化度低かったんだな。


こちらはハードカバーの方の表紙なのですが、ドラマの中にもマンガがアニメになって登場するのでそのキュートさが感じられます。

はい、で、このドラマの主役ふたりは、「裏切りのサーカス/TTSS」にも出てきた記憶が新しいので、どうしてもその時の感じと比べるところから入ってしまいました。私はそれほど多くのドラマや映画を見ていないので、アレクサンダー(原作本の著者)役のベネディクト・カンバーバッチは何本か見たから免疫がついてるけど、スチュアート(ホームレス青年)役のトム・ハーディは、TTSSでは色男のターの姿しか知らず、アル中で汚いホームレスの姿には同じ人と思えませんでした。しかも彼は演技上手なのですね、ヨロヨロと汚くて、「高貴なベネディクトの作品追ってついに社会の底辺に来てしまった」感に襲われました。

でもそれがね、段々作品進むと家が手に入ったせでキレイになってきて、ターと同一人物と判定できるのです。好みではないにしろ、イケメンだったと!その頃には、スチュアートの存在の魅力にも気づくんです。

お話はケンブリッジで始まります。観光では美しいカレッジとかティー・ルームとか川辺とかしか見てなかったけど、こんな有名な観光地にも、そうか、いるよね、ホームレス。そしてイギリスだから収容施設もあり、そしてドラッグがらみ問題も発生し、それを巡るキャンペーン運動もあり、この本とドラマが生まれたワケか。。。


これもカメラで撮ったからナナメって。。。キレイになってる方のスチュアアート

アル中で刑務所経験者にも、カウンシル・フラットはちゃんと用意されるって、イギリスの懐深いなあ。。。少なくとも1990年代にはそうだったんですよね。今はどうかな。そうだ、そしてフラットのためにお買物に行ったのが「EMMAUS」!個人的に受けてました。私はイタリアのには何回か行ってるんですけど、イギリスにもあったのか!要するに巨大なチャリティ・ショップみたいなもので、家具まで大きいものも中古品ならゴミみたいなものまで売っているのです。ドラマでも車道横をふたりが歩いてましたけど、大きな敷地が必要だから不便な所にあるんですよね。そうかきっとケンブリッジでも郊外にあるのね。

スチュアートは全身タトゥーを入れて呂律も回らずいつも缶ビールか煙草が口元にある、どこから見ても不良人間なんですが、アレクサンダーが好きになってしまったように不思議にチャーミングな男です。それを示すエピソードをひとつ。お茶を飲むシーンで「ラプサンスーチョン」を喜んで味わうところがあります。この中国系の癖のある紅茶を飲むのは、上流や教養のある人達ですから、アレクサンダーもびっくりしてしまうのですね。名前も知ってたしね。

90年代のお話が大部分だけど、音楽にスタイル・カウンシルやジャムが出てきました。あとBabybirdのYou're Gorgeousも効果的に使われていました。貴族の衣装が見られない代りに現代ものはポップ・カルチャーでちょっと楽しかったりするのですね。(STARTER FOR 10は80sヒット曲だったし)

お話はタイトルのとおり、ホームレス・シェルターで働くアレクサンダーが、スチュアートに出会い、彼の人生を本に書くために何度も会いながら彼の過去を少年時代にさかのぼりながら取材していきます。そして二人の間には信頼と友情が生まれ。。。。

このドラマは未見の方も多いでしょうからネタバレやめておきます。
重いテーマではありますが、アニメやスチュアートの飄々とした性格描写、演出で逃げ場のない暗さはなく、ユーモラスでさえあります。

私ももう1度見ないとわからないところもいっぱいあった。。。



11/21追記
まだ本編2回目見てないのですが、特典映像の監督インタヴューを見てわかったんですが、
このドラマには裁判官の役でダディ・バッチ=ティモシー・カールトンも出てました!
そしてその監督さんは、やはりベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマ、
To The Ends Of The Earth と同じ人だったんです。全然別傾向の作品なので
まったく思いもよらなかったなあ!

TTSS

2012-11-09 00:00:00 | ベネディクト・カンバーバッチ


「裏切りのサーカス/Tinker Tailor Soldier Spy」
小ネタバレ注意報!!

ベネディクトのギラム君につられたのがきっかけだけれど、
大好きな70年代のヨーロッパが舞台だし(Wimpyハンバーガーも出てるよ!)
そのくすんだ色調が本当に当時のイギリス映画っぽい。if...とか。69年だけど。
水平と垂直と左右対称の多い構図もさらに好き。

ゲイリー・オールドマン演じるスマイリーの地味な魅力も発見しちゃって。
沈み行く栄光を体現という意味では、Parade's Endと同じだ。
クリストファーは「地主の時代の保守派の男」だったけれど
スマイリーは「MI6第一線を追われた初老の男」。
共通するのは「ひかえめ」「内向的」「職務に忠実」「時代遅れ」。
いわゆるヒーローとは対極の要素じゃないですか。
こういう映画は昔からあったのか。自分が最近発見しただけなのか。

この映画、夫も飛行機の中で見たらしいんだけど、感想は「slow」とのことで、
きっと最後まで見てないに違いない。
監督&主演俳優もコメンタリーで「雪が降り積もるスピードの進行」と言ってたが
美しい表現です。



↑この画像は、公式ウェブサイトにあったもの。昔っぽい加工が好きです。

数回見てほぼ謎がとけ、コメンタリー聞いて「そんな意味が?!」と驚きながら、
ブツブツつぶやいていたのですが、今頭がいうこときかないので
今日は好きな写真だけ載せておいて、つぶやいてたことは
後日追記としてupしたいと思います。



ここから追記

Tinker, Tailor, Soldier, Sailor, Rich Man, Poor Man, Beggar Man, Thief.
イギリスの童謡の歌詞なので、引用も多い。
例えばQueenの「フェアリー・フェラーの神技」
♫"Soldier, sailor, tinker, tailor, ploughboy / Waiting to hear the sound"
原作小説とアルバム「クイーンII」の発表はともに1974年である!
70年代前半になにがあった?!

「スマイリー」って最初「コントロール」みたいなコードネームかと思った。
かわいすぎる苗字じゃないですか。ミスターsmile

スマイリーのスーツはサヴィル・ロウ仕立てだと解説に。三つ揃いと替えのJK。
そうだよね。軍服メーカーとして発展したサヴィル・ロウのテイラー
冷戦時の前線兵士である諜報員にふさわしい。

上のギラム君とヘイドン=諜報部の色男ペア、おしゃれですね。
私はヘイドンみたいな茶色のコーデュロイのトレンチコートを手放したことを大後悔中。
ギラムは私の大好きな70年代のフィット・ン・フレアなスーツを着てます。
その上に短めのマッキントッシュ。
(これ、真似するからね!黒のコートと茶色のツイードのワイドパンツ。)
衣装デザイナーのJacqueline Durranの興味深い記事がGQにあります。
「70年代には今より服は入手困難だったから、人は同じ服を長く着たのも70年代らしく見せるポイント。この種類の男達は決しておしゃれではないし、彼らの行く店はロンドンはピカデリー・サーカスの西側の、ジャーミン・ストリート、サヴィル・ロウ、ボンド・ストリート、メイフェア、そしてバーリントン・アーケイドの小さなお店に限られていた。ピーター・ギラムは皆より若いので一番おしゃれな設定。彼のパンツだけは僅かにフレア。(!!)」

それからスマイリーのマッキントッシュはリバーシブルですね。
ロンドンで古着を探していたころ、よく出会いました。ある種の定番ですかね。



衣装に目が行くのはいつもの習性ですけど、この映画が私に革命だったのは、
スマイリーやヘイドンというイケメン中高年のみならず、ジム・プリドーという
さえない役のおじさんの哀愁をも受け入れてしまったことでした。

それは、先生として、クラスにとけ込めないさえない転校生へ語るシーン、

ジム「得意なことは?」
生徒のビル「・・・ありません。」
ジム「観察力がある。孤独な者の才能だ。」

自分の長所を少年に語る形で自分の存在意味を確認している。
日の当たる側のヘイドンに憧れながら直前の台詞で
「ビルはたくさん知っている。皆いい奴だ。」とも言っている。

このふたりの関係を気にしながら、
チーム・スマイリー&ギラムの視点と同時進行させて映画を見た時、
ラストがいい絵だなあ。。。と深~~く心に染みたのでした。

スマイリーのスマイルといい対比だった。。。



もう1枚ポスター 日本でもこれにしてくれても良かったぞ。




チュチュを縫うオタク

2012-11-08 19:18:00 | いろいろ


友人のお手伝いでチュチュを縫っています。
先日は同じ赤のレオタードを12枚縫って納品しました。
今月は日本語のお仕事があまりないのでいいタイミングです。
ひとり坦々とした作業をするとき、DVDを流すのでオタク度がupします。

そして、オタク活動についてチュチュ縫いながら考えた。。。

私の昨今の映画/ドラマオタクの出発点は「シャーロック」だったが、
シャーロック・ファンはこの世に大勢いれど、みな方向性が違う。
私の場合、俳優さんの作品へと拡散した。今となっては自分でも信じられないが、最初にシャーロックの感想書くためにベネディクト・カンバーバッチという人を検索した時には、写真によって別人だったりして、そしてシャーロック以外は「変じゃん!シャーロックに限ってファンだわ」と思ったものでした。
それがいつの間にかこんなことに。

ところで、家族に堂々とシャーロック・ファンをしておられるりっぱな大人ファンもいらっしゃるが、私は情けないことに、コソコソとファンをしていて辛い。

これが、いわゆる「シャーロック・ホームズ」ファンだったりしたら、家人に堂々とできるのだろうか?外国の古典愛好家として、なんとなく知的な印象もある。

しかし役者さんを軸としたファンだと、平たく言えば、世間からの目は、韓流スターのファンを見る目となんら変わらんだろう。。。。。

しかもだ、ウチの場合は夫が情報源のネイティブなので、フツウの家庭であれば妻が何か一心に英語の記事を読んでたり、映像を見ていても、あまり気に留めないだろうけど、日本の風景に英語のものがあるのは、ネイティブにとっては「飛び出す絵本」のように目につくに違いない。ほら、外国で日本語を見かけると目に飛び込んでくるように!!

俳優寄りのファンだとて、歴史とか、文化とか、いちいち立ち寄ってドラマを見るから勉強になってるとは思うんだけどね。軍服だのお風呂の形とかの、あっても意味のない知識だとは思うけどね。

そんなよくわからない後ろめたさを克服し、カミングアウトするには、
いったいどういう心構えが必要なんだろう。。。。

(そんな悩むまでもなく、ばれているという気もする)








ダウントン・アビー/使用人の序列

2012-11-05 09:18:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
「ダウントン・アビー」シリーズ2は昨夜TVでエピソード2放映でした。


相続人マシュウとグランサム伯爵

日曜夜は、字幕版はなく、音声を英語/日本語吹き替えから選ぶようになってます。
で迷ったけど英語にして見てたら、でてきたんですよ!「フットマン」という単語が!

ヴァレンタインの不思議な形のお風呂の疑問解決に役立った本「メイドと執事の文化誌」に、使用人の種類の解説があり、中でも美しい制服のフットマンが私のお気に入りポジションだったのです。



p100より「フットマンは全般的に反感をもたれていた。雇用主からも、同僚からも。」えーなにこの損な役回り、気になるじゃないですか!この妙な役職名のフットマンとは、まず長身と容姿が雇用条件にある!昔のJALスチュワーデスですか?
ご主人一家や客人の座る席へディナーを執事と共に給したり、旅行のお伴をしたり、貴婦人の乗馬のお手伝いをしたりと、貴族から見たら、家の美しい自慢の家具に近い、働く装飾品?同じ使用人でもお給料は男性の方が女性よりも高かったので、フットマンを揃えることはステイタス・シンボルだったそうです。ダウントン・アビーでも「ディナーをメイドが給するわけにはいかない」という会話があったわけがやっとわかりました。
ちなみにダウントンでは、トーマスやウィリアムがフットマンでした。

トーマス
ウィリアム

高い序列にある使用人とは、ご主人一家と直接会うチャンスのあるポジションです。
(ダウントンの伯爵一家は寛容で、ご主人様が使用人部屋に出向いたりしますけど)


執事(Butler)・・・男性使用人の長。中世ではワイン(樽をバットという)担当。
          ああ!だからカーソンはいつもワインを管理してるのか!

レディーズ・メイド・・・女主人の着替えなど身の回りの世話。あの恐いオブライアン。

従者(Valet)・・・紳士の個人つき使用人。ミスター・ベイツやモーズリー。

家政婦長(Housekeeper)・・・女性使用人を監督。ミセス・ヒューズ


なるほど!フットマンはこれらの役職よりは下ですね。
それでダウントンのお屋敷ではトーマスがミスター・ベイツにいじわるするわけです。あのポジションが欲しいと言って!この知識なしにドラマを見ていた時、なぜ野心的なトーマスが、ご主人の着替えを手伝うというつまらなそうな仕事にこだわるのかがよく理解できませんでした。しかも、ダン・スティーヴンズ演じる相続人マシュウは中産階級出身なので、上流の紳士の習慣であるこの従者を要らないと、「男がやる仕事じゃない」と使用人本人にも反抗します。それに対してお屋敷の主人グランサム伯爵は「人にはそれぞれ役割がある。従者から仕事を奪っては我々がきちんと役目を果たしているとはいえない」(うろ覚え)と上流のしきたりに躊躇する遠縁の相続人に諭すのです。この台詞は、ノブレス・オブリージュとともに、大勢の使用人が必要な大きなお屋敷の時代が、第一次世界大戦を期に終わろうとしている予感があっても、自分の存在価値をかけた伯爵の心情を感じるところでした。。。

そうそう、フットマン以外に好きな制服は、ショーファー(運転手)。

ブランソン

もともと初期の自動車はフランス製が多く、車も運転手もフランスから調達したそうで、だからフランス語で定着したのか。外国人なので使用人のヒエラルキーにも無頓着で、女性にもモテたそうです。うおお!ダウントンではお嬢さんと結婚したことの背景にはそんな事実が!

ところで!
伯爵役のヒュー・ボネヴィルさん、こんな姿ですとなかなか気づかないのですが



Third Star に出てきた、海辺の変人おじさんだったんですよね!

いや、これを見てすぐには気づかなかったな・・・脚出しててビックリ



question2追記
フットマンって、日本語字幕では「下僕」となっていました。ん?そうか下僕だよね、
足男なんだから。。。でも、下僕も足男も「容姿端麗」を想像させなくて不満が残る。

墨田川にうかぶTickets

2012-11-02 15:55:00 | いろいろ


Mの誕生日プレゼントのひとつとして、昨日スカイツリーへ行きました。
夜景で美しいのが隅田川。春のうららでもなんでもなく、
太くて暗黒の帯。数本の橋と屋形船の明かりだけが浮いています。
その暗闇の帯に、展望台のチケット売り場の文字が、ガラスに反転されて写っています。

画面に写されるシャーロックの文字(推理、携帯、PCテキスト)のようです。
「この景色が見たくばチケットが必要」とのツリーからの暗示みたいです。

上は川が水平に写っているのでそれも分かりますが、

・・・もう1枚の写真でも同じ文字が川に写っているのに驚きました。左下↓



ね?どうして川の上?しかもナナメ。。。


参考:シャーロックの文字が浮かぶスクリーンとはこんなです