Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

Poldark 0203

2016-09-21 19:59:00 | POLDARK


同じ「マンモス・スクリーン」製作の裏番ドラマ対決相手の華やかな「Victoria」に比べ、この「POLDARK」は宮殿どころかコーンウォールの田舎だし、このエピ3ではロス・ポルダークが有罪死刑を免れたと思ったら今度は借金地獄、妻デメルザはお腹の子供を言い出せないでいる・・・・

と、初めのあたりでちょっと暗い気持ちになってしまいました。

しかし全くの予想外に、いとこのダメダメフランシスが前回の自殺失敗からUターン改心をして、ロス夫妻に協力的になりエリザベスの手伝いもありいとこ同士が仲直りします。

家財道具を売り払って借金返済もしたし、とりあえずロスは天涯孤独の崖っぷちではなくなってホッとしました。エリザベスも以前はロスに未練があってエロい視線を送っていたけど、今はやけに夫思いの妻になってるし。

しかし、このエピではデメルザの寂しさをちょっと感じてしまいました。せっかく仲直りして参加したフランシスの収穫祭りの席で、キッチンメイド上がりの妻ということで、エリザベスの母にもぐさりと言われるし、デメルザに好意を持っているのを利用して彼女が何とか助けてもらえないかと尋ねた近所の貴族のオヤジには容易く迫られるし。

さらにロスとエリザベスの会話を偶然聞いてしまって、ロスが「きみはレディだから困難な生活はムリ」みたいなことを言ってて、自分の身の置き場がない気持ちになってました。うーん、ロスとデメルザがいきなり結婚した時には本当にびっくりしたけど、主人と使用人だった二人が結婚するって周囲の目にいちいちそれを思い出させられるってことで、嫌ですね。「マーリン」のアーサー王と元次女のグエンのように単純に行かないですよね、現実は(ドラマだけどねw)。

ロスの天敵ジョージはロスの使用人に暴力を振るうなど相変わらず嫌がらせを続けてますが、シリーズ2から出てきたお嬢さんカロラインは、ロスの友人の医師エニスにご執心なので、彼女がロスとデメルザの味方になるかはエニスの気持ち次第でしょうか?

意地悪なジョージと、さらに悪人ヅラの彼の弁護士だか会計士の部屋というのが、華やかながらも悪に満ちていて、憎い中にも興味をそそられます。ジョージは美形とまではいかないけど、なぜか心底憎めない悪役。たぶん、彼自身がロスに憧れてるからかしら。



収穫祭の
I'ave'un!I'ave'un!I'ave'un!
What'ave'ee?What'ave'ee?What'ave'ee?
A neck!A neck!A neck!
Hurrah!Hurrah!Hurrah!
ってかけ声をどこかで見たような気がしましたが、
コリン・モーガンの「The Living and The Dead」だったかなぁ
wikiにはコーンウォールとデヴォンの伝統だと書いてある



Victoria 5

2016-09-19 18:10:00 | トム・ヒューズ
エピ1~3の間は最後の瞬間までなかったアルバート登場でしたが、登場してほぼ2回目の初めあたりからもう、ずうっとアルバートを見続けているような存在感です。

ヴィクトリアが国政にどう当たって首相や他の偉い人たちと何をしていたかが全然出てこない(結婚後どう変わったかが見たかった)ので、完全にラブロマンスドラマになってて、しかも女王がヒロインというよりも、自分の肩書き、収入つまり仕事と愛つまり結婚をどう両立させるか葛藤するヒロインはアルバートな感じです。

前回のエピのラストででヴィクトリアの求婚がアルバートに受け入れられ、今エピでは側近の偉い人と近親者へのその報告から始まりました。議会ではアルバートがドイツ人だということで反対勢力もかなり強いようですが、それはヴィクトリア自身の家系もドイツなのでイギリス王室にこれ以上ドイツの血を濃くするのをイギリス人がよく思ってなかったと何かの資料で読みました。日本だったら皇室に日本人以外の血が入るとは考えられないので、ヨーロッパ王室は皆親戚という事実なのに反対する、という加減がちょっとわかりにくい。。。

大人になってからの再会→求婚も感覚的には数週間くらい?
そしてプロポーズ→結婚式は6週間。

この期間を見ると恋愛結婚とはいえやはり政略結婚なのだと思いました。あらかじめお膳立てはされてて若いふたりもそれをわかっててOKかどうか、という感じなのですね。素性や条件はお互い分かった上でその気になるか、ですものね。ふむ、ヨーロッパにはお見合いはあった(笑)。

果たしてヴィクトリアの求婚を承諾してからがアルバートの苦悩の始まりでした。「可愛がられて主人にまとわりつくワンコじゃない」と!

しかしね、その苦悩を背負い込んでも「愛する女性はヴィクトリアただ一人」と美貌のプリンスに思わせたのはヴィクトリアの何だったのかしら。アルバートが他の殿方と違うのは充分出会いのエピで私たちにもわかりましたが、ヴィクトリアが地位とお金以外に持ってるものって?アルバートは母が子供の時に厩番と家を出て捨てられたトラウマがあるのだから、母性的な女性に惹かれそうなものだけど、ヴィクトリアがそういう側面を見せたエピソードもなかったですし。

QUEENと結婚してもKINGにはなれないけど、では何になるのか?世のために働きたいプリンスにとっては地位が、妻に許可を求める必要をなくす資金も必要ということで、プリンスなのに現代女性のように経済的自立を求める姿は辛いのう。

ヴィクトリアもこのアルバートの希望を叶えようとは思っているのだけど、一存ではなく既存の偉い人たちの意向もあり、ガーター勲章を授けただけで、恩給の方はプリンスががっかりする額しか出ませんでした。

彼にとってはそんな苦い出発の結婚でしたが、ウェディング前日のヴィクトリアの言葉「I obey you.あなたに従います。」で心を決めたようでした。ヴィクトリアのあの底抜けのワガママさを考えると、精一杯の言葉だったのでしょうね~。アルバートと同じく彼女もいつも正直なことしか言わないですし。あ、そういうところが惹かれあったのかなぁ。

式の衣装は肖像画をもとに再現されて、プリンスの肩の白いおリボンがかわゆい。
結婚準備でドレスの色を決めるシーンがありましたが、それまでは結婚式にも色のついたドレスだったということですね。白いウェディングドレスはヴィクトリア女王が元祖だそうです。




BFGビッグ・フレンドリー・ジャイアント

2016-09-17 18:04:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


思ってた以上にロンドン、英国、なお話でした。
(原作本を読んでから見るつもりだったのに、児童書なのに、ふがいなくまだ途中で映画が始まったので、これから残りを読みます。)

まず冒頭からしてビッグ・ベンとパーラメントに赤いダブルデッカーがばーーーんとスクリーンに出てきて、パディントンか?ハリー・ポッターか?007か?!とびっくりしました。だって、宣材写真はほとんどが「巨人の国」の森が背景だったし、主人公ソフィーは孤児院に住む女の子、孤児院がロンドン中心部にあるなんて想像しなかったからです。院のすぐ前にはパブがあり、夜中の3時に酔っぱらいが叫んでうろうろするんですから街中ですよねえ。いいな、私もその孤児院に住みたいものだ。(笑)

それは冗談としても、ソフィーは友達がいない不眠症の子なんですが、とてもそうとは思えぬハキハキしたもの言いで、さらわれたジャイアントと友達になり、悪い大きいジャイアントにも負けずに勇敢に問題を解決します。男の子は、100年以上前の子と眠っている子しか出てこないので、冒険は女の子のものです。特にボーイッシュというわけではないのですが、ショートヘアなので中性的な感じもして、よく見ると手足ががっしり大きく胸板厚くて骨太の、白人の子供特有の体型で、衣装はお嬢さんらしいドレスを着ているけど、この役でたまたま女の子だった、というのがいいです。男の子にしても話は何も変えずに進行できそうです。

・・・と、思ったのですが、でもやっぱり、ジャイアントをバッキンガム宮殿に連れて行って、窓から女王と交渉して、女王に軍隊を出動させる話をまとめることができたのは、やはり女の子ならではの手腕だったような気がします。男の子よりもいっそう無力で無害と思わせて、女王と側近の警戒心をとけるのじゃないかな。その辺は、女の子への偏見を逆手に取れて有利。

さて、その女王さまのところへ会いに来る発想がどこから来たかというと、BFGのソフィーの前の友達、ヴィクトリア時代の男の子が持っていた女王の肖像画でした。いやあ、今ドラマで若き女王を見てますから、「おおお!」となりました。そしてその男の子もソフィーが服のサイズが合っているので10歳くらい。そんな子供でもアルバートみたいな金モールのついた軍服を着ていたことに感心して映画館で一人ニヤニヤしました。

女王に朝食に招かれたソフィーとジャイアントのシーンが、絶好調に英国してまして、『イギリスで美味しい食事を食べたかったら朝食を・・・』というフレーズが頭に浮かび、トースト、卵料理、イチゴとクリーム、シリアルらしきもの、ポリッジらしきもの、そしてスコーンにコーヒーにティー!!ハーハーゼーゼー。。。。

この時、脳内ではマザー・グースの「プシー・キャット、プシー・キャット、どこへ行ってたの。ロンドンまで女王様に会いにいったの。」の歌がかかっていましたね。そう、イギリスのおとぎ話では、女王様に市井のものが会いに行っちゃう。

そして、人食い巨人を征伐に、女王様が兵隊さんを出してくれるんです。ね、英国でしょう?戦争に負けたことがない国にとっては、君主と軍隊は正義の味方ということに疑いがなく、おとぎ話が生きているんだな~と羨ましくなってしまいました。

しかし勝つ者がいるということは、負ける者もまた・・・「BFG」では、悪く大きいジャイアンツなんですけれども、私は負けた方の身になってちょっと何よ、とも思ったのですが、ジャイアントとは日本人にとっては鬼ヶ島の鬼のように感情移入する対象ではない絶対悪なんだろうな、と理屈を合わせました。

マーク・ライアンスがモーション・キャプチャをしたというBFGの動きは、特に街中で闇に紛れる身のこなしが華麗でした。さすが、歌舞伎や能も研究していただけある(笑)。そんな彼も大きな宮殿とはいえ室内に入った時には身の置き場がなく四苦八苦、ルイ14世のシャンデリアを落として壊してしまいましたけど(笑)。

ダウントン・アビーのマシューの母役ペネロープ・ウィルトンが女王役だったので、なぜか庶民派の女王なような気がしました。そして女王付きの使用人(?)メアリー、絶対知っている顔だ、と思いながら、エンドクレジットでレベッカ・ホールと名前が出るまでわからなかったです。

途中までしか読んでないけど、BFGは学校にも行ってないし話す人もほとんどいないので、変なしゃべり方なんです。例えばbe動詞が全部isになるとか。それを日本語に置き換えるの、翻訳者さん一苦労だったろうなあと察します。悪いジャイアントの名前もカタカナ置き換えじゃなくて日本語の語感に合うように変えてあるんですよ。松浦美奈さんでした。










氷の花火 山口小夜子

2016-09-15 18:19:00 | ファッション


ロンドンママ友が東京に来ていた先週、モデルの山口小夜子のドキュメンタリー映画「氷の花火山口小夜子」をリニューアルオープンした恵比寿の写真美術館でやっていたので見てきました。

監督は、松本貴子さんという「ファッション通信」という日本初のファッション番組のディレクターをしていた人だというのも期待させました。何しろネットが存在する前の80年代に世界中のファッション動画がレギュラーで見られたのは、イギリスロックの動画が見られた「BEAT UK」と同じくらい貴重な情報資源だったのです。

山口小夜子さんは、70年代に世界中のショーウィンドーにその顔をしたマネキンが並んだくらいカリスマモデルだった人です。高田賢三や山本寛斎などの日本人デザイナーだけでなくサンローランやディオールなど最高峰のデザイナーのショーで、トリのウェディングドレスを着たショーの記録映像が見られました。

とそこまでは私もファッション業界で働いていたので知っていましたが、その後のことはこちらの映画で知ることとなりました。

ファッションモデルとしてのピークを過ぎても、パフォーマンスのダンスやメイク、衣装などクリエイティブな仕事を続けたそうで、山海塾や勅使川原三郎との舞踏でロンドンのOld Vic の舞台に立ったり寺山修司の映画に出たりと、海外で日本的な精神を表現するようなアートに参加していたことが印象に残りました。

また21世紀になってからもイッセイミヤケのショーに出演したビデオも入っていたのですが、その服を見せる舞踏的なパフォーマンスは、やはりただのモデルにはできない動きと表現でした。それも自分を見せるのではなく、服や布を桜の花びらをそっと見せるような動きで見せていました。

また、小夜子さんのファッションフォトを再現しようと、膨大な遺品の服などを使って、彼女を尊敬するスタッフチームが撮影をした時は、最初はおちゃらけていた丸山敬太までが神妙な顔つきで「降りてきましたね」とつぶやくほど神聖な空気に包まれていました。


感想;

彼女のすごさは「世界から見た日本美人」を発明したことだと思います。とてもクリエイティブな人だった。70年代初めは、映画でも説明がありましたが、日本のファッション雑誌やテレビではハーフの西洋的なモデルやタレントが大人気だった時代です。ちょっと現代にも近いです。

ですので、彼女がモデルとしてオーディションなどに行くと「お饅頭みたいな顔はいらない」とまで言われたと聞いたこともあります。

コムデギャルソンも、ゴスロリも、コスプレもなかった時代には、パリコレなどファッションはエレガンスという価値しかなかったので、高田賢三などは世界中の民族衣装モチーフを取り入れて、それまで都会的なシックという美しか存在しなかったパリに、「かわいい」要素を持ち込んで大成功した時代でした。おそらく服に民族衣装的なものが認められたのと同じ価値観で、小夜子さんの東洋的なエレガンスが受け入れられたのだと思います。

でも小夜子さんのモデルデビュー写真を映画で見たら、日本人にしてはお目目ぱっちりなんです。ですので、あの切れ長のアイメークをして伏し目にするのは、彼女の演技だったのです?!それにとても驚かされました。

そういう演出をできた彼女だから、モデルとしてのピークを過ぎてもクリエイディブな活動を続けて来れたのでしょうね。

彼女以外にもパリやNYのショーで一流デザイナーの舞台に立った日本人はいますけれども、ずっと仕事を続けられた人は少ないはずです。

仕事を続けるだけが人として素晴らしいというつもりではありませんが、彼女の場合は自分というブランドで売り続けることができた数少ない孤高のアーティストかなと。

それゆえ、急性肺炎で亡くなった時にも一人だった。静かに逝ってしまった。寂しかったか、自分らしいと思っていたか、意識はあったのか、何もわかりませんが、何か重いものを知った人に残して。

映画では彼女の遺品のお洋服の箱を開けるのですが、そのコレクションはカラフルで、賑やかなデザインがいっぱいでした。



9/16追記;

上映の後、監督の松本貴子さんが舞台挨拶に出てくれました。
この時、写真美術館では彼女による草間彌生ドキュメンタリー映画も同時上映されていたので(チケットは別々)、草間彌生水玉のピンク×イエローのTシャツをメインにカラフルなコーディネイトの出で立ちがご本人らしくて素敵でした。

松本さんは小夜子さんとは何度もお仕事で交流があったばかりでなく、相談事らしい電話をもらったことがあり、でもその時は仕事でとても忙しい時期で小夜子さんの長電話は有名だったので、相談はお断りして電話を切ったとのこと。そしたらその数日後に、別の知人からの電話で小夜子さんが亡くなったことを知らされたそうです。・・・その胸中はお話しされませんでしたが。

それと今回の2作品の上映には、
「世界が魅せられた二人の異彩 草間彌生×山口小夜子」
というコピーがついているのですが、その二人のことを
2大オカッパ
・・・と表現していたのがツボでした(笑)


POLDARK 0201&02

2016-09-13 21:05:00 | POLDARK
イギリスで9/4からシリーズ2が始まったポルダーク、エピ2まで見られました。ちょっと今、家でドラマに熱中できる時間が以前ほど取れない状況なのでyellow23、各エピ1度ずつ通して見ただけなので消化不良です。並行して見てる「Victoria」と比べても、英語の語彙も難しいし台詞の量も多いです。シリーズ1の時にしたんですがポーズして単語の意味を調べたいです。まあ全然見られないよりは幸せと思わないとですね。

シリーズ2は1の終わりから直に続いていて、シリーズを分ける意味不明なんですが、最近そういうドラマ多いですよね。。。

確か悪天候で浜辺に乗り上げた、ロス・ポルダークの天敵ジョージ一族所有の船荷をロスが飢えた領地の民に運ばせた(難破船の積荷は漂着した土地の所有となる法律があるんです)。それをジョージは暴動と略奪の罪にロスを陥れ、逮捕されたのがシリーズ1の終わり。

0201&02はロスの裁判でした。1からのキャラクター達も顔を揃え、ロスのいとこのフランシス・ポルダーク、彼の妻で元ロスの恋人エリザベス、フランシスの妹バリティ、ロスの家の召使い夫婦、ジョージ、裁判官(この方、70年代にポルダーク役をやった人でしたね)、ロスの友人で医者のドゥワイト、それから新キャラのお嬢さんカロライン。

裁判では、ジョージが金の力で証人を集め、ロスの有罪と死刑はほぼ確定という緊張の中、デメルザの父が「娘を盗んだ!」と押し入り劣勢に拍車をかけました。

最後の最後の被告人の弁明(というのかな?英語ではただspeachだったけど)で、弁護人のアドバイスも聞かないロスが本音を語り、これぞポルダーク!な、現代だったら、システムをどう利用しすり抜けるかがヒーローの腕の見せ所かと思うんですが、ポルダークは古典的ヒーロー節で突っ走るのですよ~~~symbol1symbol1symbol1
そして今回もやってくれました!

エイダンのスピーチよかったなああ~~

今度はカロラインお嬢さんがどう動くか、それから第2子を身ごもったデメルザとロス、実はロスloveなジョージがどう捻くれた画策を見せるか、どうしようもないフランシスのどうしようもなさがどこまで行くのか・・・エピ3以降も楽しみです。

ところでVOGUE UK September にポルダークの主役達のファッション写真が出ているようです。見なくちゃ。

しかしどうもロスもデメルザもファッションには向かないような気がしてならない・・・



このピンショットは素敵!!・・・じゃあ、ファッションに向いてないのは・・・