Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

Victoria 4

2016-09-12 20:46:00 | トム・ヒューズ
つ、ついにトム・ヒューズのプリンス・アルバートが物語に登場しましたので、「あらすじ」=「ヴィクトリアとアルバートの関係」となってスクリーンに釘付けです。

アルバートはエピ3の最後の瞬間に「Victoria」とだけ小さく言葉を発しましたが、やっと本エピでその人柄がわかってきました。歴史を読んでもその辺はあまりピンとこなかったので、それがとても楽しみでした。と言うよりトム・ヒューズがこの役だと知って以来、それだけを楽しみにしていたような・・・!

イギリス君主として仕事をしている様子はないけど、ワガママ言い放題のヴィクトリアに対し、アルバートはドイツの一地方のプリンスに過ぎない・・・という力関係が最初から決まっている抑圧が、アルバートの本来の真面目な気性を引き立てていました。ヴィクトリアとの結婚を期待する「未来の王になれるんだぞ」という声に冷静に「いや、女王の夫だから・・・」と返した言葉によく立場をわきまえた冷静さが込められていました。

トム・ヒューズのアルバートのかっこよさは、それでしかありえないという、実直、聡明、謙虚、女王のご機嫌取りをしない大胆さ、ドイツ出身ということもありちょっと堅苦しい英語、低くてこもって囁くような声・・・そこがセクシーなプリンスです。脚本の役柄が先か、トム・ヒューズの演技が先かわからない、一体化した存在感です。「ザ・ゲーム」で演じたミステリアスなスパイの時も一体感はありましたけど、歴史上の重要人物だとスケールが違います。

ヴィクトリア女王というと、歴史からは彼女自身がよくて国が栄えたという印象がありましたが、エピ4までのところ、彼女は政治には全く才能はなくて、実のところアルバートのおかげで大英帝国は成功した、とまったく見解が変わってしまいました。

エピ4のクライマックスは二人の心の重なり合いとすれ違いの末のプロポーズですが、歴史に言われてたセリフとは違いました。そのプロポーズでの会話と、アルバートのセリフはエピを通して短くて深くて唸らせてくれました。


<見惚れたスクショ・ギャラリー>

こうして眺めるとアルバートは暗闇とキャンドルの灯りの似合う男である














グレース・ケリー展

2016-09-08 20:58:00 | ファッション
松屋銀座で今日から開催されいる「グレース・ケリー展」を見てきました。

グレース・ケリーと言えば、

エルメスのケリー・バッグの名前の元になった
ハリウッド女優からモナコ公妃へと華麗なる転身

このくらいしか知識がなかったのですが、この展示は彼女のキャリアを写真や動画、掲載雑誌と彼女の愛用した品々などでトリビュートするということで、特にドレス類はクリスチャン・ディオール、シャネル、イヴ・サンローラン、ジバンシイー、バレンシアガ、グレなど私も憧れのフランスのメゾンを中心としたコレクションが見たいあまりに出かけてきたのでした。

ヒッチコックの「裏窓」やミュージカルの「上流社会」などタイトルは知らない人はいないほどの映画のキャリアがあるのに、私はその綺麗な女優さんがグレース・ケリーと記憶に残ってませんでした。どうも同世代のオードリー・ヘプバーンと比べても、その美貌が完璧すぎて印象に残らなかったのだと思います。

でもその癖のなさが、モナコ公室へ嫁いでロイヤルファミリーの一員となってからの方が、外見からだけだとしっくりきていた様子が写真の展示から感じられました。

しかし裕福な家庭出身とはいえ、アメリカからヨーロッパのフランス語圏に嫁入りするのは、言葉の習得だけでも大変だったようです。

彼女はまだ52歳という若さで、運転中の脳梗塞により崖から40メートルも転落、車は大破、翌日病院で亡くなったという、映画のような人生を全うしたので、公妃としての人生がどのようなものだったのかは、まだわからない部分もあるような気がします。

ウェディングドレスを含む、イニシャル入りのお気に入りの品々はロイヤルすぎて「家庭画報」の読者の有閑マダムにお任せだなあと思いましたが、1950~80年代のデザイナーのお洋服は、今見ても自分で着たいと思うほどデザインも保存の状態も良く、心の栄養になりました。

そして、デパートでの開催のせいか、グッズ売り場が大充実でした。オリジナル雑貨はもちろんのこと、メーカーとのコラボ製品も興味深く、モナコの化粧品を試させてもらい、香水調合師によるアーモンド~アプリコット~バニラの自然の香りにうっとり。

中でも運命の出会いと思ったのはこちらの二つ。

ナチュロパシーのSAUTEDIのハーブティー

このロゴは、ユニコーンがお茶を入れている絵なのです!しかもこのパッケージは、中からティーバッグを取り出したらコースターとして使えるようにできているとのこと・・・なんて愛らしい!



ミュベールのピアス



私は蜂のモチーフに執着がありまして、実はこれを買いたいためにこの展示に行ったようなものでもあるのです・・・が、お値段が、諭吉先生お一人様では足りないことがわかりまして、迷いながら帰ってきたのでありました。

今月は生バレエやコンサートで散財しているので、ううううむ。パールもかなり大きいので耳が痛くなるかもしれない・・・と思うとうううううう・・・・


Victoria 3

2016-09-07 22:02:00 | トム・ヒューズ
今、友人が我が家に滞在しています。楽しい時間を過ごすとともにその分ドラマをじっくり・・・とはいきませんが、彼女が別の友人と外出している今夜、エピ3を見られました。

裏ではBBCのエイダン・ターナーのPOLDARK 2が始まりましたが、RADIO TIMESによればPOLDARK 0201の22.7%に比べ、 VICTORIA 0103は僅差の21.4%の視聴率を保っていたとのことです。

なぜならば・・・エピ2に引き続き、みんなが若き女王の結婚を望み、他のライバル貴公子が仮装舞踏会(ガラハットとランスロットの間違いには笑った)でもアプローチする中、ベルギー公国の王であるヴィクトリアの叔父が彼の甥アルバートを押し、エピ最後の1分間のクライマックスまで期待を引っ張ったからではないかと思います!!!

このエピのほぼ全てはこのスクショ3枚に集約されます。







あ~ここまで長かったわ。


日本の美術館の歩き方

2016-09-03 10:59:00 | 異文化


「The art lover's guide to Japanese museums」(2014)
その邦訳「フランス人がときめいた日本の美術館」(2016)
この2冊の著者であるソフィー・リチャーズさんの講演が六本木の国立新美術館にてありました。海外からのアート好きのお客さんが多く、東京案内もネタが尽きた私にもってこいと思って参加しました。

著者はフランスで美術を学び、パリ、NY、ロンドンでアートリサーチャー、美術ジャーナリストとして活動、その傍ら自費にて何度も日本を旅し美術館巡りをしたそうです。

全国の特徴のある美術館として(日本の伝統的な工芸/美術にまつわるものが多い)

法隆寺宝物館
旧朝倉家住宅
河井寛次郎記念館
箱根ラリック美術館
中村キース・ヘイリング美術館
根津美術館
樂美術館
佐川美術館

最新の傾向として(日本の伝統と世界的なモダンアートの融合)

十和田市現代美術館
青森県立美術館
大分県立美術館
Benesse Art Site

を写真付きで解説してくれました。

美術館の紹介の前にソフィーさんが言いましたが、日本にはクオリティもオリジナリティも高い美術館/博物館がとても多いのに、英語による発信が少ないため、海外にその情報がほとんど無い、とのこと。そして公的機関の館だけでなく、個人や企業
設立による館も多い。

(まったくその通りで、夫の友人や親戚などが日本に来るたびに、私もまったく名前も知らない美術館に彼らを連れて行くと言って、美術館の日本語ウェブサイトを私が読まさせられるのです。たまに英語サイトがあっても、情報が日本語ほど詳しくなく、アップデートもされていないのです。)

日本の美術館は西洋に比べて短期間で展示も変わり、その入れ替えに1週間ほどクローズする習慣があり、それも注意しないといけないとのこと。
また、美術館にたどり着いても、展示品解説に英語がないと、展示物のことがわからないとも。

特に個人所有の美術館では靴を脱がなくてはならない場所もあり、外国人にとっては何度も脱いだり履いたりは大変だという意見もあるが、靴がないことで館内が静かになって、五感で建築物や展示を感じられる利点もある。

などなど90分に渡る講演とQ&Aでした。



個人的な感想(当たり前か)など

私の参加するイベントは、女性が圧倒的に多いものがほとんどなのですが、これは男性も多かった。しかも年齢層も広かった。Q&Aではおじさん二人が日本の伝統文化に関する質問をしたのが「え?」だった。フランス人の美人さんが自国の文化に興味を持っていることが嬉しいのはわかるけど、講演は英語&通訳だったのだけどおじさんは拙いフランス語を喋ろうとして的外れなのでは。Q&Aの後も、個人的な質問がある人はソフィーさんに聞いても良い、とのことだったので、私は本書出版後にできた新しいおすすめ美術館があれば聞きたかったのに、またそのおじさんが著者と話に行って待たなくてはいけなかったので、諦めて部屋を出ました。

日本語を読めない人にとってはブラックホールであろう日本の情報網中、「ベネッセの美術施設は英語発信にとても頑張っているので、おそらく世界で一番有名な日本の美術館」だという話を聞きました。実際、私の夫も友人と行ってます。と、いうことは、町おこし、国おこしには英語発信するだけでいいのでは?と思いました。「クールジャパン」でアニメとマンガを世界に売るのはもう翻訳されていて成功してるではないですか。「伝統文化」と「最新アート」を持つ日本を売るには、相手にわかる言葉で発信するだけ。経済大国じゃなくても、イタリアのように観光大国になれば世界へ対して日本が自信を持てると思うんですが。