Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ENDEAVOUR 0504

2018-03-09 15:19:00 | モース&ショーン・エヴァンズ


Colours

今までは1シリーズ4エピ構成の「ENDEAVOUR」だったので、この4話目というのは最終章のためクライマックスとして辛く重々しいエピでしたが、このシリーズ5は全6話の大判振る舞いですのでまだ(モースにしては)重々しい空気は立ちこめていません。

そうそう、その「ENDEVOUR独特の重く暗い雰囲気」は何なんだろうと時々思っていました。同じモースシリーズの「ルイス」は同じオックスフォードの同じ警察でももう少し軽快な良い意味でヌケの要素があるというのに。

でもふと、中年モースの苦虫噛み潰したような顔を思い浮かべたら「ああ、あくまでもENDEAVOURはモースの過去」の物語、ルイスはルイスの現在から未来に向かう物語、とふたりのキャラの違いと時制の違いを思い出したのでした。


さて本エピは「Colours」というタイトルでオックスフォードの人種問題が出てきます。イギリスにはいつでもこの問題があるのでしょうけど、2018年現在のご時世にも通じるし、さらに軍隊が舞台の事件現場で、殺人の引き金となったのも差別感情が絡んでいました。

近年アメリカ映画で黒人差別の歴史を少し知る機会がありましたが、このエピでもオックスフォードの1960年代末に、ヘアサロンで「NO COLOURED/白人専用」という張り紙がありました。しかもそれが白人顧客が黒人と同じタオルを使いたくないという理由で店側が止むを得ず対処しているということ。少し前の時代に同じ人間に汚い意識を持っていたという生々しさ・・・。

そんな真面目なことも考えましたが、

サーズデー&モースが黒人の活動家に話をしに行き、「マーカス・ウィリアムだな?」と声をかけたところ、「マーカス・エックス、元のアフリカの苗字では」と返されたので、「そうか、ならファーストネームで行こう。私はフレッドだ。」と言い出したサーズデーだったのに、続いて「彼はモース。」とやっぱりモースはモースなのには笑えました。タイトルはエンデバーでも絶対にその言葉は出てこない。私の読みでは誰かがモースをエンデバーと呼んだら最終回になっちゃうのでは。

ところで、このエピでは「サーズデー警部が華々しく踊っていた」シーンから始まったので、もしや彼のダンスに関する過去の物語でも出てくるのか?!と期待してたら軍隊時代の若々しいサーズデーがっ?!と飛び上がったら息子のサムくんでした。似てますね?!家にいたときはそう思いませんでしたが、ちょっと顔が丸くなったらソックリさん。

しかし軍隊に入隊したら同じオックスフォードなのに家にも帰れないとは随分厳しいわりに、ファッション雑誌の撮影は許されるってかなり違和感が拭えませんでした。軍の駐屯地は国家機密ですよね?戦車も含めて撮影なんて許されるのでしょうか。

テムズバレー署新人のファンシーとトゥルーラブがちょっといい感じになっている一方、

前回サーズデーの娘ジョアンの引っ越し祝いパーティーにモースが招待されて、ふたりが見つめあっていい雰囲気と思ってたらジョアンが友達を紹介しようとして、モースは余計なお世話とばかりにさっさとパーティーを去ったはずだったのに、

ちゃっかりモースはそのフランス娘とラブラブになってました?!

とっさに思い出したのはドラマ「The Hour/裏切りのニュース」でベン・ウィショーのフレディが本命ではないのに結婚した相手もフランス娘だったこと。しかもふたりともイギリスの女の子が全員ロングヘアの時代にショートカットでモダンなのです。

寂しいインテリイギリス男は自由なフランス娘に弱いという傾向でしょうかっ?

実は私最初モースと冒頭で出てきた女の子がジョアンの所で会ったフレンチとすぐには思い至らず、フランソワーズ・アルディの名曲「さよならを教えて」がいきなり鳴り響いてどうしちゃったんだろう?!と思ったのですね、だってモースといえばクラシックなのに。

でもフレンチ・ポップスが鳴り響いちゃうくらい、モースは幸せそうに彼女を見つめていて、モースにもようやく青春が戻ったと思いきや、彼女の方はただの気まぐれのお楽しみと言い切っちゃうし、可哀想なモース。

でも肝心の事件は現場の物的証拠とヘアサロンでの聞き込みを結びつけ見事解決に持ち込んだモースでした。




シャネルのゲーセン

2018-03-08 21:01:00 | ファッション


「シャネル(CHANEL)」は3月2〜11日、東京・明治神宮前でゲームセンターをモチーフにしたイベントスペース「ココ ゲームセンター(COCO GAME CENTER)」を限定オープンする。

というWWD(ファション専門メディア)ニュースを読み、雨の中行ってみたのです。UFOキャッチャーの得意な娘と一緒に。



寒くて雨のせいなのか、外まで並ぶ列もなく入り口で傘をさしかけてくれるスタッフに迎えられ中に入り、ノベルティーのミニバッグを受け取りながら10人ほどの列に並ぶと・・・

・・・整理券を求められました。

私も娘も仕事や学校から駆けつけただけなので券はなく、列から無言で今入ってきた入り口に向かいスタッフさんから「ありがとうございました」とお別れの挨拶をされて退場。

雰囲気を見ただけで終わってしまいました(涙)。

ミニバッグには口紅のサンプルとシールが。



がっかりでしたが、誘導の順序が謎だったおかげで少しだけ中に入れたしサンプルいただけたし、

ということで、娘と気分を上げるためにロンドン発のデリカフェ「フランツ&エヴァンズ」でお食事しました。

デザートはカップケーキ。こちらはレッドベルベット。クリームはヨーグルト味。



チョコレートオレンジソース。ドライオレンジの苦味が下のチョコレートケーキのねっとりした食感と味にピリリと効いてました。



その帰り、「フライング・タイガー」に寄ったら、季節柄イースター特集で兎さん、羊さん、ヒヨ子さん、卵さんなどなどのイースター関連雑貨が可愛いのなんのってありません!

中でもおいて帰れなかったのが、虹色のウサギ。笑顔がチャームポイント。



ずん胴。



虹色卵に囲まれたヒヨッコのペーパーナプキン。



それから、こちらはお誕生日パーティーコーナーで見つけた、ケーキに刺すキャンドル・スタンドです。



四月に義理の父の80歳のお誕生日が来るのですが、キャンドルは9本あるので1本10歳計算で使えるかな〜っと買ってみました。


シャネルのゲームはできなかったけど、原宿はやはり楽しいところ。



シェイプ・オブ・ウォーター

2018-03-06 22:36:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


アカデミー作品賞/監督賞/美術賞/作曲賞

かわいい映画でした!アートなブルーっぽいプロモーション・イメージではちょっと不気味さが前面に出ていてあまり惹かれなかったのですが、トトロ監督さんの作るものだから・・・、と見てよかった!

半魚人の顔は見てのお楽しみだったのか映画で初めて見ましたが、さすがピグモン好きの監督だけあって、ブス可愛かったです。ピグモン、ブルテリア、パグに通じる目が離れた可愛らしさというのか・・・この顔で首をかしげられたら、私も頭差し出しちゃいます。

孤独だけど感受性の強い女性イライザが、言葉で分かり合う人間よりも言葉の必要のない獣に惹かれる気持ちがわかります。例えば自分以外全員英語ネイティブ白人のパーティーに行った時とか、一生懸命個々で通じる人と会話もするけど、全員で一斉に話したりする時ついていけなくなったり、集中力が切れた時に、その家に犬がいたりするともうその犬と自分だけでいいや・・・とホッとする気持ちを思い出しました。

孤児で障害のあるイライザの周りは、年寄りで時代遅れの絵描きでゲイの隣人とか、黒人のゼルダ、ソ連スパイと、これでもか!とマイノリティ弱者が全員集合していて、悪者がアメリカ白人男性の地位のある成功者ってのもまた、なんか、すごい。そのストリックランドがアメリカ富とパワーの象徴のようにキャデラックを買うのも美人でグラマーな奥さんいるのも、顔つきも、60年代のアメコミを絵に描いたようなキャラだった。

半魚人の謎の生き物は、ずっと野生の生き物だけど知性があるイルカの人間化みたいな存在感でしたが(その割にはスタイルがモデル並みによさすぎるのが私には違和感でしたが)ラストでその力を発揮した時にはスカッとしました。ミスター・アメコミ様を見ろ!!って心で叫びました。

アメリカの権威であるアカデミー賞が、この作品を評価したということで、私のアメリカのイメージが急上昇しました。時代が本当に流れているのだ、人間の意志で変われる国なんだと思いました。(それが市井の人々にまで浸透するかは別として。トランプが当選した時、アメリカには最先端の人だけでないことを初めて意識したので・・・)


細かいところの感想では、映画「ドリーム」でもそうだったけれど、女性にはたとえ清掃係りの仕事用でもやはり靴はハイヒールしかないのが嫌だと思いました。ゼルダがいつも足が痛い痛いと言ってたしやはり慣れても痛いのですね。

絵描きの隣人ジャイルズさんち、ベッドが壁に折りたためるとか、猫のいるアパート暮らしってところでオードリー・ヘップバーンの世界で住み心地よさそうです。

しかし猫好きとしてはあの猫は全部食べられたのかどうか気になります。自然の捕食として仕方ないけど完食してもらいたい。それとも猫に脅されて反射的に攻撃しただけなのかな。

私トトロ監督の作品は「クリムゾン・ピーク」以外見てないので、「パンズ・ラビリンス」も見るぞ〜




フォンダン・ファンシーズとミリオネアズ・ショートブレッド

2018-03-03 20:13:00 | たべもの
久しぶりにモンクレことイギリスお菓子の「モーニングトン・クレッセント」のオープン・ベイカリーの日に行ってきました。

オープンした時には3回ほど行って、その後は並ぶのが辛い・・・とかまあ色々不精していたのですが、実は今の勤務先はお店から徒歩5分のところにありまして、今日はお雛祭りということもあり、重い腰を上げてランチタイムに出かけてみたのです。

11時開店でなくなったら閉店。私の今日のお昼休みは12時過ぎだったのでお弁当を食べてから勤務先を出発、12時半、つまりオープンしてから90分後にお店についたところ、列はもう店内の4〜5人のみになってました。

しかしショーケースの中のケーキのトレーもかなりスカスカになっていて、いわゆる丸いスポンジタイプのケーキは2、3種が1〜2切れ程度のみ。けっこうまだ数が残っていたのが今回私が入手したケーキ2種類でした。

しかし、これが大正解!

まず、ミリオネアズ・ショートブレッド!!



ご覧の通り、ショートブレッドの上にトフィーのようなファッジのようなキャラメル系の物とチョコレートが重なっています。その厚さ1cmはありましょうか。これぞイギリスのパンチの効いたお菓子です。日本では滅多にお目にかかれないと思います。

レシピを見ると、キャラメル部分はバターとコンデンスミルクとゴールデンシロップでできています。3種類とも単品でも濃厚でクラクラしそうですが、そのトリプルコンビネーションです。

こういう甘いねっちりしたものが乗ってるお菓子、イギリスは好きですよね。例えばウィディング・ケーキなんかもドライフルーツがみっちり入ったスポンジケーキの上にアイシングが1cm以上降り積もってるのを思い出します。

味もさることながら、身体にとっては必要もない禁断の贅沢品を食べてしまうという堕天使に魂を売り払うごとき快楽とでも言ったらいいのか・・・


お次がフォンダン・ファンシーズ!!

白はレモン風味、ピンクがオレンジ風味です。



アイシングの下には、バタークリーム、マジパン、アプリコットジャムの層が隠されています。

パカッと断面図をどうぞ!



実はこの2種が私と娘でお雛祭り女子会を祝うつもりで買って、レモンとオレンジ、どちらも食べてみたいと対角線に切ってあるのに、うちの娘ったら、今日に限って私が仕事から帰ったらちょっと横になるって寝ちゃったんですけど?!


・・・というわけでまだこの快楽を味わってないのですが、この二つともやっぱりイギリスのケーキ屋さんでしか買えないし、おそらく他のケーキよりも甘さの塊ぽいので敬遠されて最後まで私を待っててくれたのでしょう、ヴィクトリアン・スポンジも食べたかったけれど、それは前にも食べたことあるし、やはり人間は常に新しいものにチャレンジしなくちゃ!と思っている私に最適のケーキが与えられたのでした。

ブラックパンサー

2018-03-01 22:53:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


実はちょっとだけ「ブラックパンサーは見ずに『インフィニティー・ウォー』を待ってもいいかな?」と思ったこともあったのですが、予告編を映画館で見てその音楽とのシンクロ具合があまりにもかっこよすぎて「これは体験しなくては!」と思ったんですね。

初日にあのかっこいい曲のシーンは韓国で展開されるんだ!と今か今かとワクワクしていたのですが、何とその曲は本編には出てこなかった?!・・・はず。今となっては私が気づかないうちに出てきていたのか?と自信ありませんが。

しかし、そんなことはどうでもよくなったくらい、ブラックパンサー良かったです。黒豹といえばアニメ「バビル二世」のロデムがかっこ良かったとウン10年ぶりに思い出しましたが、猫科の獣はかっこいいです。

主役のブラックパンサーと、どういうわけか従兄弟の敵キルモンガーも似たようなスーツを身につけちょっと違うブラックパンサーもどきになるのですが、二人ともそのお姿が優勢人類ですか?!というくらいマーベルヒーローのかくありきな肉体美なんですもの。黒豹のような人間って本当に存在するのですね〜惚れ惚れ。


ところで私が「ブラックパンサー」パスしようかな・・・と脳をかすめた理由があるんです。実は白人の目で見たエキゾチックな文化をテーマにした映画というのは今まであまり好きではなかったんです。「ドクター・ストレンジ」のチベットはエキゾチックというより日本に近いような目で見られたので大丈夫なのですが、中東、アフリカの音楽や暑さや民族衣装が強調された映画で目がクラクラして具合が悪くなったことが数回ありまして。

多分、そういう映画は、白人の主人公がエキゾチックな土地で西洋の価値観が通じず自分を見失うような視点で描かれたもので、

「ブラックパンサー」はアフリカの太鼓も歌も踊りも出てくるのにクラクラしなかった。それは彼らの視点で描かれていたからかも知れません。

そして、ワカンダでは国王継承者を決める儀式でもキチンとした手順とルールがあり人間的に進められ野蛮な文化として描かれてなく、逆にそこに侵入してくる白人やアメリカ人の元ワカンダ人こそが野蛮な行動をとっていることが胸にスコーンと響きました。

つまりマーベルって白人の組織と思っていたのですけどアフリカの王国を文明国として描くことに成功しているのが嬉しくて爽快です。

さりげなく「船から海に身を投げて死を選んだ」などと奴隷制をチクリと非難したり、ラストの国連で「世界を支援して分かち合いたい」というワカンダ王の演説をバカにしたように「農業国が何を出せるというのか」と発言する白人が出てきて、「白人以外の文明に無知なくせに謎の優越感を持つ白人社会」というメッセージもとてもよくわかるようにできてます。

マーティン・フリーマン演じるロスCIA捜査官って「シビル・ウォー」では悪者だったと思ったのに、いつの間にかブラックパンサーの味方になっていたのはよくわからなかったのですが、

マーベルが「富と技術は自分の国だけでなく世界のために」という世界のあるべき姿をバンっと提示したのは単純だけどとてもいいメッセージだと思います。