つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

スジナシ

2011年04月13日 | 徒然に、

レンタルビデオ屋さんでたまたま手に取ったDVDにはまっている。

笑福亭鶴瓶の「スジナシ」だ。

鶴瓶さんがゲストの役者さんとぶっつけ本番、台本なしで即興ドラマを演じる。
「エチュード」と呼ばれる芝居の練習方法があるが、それをカメラの前で10分程度やって見せる。
鶴瓶さんが当意即妙に相手なるのだが、振り回されることも振り回すこともあって、どう話が転がっていくかわからない“はらはら感”がすごい!

そういう企画だから、相手になる役者さん達は百戦錬磨の人が名前を並べているのだが、じっくりと作られている映画や舞台、テレビドラマと違い、役者の素が出てびっくりする。以外に肝っ玉が小さくて焦りまくりおたついてしまう人や、若くても自然に話をまとめていく人がいる。おもしろい発想をする人もいる。鶴瓶さんが笑いをこらえきれずにフレームアウトしようとするのを、無理やり引き戻す“意地悪”をする人がいる。反対にその場で「歌」や「踊り」「ギャグ」などを言わせようとふって見せることもある。腹の探り合いで絶句する妙な“間”も面白い。何より真剣にやりあっている姿がたまらなく面白い。

私が子どもの頃、テレビは生で放送されているものが多かった。何のドラマだったか、ちゃぶ台で食事をしていた女優さんがとんと背中の方にあった壁をたたいたら、どういうはずみかばたんと倒れたのを覚えている。凄かったのは、後ろの方でスタッフの方が一生懸命立て直しをしている様子を背景にしながらその女優さんは食事のシーンを演じ続け、食事を終え、振り返りながらきれいになおった壁に向かって「まあ、騒がしい、ネズミとりをしかけなければいけないわ」というようなひとことを言って次の場面に移った。歌番組などでも、結構ハラハラするそういう事件がテレビカメラの前で起こり、それをどう乗り切るかも観ているものには楽しかった。生の緊張感があった。やる人は大変だろうが、そういう作り手の意地のようなものが今のテレビには欠けているように感じる。相手より先んじる反射神経ばかりを優位にした番組作りは、疲れるばかりだ。その中で、久しぶりに「スジナシ」は凄い!と思った。

TBSで深夜に放送しているようだ。ブルーレイをバイト代で手に入れた息子に、よろしくお願いをしよう!!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする