私は某短大を卒業しているのだが、
卒業した教室が、大学移転に伴い四年制に学部を開いている
私が在学した頃、助手や講師で大学に残った先輩方が偉くなり、そして次々と退職の時期を迎えている
私が知っている限り、恩師に一番才能を認められていた3年上の、今は主任教授になった先輩が退職されることになり、
大学美術館で記念展とトークショーが開かれるから、来ませんか?とお誘いをいただいた
この機会を逃したら二度と行かないだろうと考えて、いつもの友人を誘って出かけて行った
まあ、行きにくい場所に移ったもんだ!が感想
最寄駅から、1時間に3本のバスを利用して20分
工業団地の隣にあり、なんともその環境をどういったもんかわからなかった
都内の学舎はまだあり、短大と附属の中高が使っている
しかし、ここの広々として明るいキャンパスは羨ましい限りだ!
私達が使った教室は地下にあり、ジメジメして、黴臭くて、
いやそれでも楽しかったなあ、
先輩の学生時代からの作品がチョイスされて並んでいて、ごく初期のものは見覚えがあった
しかし、それ以降は、
こんなこと言ったら素人が何をいうかだが、苦しんで模索し続けられたのだろうと、ここまでの長い時間が伝わってきた
ふむ、やっぱり立体て凄い世界なんだなあ、
あれだけ才能の塊だった人がこれだけ苦しい時間をすごしたんだ、
そんな気持ちが湧いた
女子教育は難しいという
もうその考え方自体が差別のように今なら感じるが、
私達が恩師と仰いだ教授は、微に入り細に入り影響を与える指導で学生を伸ばした人で、女子はその方がいいと考えられていたと、 思う
教授は早くに亡くなられている
だが、その指導は大変重い
私は家でも親とうまく行かなくなり始めた頃で、学校でも絡められるかのような気分になり居場所がなくなり、そこで続けることが出来なかった
先輩が苦しんだ理由はそんな甘いものだけではないだろうが、
当時の先輩は、うまくいく創作が楽しそうだった
それができた作品から伝わってきて、見ていてもほっこりした
できる腕を持って続けてこられたんだから、
なにかわからないがその絡みついているしがらみを解いて、
つくることを楽しんでほしい
見ていて辛くなるものではなく、
そんなものを見せてほしいと思った
因みに、
美術館の入り口、一番良い場所に、
恩師の作品が展示されていた
これは私が在学中につくられたもので、
その経過を見聞きしたもの
懐かしいし、良い作品だと思う