私の少女時代は、リンドグレーンとモンゴメリーに彩られている
私の育った家は生活に困るということはなかったが、
贅沢はできなかったから、
本を読むことが大好きだった私がよく通ったのは学校の図書室
一つ読むと返してまた別のを借りる、
その繰り返しでした
中でも大好きだったのが リンドグレーンの “やかまし村シリーズ”
好きで、好きで、大好きで、何度も何度も図書室と家を往復した
父親にねだってねだってやっと買ってもらえた一冊は、本棚の隅に並んでいる
映画「リンドグレーン」は、
リンドグレーンがリンドグレーンになる前の、多感な少女時代を描いている
型にはまらない自由な魂を持て余している多感な少女時代のリンドグレーン
今なら「発達障害」とレッテルを貼って対応してしまいそうなほどいろいろな騒動を起こしていたようだが、家族は暖かくのびのびと付き合っていたようだ
凄い人だったんだなあ、こんなに自分を持て余して、
その上で、自分を推し進めて生きていたんだ…人として、女性の生きざまとして、真摯に頭を垂れます
同じ年のころ、私は何をしていただろう?
リンドグレーンのように雄たけびを上げながら生きることもできたのかな?
過去は代えられないけれど、そんな可能性もあったかと思うとゾクゾクする
上映されたのが岩波ホール、神保町だったので、帰り道に古本屋街を巡った
リンドグレーンの特設コーナーができている店もあり、
覚えのない本がいくつか並んでいた
もう一度リンドグレーンを読みたくなった
もう一つ余話で、
岩波ホールを出てぶらぶらと本屋の店先を眺めながら歩いていたら、
お蕎麦屋さんがあったので、時分時でもあったから入った
案内された席の隣に
いかにも編集者然とした女性と、何かの書き手とみられる年配の男性がいた
食事はもう終わっていたが、ランチビールを楽しんでいた先生の方が、
「もう一杯いいかな?」と女性のほうに聞いた
追加を頼み、ぼちぼちと話をしているのだが、
それがいかにもそういう話らしいという内容で、
耳をダンボに愉しんでしまった
私が頼んだのは奮発して鴨せいろ、ゆずの香りがきいてとても美味しかった
ゆっくり堪能したが、隣の話は終わっていなかった
心残りだったがビールの進みは遅いようで、残念だが席を立った