デザイナー山本耀司が自らを書いた著書「MY DEAR BOMB」の日本語版が発売される。
これまでFashion memoirやTALKING TO MYSELFなど、作品やコレクションのフォトブックは
見ていたが、こみ上げるクリエーションや洋裁の基本技術、生地やシルエットなどにも斬り
込んでいるというから、初の自伝的著書としては読むのが楽しみだ。
一昨年、ヨウジヤマモトという企業は、経営不振に陥り耀司氏自ら経営の一線を退いた。
元来、ヨウジヤマモトはDCアパレルメーカーであり、多国籍企業であり、世界のファッション
業界としては別段珍しくはなかった。
ただ、他社と違うのは耀司氏がデザイナーであり、社長も務めながら、こと経営に関しては
指示したり、財務に関わったりしなかったこと。あくまでクリエーターであり、マーケットとか
売上げとかは結果論に過ぎないということで首尾一貫していた点だ。
それが80年代のようにDCブランドが売れていた時期は良かったが、世界的な不況や
ファッション後進国の経済成長で、機能しづらくなったのは間違いない。耀司氏自らは
身売りの記者会見で「裸の王様だった」と語り、経営面で注視していなかった点を詫びている。
でも、耀司氏はあくまでクリエーターだから、彼一人の責任ではないだろう。
経営の最前線にいるスタッフがもっと舵取りをきちんとする必要があったのかもしれない。
自叙伝を通じて耀司氏がその辺の葛藤や機微を自らの言葉でどう語るか。実に興味深い。
DC世代として、耀司氏のデザイン、カラー、素材、シルエットはずっと好きだった。
昨今のマスマーケット攻略やグローバルファッションの見地からみれば、厳しいのもわかる。
ただ、懐が広い世界的なSPA企業も台頭していることだし、クリエーションを維持しつつ、
新たなビジネスモデルを作ることはいくらでもできるはずだ。
自叙伝出版を機に、新しいヨウジヤマモトに期待したい。
これまでFashion memoirやTALKING TO MYSELFなど、作品やコレクションのフォトブックは
見ていたが、こみ上げるクリエーションや洋裁の基本技術、生地やシルエットなどにも斬り
込んでいるというから、初の自伝的著書としては読むのが楽しみだ。
一昨年、ヨウジヤマモトという企業は、経営不振に陥り耀司氏自ら経営の一線を退いた。
元来、ヨウジヤマモトはDCアパレルメーカーであり、多国籍企業であり、世界のファッション
業界としては別段珍しくはなかった。
ただ、他社と違うのは耀司氏がデザイナーであり、社長も務めながら、こと経営に関しては
指示したり、財務に関わったりしなかったこと。あくまでクリエーターであり、マーケットとか
売上げとかは結果論に過ぎないということで首尾一貫していた点だ。
それが80年代のようにDCブランドが売れていた時期は良かったが、世界的な不況や
ファッション後進国の経済成長で、機能しづらくなったのは間違いない。耀司氏自らは
身売りの記者会見で「裸の王様だった」と語り、経営面で注視していなかった点を詫びている。
でも、耀司氏はあくまでクリエーターだから、彼一人の責任ではないだろう。
経営の最前線にいるスタッフがもっと舵取りをきちんとする必要があったのかもしれない。
自叙伝を通じて耀司氏がその辺の葛藤や機微を自らの言葉でどう語るか。実に興味深い。
DC世代として、耀司氏のデザイン、カラー、素材、シルエットはずっと好きだった。
昨今のマスマーケット攻略やグローバルファッションの見地からみれば、厳しいのもわかる。
ただ、懐が広い世界的なSPA企業も台頭していることだし、クリエーションを維持しつつ、
新たなビジネスモデルを作ることはいくらでもできるはずだ。
自叙伝出版を機に、新しいヨウジヤマモトに期待したい。