HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

夏休みは、革遊び。

2022-08-17 06:45:30 | Weblog
 今年は8月11日が祝日だったため、5日ほど夏休みが取れた。ただ、コロナ感染が高止まり傾向にあることから、外出は避けて自宅で趣味の一つ、レザークラフトに没頭した。厚手の1枚革を包んで作る「スマホホルダー」作りだ。

 筆者はが多汗症(脂手)で、一般人よりスマートフォンの画面が汚れやすく、また手が滑って落下させる可能性も高い。そのため、スマホを買い替えるたびに、破損防止のアルミバンパーで側面、保護フィルムでタッチパネル面をガードする。さらにバンパーに「スナップフック」付きのストラップを付けて、手作りのレザーホルダーに入れる念の入れ用だ。仕事で移動する時はそれをバッグのショルダーストラップに留めて利用する。

 ただ、スマホはパソコンと違ってそれほど酷使しないし、インターネットを多用するわけではないから、これまで4年ほどは格安のヤマダモバイルとの契約だった。この春、NTT docomoが同様のOCNモバイルONEをスタートしたため、通信契約をこちらに切り替えることにした。当然、docomoショップでsimカードを変えることになるので、その前に自分でバンパーを外しておかなければならなかった。ヤマダモバイルと契約する時、ベスト電器の担当者がバンパーを外すのに苦労していたからだ。

 しかも、今のバンパーに付け替えて3年ほど。固定する極小ネジが錆び付いてしまい、付属のドライバーでは渾身の力を入れても回らなくなっている。福岡・天神周辺のスマホ修理店に行ってみたが、どこも対応できない。メカの不良ではないのだから、当たり前のことなのだが。あるショップスタッフから、「バンパーごと、切断するしかないでしょうね」と言われたことで、決意。自分でUSB接続端子ホール横をニッパーでカットし、バンパーを外側に広げると、意外にも簡単に外れた。



 スマホ本体は2015年から使っているので7年目に入り、いつお釈迦になるかわからない。機種変更すれば、またパンパーを付け替えることになる。まずはOCNと契約するため、simカードの入れ替えが楽なよう「磁気吸着バンパーケース」を暫定で使ってみることにした。こちらは2つの強化ガラスを貼ったバンパーで、タッチパネル面と背面を挟む方式。磁石固定なのでネジ留めと違い取り付け、取り外しは簡単だ。

 ネジ留めのようにドライバーを使って外す必要もないから、docomoのショップスタッフがsimカードの入れ替えで手を煩わせる心配もない。新規契約はビデオを見せられるなどチンタラと時間がかかったが、カードの入れ替えはスムーズだった。ただ、バンパーケースをつけた状態でスマホを使うと、今度はタッチパネルと強化ガラスが干渉しあって、タップの反応が鈍くイライラする。

 ショップスタッフには申し訳ないので、タッチパネル面側のケースを外し、設定変更などを行ってもらった。ところが、契約切り替え後にバッグの肩ストラップからスマホのストラップを外す時、スルリと床に落下。そんな時のためにバンパーケースを付けていたのだが、タッチパネル面のガラスにヒビが入ってしまった。所詮、中国製の格安品だから、「強化ガラス」を謳ってもこの程度だろう。

 思い切ってガラスを剥ぎ取ると、これが綺麗に外れたのでしばらくこの状態で使用することにした。筆者としては従来通り、スマホの側面をバンパーで、タッチパネルはフィルムで直に保護した方が使いやすい。すでに機種変更を想定し、規格サイズが同じスマホを入手した。カメラレンズの位置は違うが、バンパーだけ替えるのなら問題もない。機種変更に合わせて新しいバンパーに付け替え、レザーホルダー、ストラップも新調することにした。


1枚の革でスマホを包み込むホルダー



 まず、新たにアルミバンパーを購入した。某国産ブランドで、一流メーカーの建築資材でも使用される頑丈な高品質アルミ素材を使用。しかも、高性能CNCで贅沢に削り出し、上部に開口部を設け、バンパー装着による電波干渉を最小限に抑えたアップデートモデルという触れ込みだ。

 マットブラックとシルバーのツートーンがブラックボディのスマホにコントラストを付け、筆者のセンスにもドンピシャ。面取り処理が施されたストラップホールがあることも購入の決め手となった。装着時の違和感はゼロで、平置き時には水平に保つ。これなら筆者の脂手にもしっくり馴染み、使い勝手も良さそうだ。

 次にオリジナルのレザーホルダーを制作する。こちらはデザインからすべて自分で行うものだ。革は昨年、レザージャケットの袖を切り替え時に一緒に購入していたもの。幅10cm、長さ90cm、厚さ1.2mmの帯状のカーフだ。まず、金型代わりにスマホケースを革で包んで挟み込み、両端をダブルクリップで固定してじっくり形を馴染ませる。

 You-Tubeで公開されているレザークラフトの常道なら、バンパー付きスマホのサイズに合わせて型紙を作り、それを当てて切り抜いた厚紙の型に合わせ革を切り抜くやり方だと思う。だが、こちらは1点ものだし、やや大きめのスマホケースを型にすれば、バンパー付きスマホでもすんなり出し入れできるだろうとの目算だ。緩ければ、タッチパネル面が当たる革の部分の傷防止用にベッチンの端切れを貼って厚みを調整すればいい。



 作業工程は以下のようになる。まず、ケースを包んだ革の両端内側を「両面テープ」で止め、革がズレないようにしっかりと接着する。次に「コンパス」の代わりに製図用のデバイダーで、「菱目打ち」用のガイド線を引き、「ゴム板」に乗せて革に菱目打ちを当て、トンカチで叩き針穴を開ける。ガイド線は直線なので、菱目打ちもしやすい。あとは2本の「手縫い針」に「ロウ引き糸」を通し、交互に縫い合わせていくだけだ。

 両端を縫い合わせると、糸線から2〜3mm外側をカッターでカットする。ホルダーは首から斜め掛けできるよう長めのレザーロープをつけるので、折り返した上部に2.5cm程度せり出させておく。この部分はロープを通すため、縫い合わせず中を空洞にする。あとはコバの部分の毛羽立ちやきれいに裁断できなかった革の断面部分をサンドペーパーで整え、コバの部分に「仕上げ剤」を塗れば完成だ。



 今回はずっと懸案だった「ストラップ」も手作りした。以前は100円ショップに売っているものを使っていた。糸には丈夫なテグスが使われているので数年は持つのだが、やはりプチプラで安っぽさは否めない。そこで革との相性を考え、今回は直径0.45mmのステンレスワイヤーを使ってストラップを試作してみた。

 通常、ワイヤーを輪にして両端が抜けないようにするには、「アルミスリーブ」に通して圧着ペンチで固定するのだが、建築途用だからアクセサリー的には見栄えが悪い。そこで、HCのハンズマンで見つけた「サーキュラースリーブ」を使ってみることにした。まず、0.45mmのワイヤーを折り曲げて2本のワイヤーをスリーブに通し、この2本を折り返して2つの輪っかを作り逆側から再度スリーブに通す。合計4本のワイヤーがスリーブの空洞に入るので、それらを2本のネジで固定すれば抜けなくなるという構造だ。



 ストラップは丸カンを付けたスナップフックを取り付け、スマホホルダーのロープにフックを掛ければ、落下防止になる。これまで通り、誤ってスマホを落下させそうになっても、ストラップでロープに繋いでいるので、床に落とすことはほぼ無いと思われる。

 材料費は革代が1000円、バンパーが一番高額で3800円、ステンレスワイヤーが1mで125円、サーキュラースリーブが375円。バンパーはネットで注文し、ワイヤーとスリーブはHCのハンズマンで購入。クラフトの道具は手持ちで、すべて自分で手作りしたので工賃はゼロ。材料込みの制作費は5300円で済んだ。作業要領は仕事の合間にデザインや工法をイメージし、それをパソコンでラフスケッチにまとめておく。あとは夏休みなど時間が空けば、一気に集中して制作にかかれる。

 売り物ではないので、デザインや使い勝手を自分仕様にできるのが良い。俄職人のクラフトワークというよりも、大人の暇つぶしとでも言おうか。これから革の感触が恋しくなるから、レザーグッズはスタイリングの必須アイテムだ。スマホホルダーも革で作ると、無機質なデジタル機器がレザーJKを纏うようにスタリッシュに変身する。適度な遊びを加えながら、あれこれと創造力を巡らせ、作り上げるレザークラフトはことの他楽しい。
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