HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

3周年で思うこと。

2011-01-28 17:38:47 | Weblog
 このコラムを書き始めて3年が経とうとしているが、昨年あたり
からは賛同や反論などのコメントをかなりいただくようになった。
これをどう解釈すればいいかと考えていたとき、コラムニストで
評論家の青木雨彦さんが言っていた記述が見つかった。
 評論とは賛同する人が半分、反論する人が半分。どっちにしても
書いて読まれてなんぼの世界。だから、賛同してくれる人がいれば、
これで「勝ち=価値があること」なんですよ、と。

 インターネット上にごまんとブログやコラムがある中で、
拙作なんかにわざわざコメントされるのは、よほどお暇な方か、
それともネットオタクか。内容を見ると、あるテーマが
特に多いので、恐らく何らかの関係がある方々だろう。
 それでも1年目、2年目は書き込みなんかほとんどなかったのに、
最近はコラムに及第点まで付けてくださる奇特な方もいらっしゃる。
青木さん流に解釈すれば、書き続けて間違いなかったと思う。

 ただ、書き込みと言っても、トイレの落書きみたいな程度では
何をおっしゃりたいのか、こちらも真意をわかりかねる。
かの案件について一方的に「活動しましょう」なんて言われても
こちらは参画しようとずっと活動してきているし、業界で永年
仕事をしてきた中で、また、地元業界の方々との仕事を通じて、
ベターな方法を探ろうと発言してきたのだ。

 「県は何もしらないのだから」もそう。
県の善意や無知さをいいことに、一部の利害関係者が独善的に
事業を進めることが正当化されるはずもない。そもそも、
かの事業には企画コンペの募集時にいろんなルールが規定されていた。
法治国家で行政がルールを決めたのだから、
それにそって公共事業は進められるべきなのに、いつの間にか、
利害関係者が自分たちの理屈で解釈し、運用しているのだ。

 福岡パルコの件は、そのルールに照らし合わせて
「おかしい」と異論を唱えたのは、推進会議内部の人間ではないか。
企画運営委員のお一人が麻生知事に問い質したことで、
それが地元ファッション関係者に漏れ伝わり、拙作でも取り上げたのだ。
だから、賛同された方は非常に多かったし、逆にご意見もあった。
 本来なら地元の業界関係者から事業についての意見を聞くべきなのに、
そういう機会は一切設けられず、先に決定ありきでそれが公表されるだけ。
しかも、事業は一部の企画のみにほとんどの資金がつぎ込まれ、
他の企画は資金がないためか、最近は商工会議所の一般事業にすり替え
られるような実施のされ方になってきている。

 イベント事業者は資金の大部分を得て、運営実施の原資にし、
オール外注によるコスト増の中で、スポンサー収入と映像ソフトの販売で
事業利益を確保するビジネスモデルを作り上げようとしている。
はたしてこれが公共事業と言えるのだろうか。
 地元マスメディアや県議会がこうした問題点に向き合おうとしないから、
せめてマイクロメディアくらいはやってもいいのではと、
拙作のコラムで取り上げたのである。
 ただ、ネット上でこれ以上、不毛な議論をやっても意味はない。
リアルな話し合いの場、真の意味での推進会議の開催を求めたいが、
すでに3年にわたって既得権益を手にした利害関係者が
それを簡単に手放すとは思えない。

 正直に言って、私はかの事業には絶望している。
博多で生まれ、博多ファッションの中で育ち、東京や海外の
ファッションにふれ、また博多を客観的に見るようになった
人間として非常にむなしさをおぼえる内容ばかりだからだ。
 個性的な博多商人が基礎をつくり、地元の卸しやメーカー、
時に海外、そしてクチュールの縫子さんたちと一緒になって店舗や
スタイリングを生み出してきた気骨。それが博多ファッションの
底流にはある。今日まで存続する専門店は「よか嫁さんタイプ」とか、
「仕事をもつ姉さんタイプ」とか、「ちょっと遊び人タイプ」とかと
呼ばれてきた。その延長線上で、常に新たなショップやクリエーションを
生み出してく。それが博多ファッションの神髄でもある。
こう言うのは、抵抗でも自負でも郷愁でもない。

 とにかく都落ちのTVプロデューサーや大分の片田舎出身者など
博多ファッションを知らない、理解できない人間たちと話しても
時間がもったいないという、ただそれだけの理由である。
 最後に当方のクリエイティブワークへのご批評は、
素人のご意見として受け止め、春高デザインにも伝えておこう。
 
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