映画を観る前に、と読み始めた。
『
さまよう刃 』
あまりの「重さ」に、ページを進めることができない。
ハードカバーでさえ立ち読みで読み切ることができる私が、だ。・・・自慢できないけど。
東野圭吾さんの文体は、奇をてらったり、不必要な捻りがない。
その分、直接ココロに刺さるのだ。
読み終えるまでに相当の時間を要し、何度泣いたか知れない。
・・・以前、学生服を着た男子の集団に出くわしたことがある。
彼らはこう言ってた。
「んなムカつくんならさー、最悪殺しちゃえばいいじゃん。
だってオレら 少年A だしさー。捕まってもすぐ出て来れんじゃん。」
どんなシチュエーションなのかは知らない。冗談かも知れない。
でも通りすがりでこれを聞かされた日にはたまらない。
私は、「法律で護られてる」という、彼らの「自覚」を見た気がしたのだもの。
小説はフィクションだ。
でもそこに至るまでのインスピレーションは、現実から生まれていることを、忘れてはならないと思う。
最後につけ加えるならば。
私は、現在の少年法は「現代」には即していないと思う。
悪いことは悪い。罪は罪だ。
己を保護する法律を認識した上で犯罪を犯すなら、人を殺すなら、その輩に更正の余地は果たして存在するか?
私の答えは、【否】。改めてそう思う。