ヒラリー・スワンクの主演映画なら、絶対にただの「お涙頂戴」だなんてありえない。
しかも本作では 兼・製作 。
『 サヨナラの代わりに 』 (原題:You're Not You)
新宿ピカデリーの会員になってるので、先月下旬に観た「マイ・インターン」でポイントが貯まったのは確認済み。
なので今回は無料鑑賞。花園神社・三の酉前祭と合わせる形で映画館に向かった。
なんだかロビーが記憶にない程の混雑っぷりで。
「たまゆら」?の「初日舞台挨拶」とか?
さて。
2014年に注目されたアイスバケツ・チャレンジ。
日本では何故かただのパフォーマンスでしかなくて、何かしらで取り上げられるたびに苦々しく感じてた。
ALS。 筋委縮性側索硬化症。
原因も、治療も確立していない、難病。
ヒラリー演じるケイトは、ある日突然これを罹患。
極めて進行の早いそれは、彼女からみるみるうちに全てを奪っていく。
それでも「私は私の意思がある」と、夫の選んだ介助人ではなく、自分の感覚だけを頼りに女子大生の面接を行う。
それが、エミー・ロッサム演じるベックとの出会いだった。
とにかくスゴイのが、やはりヒラリーの演技。
ケイトは元々地位も名声も全て手に入れていて、誰の目から見ても「裕福で幸せなレディ」のテンプレなのだけれども
ALS発症とその進行はそれらすべてを彼女から奪っていく。
永遠に続くと思っていたそれらが、実は薄氷の上の存在であったことを剥き出しに見せる。
夫は裏切り、友人は去り、近くにいる父母は寄りつかない。
それでも「この病気が」「罹った自分が」と諦めようとするケイトに、ベックが言う。
「なんで?」と。
とはいえベック自身も、色々な問題を抱えていたりして。
ボスと介助人としてだけではなく、友人として二人は親交を深めていく。
その過程と、ケイトの病気の無慈悲なまでの進行、同じALS患者・マリリン(ロレッタ・ディヴァイン)とのふれあい。
それらが圧倒的なリアリティを以てスクリーンに映し出される。
全てを支えているのは、圧巻としか言いようのないヒラリーの演技力。
私も含め、客席には鼻をすする音があふれてた。
ボスでもあるケイトの意思を最大限尊重し、寄り添い支えるベックが、
最後の最後に初めて、たった一つだけケイトの「指示」に背く・・・。
おかげで両目ともパンパンでしたわよ(苦笑
それにしてもヒラリーの映画は、必ず「当たり前だったはずの日常」が裏切ることを示唆する。
「ボーイズ・ドント・クライ」然り、「ミリオンダラー・ベイビー」然り。
そのどん底が、良好だったはずの関係の綻びをあぶりだす。
そこに残った唯一があれば、人間は前を向いていけるんだなぁとつくづく思う。
某ポータルサイトのレビューでは評価そんなでもないですけど、これはいい作品です。
是非。
しかも本作では 兼・製作 。
『 サヨナラの代わりに 』 (原題:You're Not You)
新宿ピカデリーの会員になってるので、先月下旬に観た「マイ・インターン」でポイントが貯まったのは確認済み。
なので今回は無料鑑賞。花園神社・三の酉前祭と合わせる形で映画館に向かった。
なんだかロビーが記憶にない程の混雑っぷりで。
「たまゆら」?の「初日舞台挨拶」とか?
さて。
2014年に注目されたアイスバケツ・チャレンジ。
日本では何故かただのパフォーマンスでしかなくて、何かしらで取り上げられるたびに苦々しく感じてた。
ALS。 筋委縮性側索硬化症。
原因も、治療も確立していない、難病。
ヒラリー演じるケイトは、ある日突然これを罹患。
極めて進行の早いそれは、彼女からみるみるうちに全てを奪っていく。
それでも「私は私の意思がある」と、夫の選んだ介助人ではなく、自分の感覚だけを頼りに女子大生の面接を行う。
それが、エミー・ロッサム演じるベックとの出会いだった。
とにかくスゴイのが、やはりヒラリーの演技。
ケイトは元々地位も名声も全て手に入れていて、誰の目から見ても「裕福で幸せなレディ」のテンプレなのだけれども
ALS発症とその進行はそれらすべてを彼女から奪っていく。
永遠に続くと思っていたそれらが、実は薄氷の上の存在であったことを剥き出しに見せる。
夫は裏切り、友人は去り、近くにいる父母は寄りつかない。
それでも「この病気が」「罹った自分が」と諦めようとするケイトに、ベックが言う。
「なんで?」と。
とはいえベック自身も、色々な問題を抱えていたりして。
ボスと介助人としてだけではなく、友人として二人は親交を深めていく。
その過程と、ケイトの病気の無慈悲なまでの進行、同じALS患者・マリリン(ロレッタ・ディヴァイン)とのふれあい。
それらが圧倒的なリアリティを以てスクリーンに映し出される。
全てを支えているのは、圧巻としか言いようのないヒラリーの演技力。
私も含め、客席には鼻をすする音があふれてた。
ボスでもあるケイトの意思を最大限尊重し、寄り添い支えるベックが、
最後の最後に初めて、たった一つだけケイトの「指示」に背く・・・。
おかげで両目ともパンパンでしたわよ(苦笑
それにしてもヒラリーの映画は、必ず「当たり前だったはずの日常」が裏切ることを示唆する。
「ボーイズ・ドント・クライ」然り、「ミリオンダラー・ベイビー」然り。
そのどん底が、良好だったはずの関係の綻びをあぶりだす。
そこに残った唯一があれば、人間は前を向いていけるんだなぁとつくづく思う。
某ポータルサイトのレビューでは評価そんなでもないですけど、これはいい作品です。
是非。