市振集落への入り口にあった不気味な、と言うか、微妙に風化して見事と言うか、まるでこの集落の守護神のようだ。市振集落は天下の険へとむかう最後の集落なので、ここで旅人は旅装を整えたのだという。
以前、海に近い駅として「越後ときめき鉄道」の上越市谷浜駅を紹介したが、糸魚川市の市振駅の方が日本海に近いことが分かった。おりんの里と言うべき水上勉が建設した「一滴文庫」への国道8号線の道すがら、春の陽光に輝く甍が目についたので立ち寄ったのだが、眩しい甍並木の中の一本道を進んでいくと、市振駅があった。もちろん駅員の駐在せぬ駅で、自由にホームに出入りできた。
市振駅。新潟県最終駅であると同時に、ときめき鉄道最終駅でもある。昭和の香りが残る駅だ。
古いランプ小屋?が残る。
日本海はホームの目の前である。