上越に向かう道すがらの夕刻のひと時、清洲川支流で竿を出した。この支流は柱状節理の奇岩で有名で、七ツ釜などと呼ばれる。
大蛇伝説があるとされ、キャンプ場施設内には大蛇のモニュメントが敷き詰められていた。
何度か立ち寄ることはあったが、釣りをすることはなかった。今回夕刻竿を出してみた。
釣果は燦々たるもので、小さなすれたヤマメが毛ばりに出るが、なかなか針掛りしなかったが、なんとか5匹ほど顔を見させてもらった。
夕まずめ、大きな堰堤下で毛針を振っていると、背後に気配を感じ振り向くと、20mほどの距離に黒い塊があった。
どうやら先刻から、私の下手なテンカラ釣りをまんじりもせず、見ていた様だ。
肯定はしたくないが、どうやら熊の様だ。山遊びを60年近くやっていれば、熊との遭遇は珍しいことではないし
危険な目にあったこともない。大概、熊の方で人間から離れていくのが常で、よほどのことがない限り襲ってくることはないのを
知っているから、座ってこちらを凝視する熊から目を離さず、ゆっくり土手に上がった。私の動きに合わせて熊の頭は動き
警戒していたが、座ったまま動くことはなかった。「早く山に帰れ」と怒鳴ったのが聞いたかどうかは知る由もなかったが
5分ほどして現場に戻ると、くだんの熊は消えていた。
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