「ベッドで寝たきりの生活になった、吐き気地獄で気が狂いそ
うになった、自分の若い人生を余生だとしか考えられなくなっ
た、ずっと人工呼吸器をつけるようになった、症状は一層進ん
だ、あまりに多くの事を知った」
これは仙台市在住、五行詩の詩人岩崎航さん45歳、著書「点
滴ポール」のなかの一節である、3歳で筋ジストロフィーを発
症、現在は常に人工呼吸器を使い胃ろうから経管栄養で食事し
生活のすべてに介助が必要な体でベッド上で過ごしている。
かつて17歳のとき自分の命を絶とうとした、それでもこのま
ま死んだら自分はなんのために生きてきたんだろうとそういう
気持ちが沸き上がってきてこのまま死んでたまるかというよう
な気持ちがふっとわいてきたという。
大人になった今、悩みは増えたし深くもなった、生きることが
辛いことも多い、でも今を人間らしく生きている自分が好きだ
という岩崎さん、表現者として生きる道を選んだ覚悟を感じる、
そして両親への感謝の次の言葉が心に響いてくる。
何にもいわずに /さすってくれた /祈りを込めて
/さすってくれた /決して忘れない/