多くの人は身近な人との親しいつながりが大事だと思っている、
だから友人や同僚との関係を壊さないように神経が磨り減るく
らい人づきあいに気を使う、その結果大事なはずの相手との関
係を重苦しく感じるという矛盾した意識が生まれる。
これは社会学者の菅野仁氏(1960~2016)の著書「友
だち幻想」のなかの言葉である、いわゆる同調圧力である、そ
の原点が小学校に上がる頃に誰もが耳にした「一年生になった
ら友だち百人できるかな」という歌で、友だちをたくさんつく
ることが望ましいと刷り込まれた人は多いはず、学校はみんな
仲良く、みんなでひとつだという友だち幻想が強調される場所
になってる。
しかし菅野氏が指摘するようにみんな仲良くの重圧から解放さ
れない限り、60代、70代の高齢者になっても人付き合いの
悩みは続くものである、そう考えると友人や同僚に誘われても
気がすすまなければ断る勇気も必要だし、みんな仲良くという
幻想は捨てたほうがいい。