武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

カステラの巻

2009-04-07 21:59:54 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2006年4月11日(火)掲載のえ

遠い異国の船から伝わった、カステラの味。

舞台美術家でエッセイストの妹尾河童さんが、こだわるカステラは長崎の老舗「松翁軒」のカステラです。子供の頃は卵料理が大好きで、オムレツをコックさんの手元を見て覚えて、小学4年生でオムレツを上手に焼いて得意だった。カステラにも挑戦したが、カステラはポテポテの妙なパンに・・・・。こだわり派の妹尾さんは、ルーツを探ったが、カステラは洋菓子のような感じだけれど、実は日本独特の菓子だということが判明したと語ります。

この度は、妹尾さんのこだわりの「カステラ」を編集員の方が送ってくださいました。その「松翁軒」のカステラは、箱を開けると茶色の焼き色が美しく、甘い砂糖の匂いがしました。まず、試食してみると底の部分に粗目が残っていてシャリとします。とても、いいもんだなと思いました。味見はさておき、ヒロク二さんは1本を10個に切り分けた(10カットメジャーで測るとあったので、もちろん物差しで測ってきっちり10等分)カステラを前にして、とりあえずカステラを描いてみた。とても綺麗な黄色がおいしそうな感じを出しているが、これではいかん!!ということで怒りっぽくなっていく。翌日、パステルで描いてみようと思ったらしく、「パステル買ってこい!!色は適当に!!」と言われるままに電車に乗って買いにいった。実は、色は適当に買わなかった。食べ物の色は黄色から茶色のものが多いと云う事と、それに合う色と明るい色を購入した。危険な色は買わないことと注意した。買ってきたパステルにけちをつけるがそんなことはどうでもよくて「カステラの絵」が大事なので堪えた。ヒロク二さんは、パステルを触っているうちにパット閃いたようで船の絵を描いてみた。そこからは、ちょっと神がかっていて不思議な風合いのカステラの絵になった。これから、「食べ物の絵」の知らせが入る度に、ベートーベンの運命がヒロク二さんの頭上に奏でられるのである。

コメント
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