『ミッドナイト・エクスプレス』(78)(1979.11.22.銀座文化)
大麻の不法所持でトルコ刑務所に投獄されたアメリカ人旅行者のヘイズ(ブラッド・デイビス)が体験した過酷な日々を実話を基に映画化。デイビスが怪演を見せる。刑務所内という極限状態下での人間模様が秀逸。中でもデブの刑務所長が恐ろしい。ラストは思わず心の中で「早く逃げろ!」と叫んでしまったが、よく考えたら、そもそも大麻を持って出国しようとしたヘイズが悪いのだよなあ。ジョルジオ・モロダーの音楽が耳に残る。
【今の一言】この映画を見て、自分も含めて「トルコはひどい所、怖い所」という印象を持った者は多いだろうが、今となっては、それは脚本を書いたオリバー・ストーンの被害者意識の誇張や捏造によるものだと分かる。その意味でも、この映画は監督のパーカーよりも、脚本のストーンのイメージの方が強く出ていると思う。