田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ミッドナイト・エクスプレス』アラン・パーカー

2020-08-02 17:27:26 | 映画いろいろ

『ミッドナイト・エクスプレス』(78)(1979.11.22.銀座文化)

 大麻の不法所持でトルコ刑務所に投獄されたアメリカ人旅行者のヘイズ(ブラッド・デイビス)が体験した過酷な日々を実話を基に映画化。デイビスが怪演を見せる。刑務所内という極限状態下での人間模様が秀逸。中でもデブの刑務所長が恐ろしい。ラストは思わず心の中で「早く逃げろ!」と叫んでしまったが、よく考えたら、そもそも大麻を持って出国しようとしたヘイズが悪いのだよなあ。ジョルジオ・モロダーの音楽が耳に残る。

【今の一言】この映画を見て、自分も含めて「トルコはひどい所、怖い所」という印象を持った者は多いだろうが、今となっては、それは脚本を書いたオリバー・ストーンの被害者意識の誇張や捏造によるものだと分かる。その意味でも、この映画は監督のパーカーよりも、脚本のストーンのイメージの方が強く出ていると思う。

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『ダウンタウン物語』アラン・パーカー

2020-08-02 14:31:30 | 映画いろいろ

『ダウンタウン物語』(76)(1979.2.11.日曜洋画劇場)

 禁酒法時代のニューヨークのダウンタウンを舞台に、二つのギャング団の抗争を描いたミュージカル映画。1930年代のギャング映画の雰囲気を、子役だけを使って表現したアイデアがすごい。それに加えて、マシンガンから繰り出されるパイ、漕いで動かす自動車など、ディテールも面白い。ただただ拍手! 監督のアラン・パーカーは『小さな恋のメロディ』(71)の脚本を書いた人でもある。

【今の一言】当時14歳のジョディ・フォスターが妖艶な歌姫を演じている。ベビーフェイスを演じたデクスター・フレッチャーは後に監督に転身。『ロケットマン』(19)で来日した際のインタビューで、「子役時代に『バグジー・マローン』(原題)に出ていましたね」と言ったら、「おー、『バグジー・マローン』。懐かしいですね」と照れくさそうだった。

【インタビュー】『ロケットマン』デクスター・フレッチャー監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a92eaf34b3af7891d7e7699eb3198095

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