今日の「BSシネマ」は、未見のダグラス・サーク監督作『アパッチの怒り』(54)。知人から、モアブでオールロケされ、ソフト化されていない、という貴重な情報を得た。
米軍と講和条約を結んだチリカワ・アパッチの族長コチーズの息子ターザ(ロック・ハドソン)は、白人との共存を望んだ父の遺志を受け継ぐが、白人を憎む弟や、好戦派のジェロニモ一味と対立していく…という物語らしい。ハドソンは『ウィンチェスター銃'73』(50)でもインディアンを演じていた。
コチーズの名を聞いて思い出すのは、デルマー・デイビス監督、ジェームズ・スチュワート主演の『折れた矢』(50)で、ジェフ・チャンドラーが演じたもの。
同作は、インディアンの視点から平和を求める彼らの姿を描いた、製作当時としては画期的な西部劇だった。するとこの映画は、その後日談的なものになるのか。『折れた矢』は20世紀フォックスの製作で、この映画はユニバーサルだから、直接的なつながりはないのかもしれないが…。(何とこの映画で、ほんの少し出るコチーズを演じていたのはチャンドラーだった!)
ドイツからの亡命監督のサークは、どこぞの大学の先生が盛んに持ち上げて、今や彼らの一派によって巨匠扱いされているが、これってどうなんだろう、といつも違和感を覚える。
リアルタイムでサークの映画を見てきた我が師匠・長谷川正が「あいつらは歴史を捻じ曲げて語っている。サークは決して巨匠じゃないよ」と嘆いていたことを思い出す。
『折れた矢』
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