田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「シネマノヴェチェント」で『復刻シネマライブラリー』上映会

2019-04-18 16:52:16 | 復刻シネマライブラリー
横浜の映画館「シネマノヴェチェント」で『復刻シネマライブラリー』上映会開催。



4月20日は『復刻シネマライブラリー』販促上映会番外編​「チャールトン・ヘストン特集」
『インカ王国の秘宝』『遥かなる地平線』『ジュリアス・シーザー』+スニークプレビュー1本を上映。
http://cinema1900.wixsite.com/home/4-30

4月30日は『復刻シネマライブラリー』販促上映会⑥「ジョン・ウエイン特集」
『紅の翼』『男の叫び』『ケンタッキー魂』+スニークプレビュー1本を上映。
http://cinema1900.wixsite.com/home/4-6

いずれもDVDの解説を書いた映画。スクリーンで見れば一味違う。

『遥かなる地平線』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0ef6301de34334181985119f40af12e5

『インカ王国の秘宝』『ジュリアス・シーザー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/222b009400a72b78ec2ace378d8ce67f

『男の叫び』『紅の翼』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d182b0c3c091453f98436746d38f9ad3

『ケンタッキー魂』ほか
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/659790433daac58a82bc9c591925c9bc
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『真夏の夜のジャズ』

2019-04-18 13:11:02 | 1950年代小型パンフレット
 昨日、とあるライブハウスの特大スピーカーで、久しぶりに大音量のジャズを聴いた。ジャズに関しては無知だが、ジャズライブを撮った映画としては、やはりこの映画が思い出される。

『真夏の夜のジャズ』(58)(2011.7.28.)



 随分前に、フジテレビの「ミッドナイトアートシアター」という深夜放送で初見。1958年のモントレー・ジャズフェスティバルの模様を、スタイリッシュな映像で見せるドキュメンタリー映画。監督のバート・スターンはスチールカメラマンだからさすがに凝った場面が多いと思ったら、おしゃれな観客の姿などは別撮りだという。でもそれを言うのは野暮というもの。チャック・ベリー、アニタ・オディ、そしてサッチモ=ルイ・アームストロングが圧巻の演奏を披露する。
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『可愛い配当』

2019-04-18 11:11:19 | 1950年代小型パンフレット
『可愛い配当』(51)(1993.7.)



 娘(エリザベス・テイラー)を嫁がせるまでの父(スペンサー・トレイシー)の心情を中心に描いた『花嫁の父』(50)の続編。今度は初孫の誕生に戸惑う父の心情と、孫をめぐる妻方の両親と夫方の両親の騒動を描く。監督は前作に引き続きビンセント・ミネリ。

 続編を先に見るのはもちろん本意ではないが、旧作映画の鑑賞にはよくあること。リアルタイムではないので仕方がない。加えて、今のリズとのギャップや、映画が描く家族像の変化とも戦いながら見なければならない。何しろ40年以上も前の映画なのだから。

 しかも、この映画は続編ということもあってか、無理に話を作った感じがし、全体的に中途半端な印象を抱かせる。そのため、この後のアメリカがたどった道を考えると、この映画の赤ん坊はベトナム戦争には行かなかったかもしれないが、親に反抗してヒッピーになったかもしれない。そして今は…などと皮肉な空想をめぐらせてしまった。

 また、トレイシーが父親役を演じたこの2本の映画と、後年の、娘が黒人の恋人を家に連れて来る『招かれざる客』(67)での苦悩の違いも、時代の変化を象徴しているように思えた。

スペンサー・トレイシー


エリザベス・テイラー


【今の一言】
 リメーク作として『花嫁のパパ』(91)と続編の『花嫁のパパ2』(95)がある。父親役は喜劇怪優のスティーブ・マーティン、母親役は新たな個性派として鳴らしたダイアン・キートンで、2人がこうした役をやるのは少々意外に思え、随分丸くなったなあ、という印象を受けた。

スティーブ・マーティン


ダイアン・キートン

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『ピノキオ』

2019-04-17 20:42:16 | 1950年代小型パンフレット
『ピノキオ』(40)(1993.8.)



 こうした、昔のディズニーの大作アニメーション映画を見るたびに、その技術の高さに畏敬の念を抱かされる。何しろ作られたのは遠い昔なのだ。子供の頃にリバイバルで『バンビ』(42)を見た時も、20年以上も前に作られていたことを知って驚いたことを覚えている。

 ところで、有名な「星に願いを」を主題歌に持つこの映画が、スピルバーグの『未知との遭遇』(77)に影響を与えたことは有名だが、今回新たに発見したのは、ラスト近くの大クジラが『ジョーズ』(75)につながったであろうということ。本当にスピルバーグはディズニーが好きなのだなと思う。で、ディズニー好きとして知られた手塚治虫の『鉄腕アトム』のアトムや、『ブラック・ジャック』のピノコも、基はこのピノキオなのだ。ディズニー恐るべし。
 
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『南部の唄』

2019-04-17 12:22:35 | 1950年代小型パンフレット
『南部の唄』(46)(1989.7.15.)



 米南部の農場を舞台に、白人の少年ジョニー(ボビー・ドリスコール)と黒人のリーマスおじさん(ジェームズ・バスケット)の心のふれあいを描く実写部分と、おじさんが話すおとぎ話の部分のアニメーションを合成させた一編。劇中歌の「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」はアカデミー歌曲賞を受賞している。

 実写とアニメを融合させた『ロジャー・ラビット』(88)のルーツがここにあった。恐らく、あの映画のスタッフの頭の中には、この映画の“ウサギどん”のイメージがあったのだろう。

 だが、この映画はいかにもディズニー映画らしい心温まるファンタジーには違いないのだが、舞台が南部のプランテーションであることが苦しい。何故なら、最近、同じ地域を描いた『ミシシッピー・バーニング』(88)や、ドキュメンタリーの「五月の十四日間」で今も根強く残る人種差別の実態を目にしたこともあり、この映画の黒人蔑視の姿勢に疑問を抱かされたからだ。

 だから、本来なら心温まるはずのラストシーンの横で、主人公の白人少年と貧しい家の少女、黒人の少年たちの“その後”に思いが飛んで、素直に見られなかった。映画には、作られた時代を反映するという宿命があることを改めて知らされた気がする。
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『卵と私』

2019-04-17 08:39:25 | 1950年代小型パンフレット

『卵と私』(47)(1989.6.9.)



 都会育ちの新婚夫婦(クローデット・コルベール、フレッド・マクマレイ)が、片田舎で養鶏場を営みながら暮らすことになる。2人は慣れぬ作業に苦労するが、夢に向かって前進していくという、農村を舞台にした涙と笑いのサクセスストーリー。ベテイ・マクドナルドのベスト・セラーの映画化で、監督は舞台演出家のチェスター・アースキン。

 こういう古き良きアメリカ映画を見るたびに、何を持って豊かさとするのかを考えさせられるし、同時に、映画の存在自体が夢の具現化であり、豊かさの象徴であった時代がひどくうらやましくも思える。また、この映画には、戦後の復興という意味合いも含まれているのだろう。

 今の時代に、農村を舞台にしながら、こんなに単純明快で楽しい映画は作れないだろうし、最近の『プレイス・イン・ザ・ハート』(84)『カントリー』(84)といった、農村に回帰した映画も、この映画とは異質のものである。ある意味、この映画は、映画が夢の語り部だった時代の産物なのである。だから精神的には『フィールド・オブ・ドリームス』(89)が、この映画の後継と言えるのかもしれない。

【今の一言】
 同年に公開された『真昼の暴動』の刑務所内で上映されたのがこの映画だった。これはちょっと皮肉っぽい。ところで「卵と私」といえば、今はオムレツレストランの名前として有名だが、この映画や原作と何か関係があるのだろうか。

パンフレット(49・アメリカ映画宣伝社(American Picture News))の主な内容
此の映画の人々/映画物語/「卵と私」より/此の映画の面白さ(児玉数夫)

 

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『殺人幻想曲』

2019-04-16 13:07:35 | 1950年代小型パンフレット
『殺人幻想曲』(48)(1994.4.)



 妻(リンダ・ダーネル)の浮気を確信した指揮者(レックス・ハリスン)が、妻を殺そうとするが…。疑心暗鬼から妻の殺害を企てた男の末路を描いたコメディ。後にダドリー・ムーア、ナスターシャ・キンスキー主演で『殺したいほど愛されて』(84)としてリメークされた。

 『モーガンズ・クリークの奇跡』(44)から続けて見たプレストン・スタージェス監督作だが、彼の映画はブラックなセリフの速射砲であり、一瞬たりとも目が離せないところがあって、それほど長くはない上映時間の割には、見ていて結構疲れることに気づいた。

 とはいえ、『モーガンズ・クリークの奇跡』とこの映画の面白さは、女に振り回されて泥沼にはまっていく男の哀れさが、映画が進むにつれてどんどんと加速していくところで、女性上位の映画として見られなくもない。

 また、この映画では、ヒッチコックばりに、オーケストラが演奏する曲に合わせて、妻を殺す幻想が三通り浮かび上がってくるところが面白いのだが、後半に展開される、当時の未熟な録音技術故の同じギャグの繰り返しにはくどさを感じた。

 で、ギャグのくどさという点で、このスタージェスの影響を最も強く受けたのはジェリー・ルイスではないのかと思った。実際、『底抜け楽じゃないデス』(57)は『モーガンズ・クリークの奇跡』のリメークでもあるわけだから、この推理は当たらずといえども遠からずという気がする。

レックス・ハリスン


ジェリー・ルイス
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『決断の3時10分』『3時10分、決断のとき』

2019-04-16 08:27:32 | 1950年代小型パンフレット

『決断の3時10分』(57)



 牧場主のダン(バン・ヘフリン)は、逮捕された無法者の首領ウェード(グレン・フォード)の護送を志願する。報酬金が手に入れば、牧場や家族が救えるからだ。一方、ウェードの手下たちはボスの奪還を画策する。ウェードを監獄まで乗せる列車が到着する3時10分までに、さまざまな思惑が交錯する。原作はエルモア・レナード、監督はデルマー・デイビス。

 フランキー・レインの歌がオープニングとエンディングに流れる手法は、テックス・リッターを使った『真昼の決闘』(52)や、この映画と同年に作られた『OK牧場の決斗』(57)をほうふつとさせる。護送の過程と列車に乗るまでの緊迫感から一気に解放するラストシーンが心に残る。


『3時10分、決断のとき』(07)(2009.7.22.松竹試写室)



 『決断の3時10分』のリメーク作。昨年、知り合いから字幕なしの輸入盤のビデオを借りて見たのだが、やはり試写室とはいえ、字幕付きの大画面で見ると印象が異なる。

 ハッピーエンドが心地良かったオリジナルと比べると、父と子の葛藤劇に変化し、随分暗く屈折した映画にしてしまったと思ったのだが、今回見直してみると、ロードムービーとしての面白さや、心理劇としての緊迫感はこちらの方が上かもしれないと感じた。

 ラッセル・クロウがカリスマ性と知性を持った悪党ウェード役を好演し、クリスチャン・ベールが十八番の屈折した役どころの牧場主ダン役で対抗する。ゲスト出演?のピーター・フォンダが年を取って父ヘンリーそっくりになっていたのには驚いた。ジェームス・マンゴールド監督作。

(2009.8.10.新宿ピカデリー)
 久々の西部劇の劇場公開(しかも3時10分の回がある!)ということで、初日に同行の士の方々と一緒に見ることにしたのだが、満員で入れずびっくり。これはクリスチャン・ベール効果なのか、はたまたラッセル・クロウ効果なのか。結局、時間をつぶして3時間遅れで見ることに。

 この映画、輸入ビデオ→試写→劇場とグレードアップするたびに印象が良くなる。今回は特に音の良さが耳に残った(アカデミー録音賞候補に挙がっていたのにも納得)。ラスト近く、2人が銃弾の嵐の中、汽車に向かって飛び出すところでは、ちょっと『明日に向って撃て!』(69)のラストを思い出した。やはり劇場で見る西部劇はいいが、新宿ピカデリーの造りはいまいちだった。

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『ある町の高い煙突』

2019-04-15 20:04:10 | 新作映画を見てみた


 明治時代末期から大正時代にかけて、茨城・日立鉱山の亜硫酸ガスによる煙害に対して、当時世界一となる大煙突を建設した人々の姿を描く。原作・新田次郎。監督・脚本は『天心』(13)の松村克弥。

 足尾鉱毒事件の田中正造代議士の半生を描いた『襤褸の旗』(74)のような、日本の近代を背景にした社会派劇。国策・殖産工業に伴い、雇用などで地元も潤うが、同時に自然破壊や公害、事故なども発生するという、原発と同様の縮図がここにもあったことが分かる。そして、理想と現実のはざまで、企業と地元住民が一体となって事にあたり、よい結末を得たという希有な例が明かされる。

 新田次郎原作映画は、1970年代後半にブームがあり『八甲田山』『アラスカ物語』(77)『聖職の碑』(78)と作られた。最近では『劒岳 点の記』(09)があるが、これらに共通するのは、実話を基に、極地や山岳地を舞台にして、世間からは黙殺されながらも何事かを成し遂げた、あるいは徒労に終わった無名の男たちを描くというテーマである。この映画も、無名の男たちという部分は重なるが、一種のハッピーエンドを迎えるところがこれまでのものとは大きく違う。こうした知られざる歴史を描く映画はもっと作られてもいいと思う。
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【ほぼ週刊映画コラム】『ビューティフル・ボーイ』

2019-04-15 16:09:01 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

ドラッグ依存症の根深さを描いた
『ビューティフル・ボーイ』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1186006
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