


10月はハロウィンにちなんで
仕事に関係する「不思議な世界」をとりあげてます。

今月のテーマ画像のリラックマを眺めていたら
クマさん体型の“西郷隆盛”の話を紹介したくなりました。
若い西郷隆盛を採用した
薩摩藩の“名面接官”島津斉彬からいろいろ学んでみよう。
★幕末の薩摩藩は
“これから大きく伸びる実力企業”
★若いときの西郷隆盛は
“将来大物になるけど、今はまだピュアでナイーブな就活生”
★島津斉彬は
“時代を読む経営者であり、同時に有能な面接官”
■ピュアでナイーブな西郷どん
若いときの西郷は、正義感が強く心の優しい青年でした。
バイト先の先輩や店長が、お店の物を勝手に家に持ち帰ることを
黙っていることができず、メールでお店の本部に「告発」していました。
先輩や店長は、そういう西郷を知って
“持ち帰るなんてことは今まで普通にやっていることなんだぜ”
“いきなり本部に告発するなんて、あいつ何かっこつけてやがる”
あるとき
本部の島津斉彬がバイトの西郷を呼び出しました。
■島津斉彬の面接
島津が西郷を呼び出して、メールのことを質問しました。
島津
“このメールは全部チェックした。そのことで呼び出したのだ”
“おまえは先輩や店長の行動を悪いこととして告発したのだな”
西郷
“そうです。先輩や店長は勝手にお店のものを持ち帰るので”
“いけないことだし、黙っていられずにメールを出しました”
島津
“西郷、おまえは自分の正義感を空回りさせているだけなのだ”
“先輩や店長のようなケースは全国で起こっていることなのだ”
“おまえの正義感がもし本当に正しければ”
“全国の店で同じように起こっていることをどうやったら直せるか”
“そういう提案もできたと思うんだが、どうかな?”
西郷
“・・!”
島津
“だからお前のメールだけでは根本の解決にまだ遠いのだよ”
■美しくて、しかも逞しく生きよ
ここから先は童門冬ニさんの著書からダイジェストで紹介しますね。
※※※
島津斉彬は藩主になるために相当な苦労もしたし、足を引っ張られた。
そういうドロドロした人間社会を生き抜いてきた島津斉彬だからこそ、
西郷隆盛の清純な魂がよく理解できたのである。
このままでは西郷は逆に美しいがゆえにつぶれてしまう。
もっと鍛えて、堂々と汚れた世の中を生き通せるような
精神を植えつけなければダメだ。
どんなに正しいことでも、協力者がいなければ、人間ひとりでは
何もできないということを西郷に教えることが必要であった。
こういう島津斉彬の温かい育て方によって、西郷隆盛は大きく成長する。
そして、彼は明治維新を実現する巨人の一人になったのである。

※※※
童門冬ニ「男の器量」三笠書房1992年から
「西郷、その正義感をもっと大きく育てて社会の役に立たせてみよ」
「そのために視野を広く、他人とも協力する必要があることを学べ」
「西郷よ、私を助け薩摩藩で働くことで、日本を変える役に立て!」
みなさんは若いときの西郷隆盛と同じ立場にいるのだと思う。
世の中へのいろんな正義感や純粋な魂にあふれていると思う。
ただその表現技術(大人とのコミュニケーション)が未熟なのだから
そのままではどうしても“メール告発するだけの西郷どん”なのだ。
現実の社会を本当に変えていくことは、まだまだ難しいのだね。
願わくば、江戸幕府のような旧態依然の大企業よりも
島津斉彬のようなタイプの面接官・優れた経営者のいる
ベンチャー気質の薩摩藩のような企業へ
思い切ってアタックしてもいいかもしれない。
西郷隆盛と島津斉彬
将来優秀な就活生と、名面接官との出会いのように。
★★リラックマ西郷どんインスパイア★★
ではまたね。

