こんなところで百合が咲いた。それもたった今。花開くとこを見ていた。さすが、小ぶりではあるけど溝の上の土もなさそうなところでしっかりと根を下ろし蕾をつけ、膨らませ、そして、ついに花開いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/44/0e01382aecc3d7b8b8376ff378bfe66b.jpg)
丁度その瞬間に僕は通りかかって感激して見てた。たった一人で。よく誰にも引き抜かれず無事でいたねと少し思ったけど個々の町内の人はきっと皆この花が咲くのを待ってたんじゃないかなと思ったらなんだかうれしくなってこの百合が天上の花のように見えてきた。一度だけラジオから聞こえてきたヴィターりの「シャコンヌ」が心の中を満たしていく。この曲は、あの天才バイオリニストの千住まりこさんがとても好きな曲でこの曲を弾きたいためにバイオリンを猛練習したという言わば天才の原点なんだ。さすが、そういうだけあって、自分も一度しかほんの5分くらいしか聞かなかったのにもうとりこになっている。この曲につつまれて路地裏でたった一人で溝のそばに咲いた百合を見ている。そのシーンが一枚の水彩画になってFINという字がオーバーラップする。こんな風に人生が終わればねと思いつつ犬と猫の餌を抱えて帰る現実。まだまだ、終わるわけにはいかないかと現実の門をくぐる。「シャコンヌ」明日からCDを探さなくては・・・。