パンプが死ぬ数十分前、朝の4時半位だったかな。パンプのベッドの横で僕は詩を写していた。危ないとは言われていたけどまさか死ぬとは思っていなかった。弱ってはいたけど、どこかで不死鳥のように甦るものだと思っていた。不安に思いながらも様子を見て持っていた本から心に感じた詩を持っていたノートに書き写していたんだ。それが、愛する犬との別れの詩だった。その後、不安は的中した。何故だろう人は、死に際して告知するものなんだろうか。といま思う。
あの路
山本けんぞう
たくさんの日々を歩いている
たくさんの人のなかを ずっと
ひとりで歩いている
大丈夫さ 目をつむれば
あの路がある
きみはぼくをみている
ぼくは歩きつづける
あの路
山本けんぞう
たくさんの日々を歩いている
たくさんの人のなかを ずっと
ひとりで歩いている
大丈夫さ 目をつむれば
あの路がある
きみはぼくをみている
ぼくは歩きつづける