小倉百人一首の三十八番目の歌に「わすらるる身をば思はず誓して人の命の惜しくもあるかな」と右近の歌が在る。人の命の惜しくもあるかなというフレーズが子供心にあやしく響いてなんとなくこの歌が好きでした。これが悲しい女心を歌った歌だとはつゆも思わずに。(忘れられる私の見のことはなんとも思いません。ただ神に永遠の愛を誓ったあなたの命が罰を受けて失われるのが惜しくてありません)この歌の相手は藤原敦忠「あひみての後の心にくらぶれば昔はものをおもわざりけり」と歌った在原業平一族の恋の喜びに胸膨らませる青年。恋多き青年で右近はその恋人の一人。右近との恋の誓を破ったためか三十八歳で死ぬとあり。真実はわからないけれど。
今日は七夕。一年に一回恋人どうしが天の川で出会う日。右近も一年に一回にしとけばよかったのかな。
今日は七夕。一年に一回恋人どうしが天の川で出会う日。右近も一年に一回にしとけばよかったのかな。