急峻な山道で足を止めて紅葉を見る二人。目はキラキラと輝いてまるで少年のようだ。ちょっと歳はとっているけど。木々の間を通ってくる光が二人の歳を消していく。
「加齢少年」というタイトルの絵だ。本当は二人ともゼーゼー言って道をまたいで休んでいるんだけどその時二人の表情に少年をふと垣間見たような気がして絵に描いた。歳を重ねただけで何にも変わっていない。GPSなんか山で使って若者ぶってはいるけれど太陽を見て行き先を知り草をとばして風向きを知る山の水を飲み木の実を食べ遅くまで裏山で遊んだ少年の時のままだと書くと野生児のようだが僕等は大なり小なり自然という不思議の世界で多感な少年時代を過ごしているのだからそんなにかけ離れてはいない。男は少年のまま歳を取っていくのかそれとも歳を取って少年に戻るのか。僕は、前者のような気がするんだけど。このときのコイツラ二人の会話はね、「おい、アイツどこまで降りたんだ。最近何もかも忘れているからな」「ボケたか」ちょっと下りたら岩屋があるからと誘って下りたんだけど岩屋は200mくらい下だった。そのことをぜんぜん覚えてなくて岩屋があったということだけ覚えていた。「もう止めようぜ、もっと下だった」とまた急な坂を引き返したんだ。這うように。みんなキャッキャッと笑いながら。バカは年取らないのかな。
「加齢少年」というタイトルの絵だ。本当は二人ともゼーゼー言って道をまたいで休んでいるんだけどその時二人の表情に少年をふと垣間見たような気がして絵に描いた。歳を重ねただけで何にも変わっていない。GPSなんか山で使って若者ぶってはいるけれど太陽を見て行き先を知り草をとばして風向きを知る山の水を飲み木の実を食べ遅くまで裏山で遊んだ少年の時のままだと書くと野生児のようだが僕等は大なり小なり自然という不思議の世界で多感な少年時代を過ごしているのだからそんなにかけ離れてはいない。男は少年のまま歳を取っていくのかそれとも歳を取って少年に戻るのか。僕は、前者のような気がするんだけど。このときのコイツラ二人の会話はね、「おい、アイツどこまで降りたんだ。最近何もかも忘れているからな」「ボケたか」ちょっと下りたら岩屋があるからと誘って下りたんだけど岩屋は200mくらい下だった。そのことをぜんぜん覚えてなくて岩屋があったということだけ覚えていた。「もう止めようぜ、もっと下だった」とまた急な坂を引き返したんだ。這うように。みんなキャッキャッと笑いながら。バカは年取らないのかな。