腕が痛い。両腕が萎えているように力が入らない。まるでロッククライミングをしたあとのようだ。どうしたのかな?と思い起こせば「象さん」を支えたからだと納得。立ち上がる意志すらないものを立ち上げるのだからそれも100キロ近いかそれ以上のものを支えるのだモノ腕が痛くなるはずだと納得。端的に言えば麻酔銃で倒した象さんを持ち上げようとしているというのかなそんなイメージだ。トイレまで20mを何回か繰り返したからな。
人は他者の命を奪う生き物かもしれないとこのデブを抱えながら思った。これで愛嬌がなかったらとっくの昔に雑ゴミで出されているんだろうがコイツがまた野性のというか天性の愛嬌の塊なんだから誰が見ても助けたくなるんだ。ケイコフもきっとそうだったんだろう。ケイコフの棺に花を入れながら象さんが泣いているのを見たら何もかも許すという気
になってくる。僕は象さんの手から小さなバラの蕾をとって胸に挿した。火葬場で最後の別れのときにその小さなバラの蕾を顔の横に置いて
英語が得意だったケイコフに「Thanks see you again」と言った。本当はフランス語で「
Adieu」と言ったほうがケイコフの好みだったのかもしれないが。
人は他者の命を奪う生き物かもしれないとこのデブを抱えながら思った。これで愛嬌がなかったらとっくの昔に雑ゴミで出されているんだろうがコイツがまた野性のというか天性の愛嬌の塊なんだから誰が見ても助けたくなるんだ。ケイコフもきっとそうだったんだろう。ケイコフの棺に花を入れながら象さんが泣いているのを見たら何もかも許すという気
になってくる。僕は象さんの手から小さなバラの蕾をとって胸に挿した。火葬場で最後の別れのときにその小さなバラの蕾を顔の横に置いて
英語が得意だったケイコフに「Thanks see you again」と言った。本当はフランス語で「
Adieu」と言ったほうがケイコフの好みだったのかもしれないが。