フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

象さんの涙

2013-11-22 08:30:31 | Weblog
ケイコフの葬儀が終わりました。予想通り笑い80%涙20%の通夜と葬儀でした。現役の会社のオーナーでしたから義理で来る人もいたでしょうが会場からあふれて階段で待つ弔問客も多くにぎやかな葬儀でした。本人が望むと望まないとは関係なく田舎のことですからまるでお祭のようでした。通夜の会場では茶菓子のコーナーが設けられ式後に歓談してもらえるようにしてあった。喪主のシンゴン、ケイコフの亭主で巨漢で半ボケ。人に支えられないと動けない。僕らは「象さん」と呼んでるんだけど。読経が終わると立たせてもらうや否や一目散にお菓子目掛けて歩く歩く。「あんなに速く歩けるんだ」とみんなビックリ。席に着くやお盆いっぱいのお菓子をあっというまに平らげた。お茶を一杯飲んで次の盆へ。ケイコフが生きていたら怒られただろうな。それでも葬儀の最後で棺に花をちぎっていれる時泣きながらいれていた。その姿がみんなのあわれを誘った。「シンちゃん、わかっちょうたがや、泣きいうで」と誰かの言葉でみんな涙した。シンちゃん、町内で愛されているんだ。ケイコフも愛されていたんだと思った。僕は式場に惜別の思いを込めて通夜の日の朝に描いた絵を飾った。

みんなの見えるところに。僕の絵をいつも誉めてくれたケイコフのために。ケイコフを描いた絵を。
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