フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

胃癌ちゃん

2015-06-09 07:04:55 | Weblog
僕が胃癌ちゃんと呼んでた山の仲間「ユミちゃん」が死んだとの連絡が今アンティークから来た。ショックだったんだろうお通夜と葬儀の日時しか書いていない。今年の2月の終り頃から体調が思わしくなくというか死への準備をしていた。もう抗がん剤治療を中止して静かに自宅療養をするとのことだった。いつだったかアンティークが会いに行ってとてもしんどそうだったと聞いて面会は差し控えていた。もう一度会いたかったな。「立山に一緒に行ったことが一生の思い出」と会う度に言ってた。立山どころか、槍も穂高も連れて行くとみんな思ってたのに。でもどこかで今年いっぱいもてばいいなとも思ってた。仲間とはなれて一人旅立つというのもどこか寂しいだろうからと花が咲くたびに花の絵をハガキに描いて「花便り」を送ってあげた。3月から6月まで。櫻、すいせん、つつじ、しょうぶ、ふじ、やまあじさい。そして最後になったのは6月5日にだした「らっきょ」だったこれは見てくれたかな。去年だったか梶が森にキャンプに行ったとき山小屋で僕がイギリス人と話していると「英語が話したい」と大きな声で言ったね。「やる気」があるからあと3年は大丈夫だと冗談言ったのも今となってはいい想い出だ。一人一人こうやって減っていく。当たり前といえば当たり前だけど時間はそんなに多くないと思い知らされる。会いたい人に会い、やりたいことをやらなければ病気になったら動けないからと教えてくれているようだ。享年65になるのかな66とするのかな。いよいよ僕らも死地にはいったと自覚した日。僕らに教えてくれたのはユミちゃんだった。合掌。
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