山道で沙羅の花が岩の上に落ちているのを見つけた。上の木々を見回したが花はどこにもなかった。風で飛ばされたのだろうかそれともこの花だけが咲いて落ちたのか。めったに見ることのない花だからみんなで囲んで眺めた。「沙羅って咲いたと思ったら一日で落ちる花だよね」「これ育てるのがむつかしい。西日に弱いのよね」「盛者必衰の理をあらわす花とはこれか」「夏ツバキなのよ」「だから首から落ちるの」「きれいな色だね」「沙羅双樹の花の色だろう」「木にあるときはもっときれいなんだろうな」と一つの花をかこんで重い思いの言葉を投げかける。「いいもの見たな」「うん」「うん」とまた山道を登りだす。

道草は俺たちの登山スタイル。
コイツがなけりゃ、山なんぞ登っても仕方がないって。
そういうもんだそういうもんだとザックを揺する。
上を見て下を見て右を見て左を見る
ちっとも前に進まない 頂上はまだかな
まだまだ
あのコルをまわって急峻を駆け上り
だからまだまだ
よっこらしょとよっこらしょで
行きますか そうしようそうしよう
頂上は逃げはしないから
いろいろ見ていこうよね

道草は俺たちの登山スタイル。
コイツがなけりゃ、山なんぞ登っても仕方がないって。
そういうもんだそういうもんだとザックを揺する。
上を見て下を見て右を見て左を見る
ちっとも前に進まない 頂上はまだかな
まだまだ
あのコルをまわって急峻を駆け上り
だからまだまだ
よっこらしょとよっこらしょで
行きますか そうしようそうしよう
頂上は逃げはしないから
いろいろ見ていこうよね