骨のうたう 竹内浩三
戦死やあわれ 兵隊の死ぬるやあわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって 誰もいないところで ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や こいびとの眼や ひょんと消ゆるや
国のため 大君のため 死んでしまうや
その心や
フィリピンのルソン島で戦死した若き詩人、竹内浩三。遺骨もなく2冊の詩集を残した。が3冊目がまだ発見されないままフィリッピンに残されているかもしれないとその詩集を探しにフィリピンに渡るという物語、宮内悠介さんの「遠い他国でひょんと死ぬるや」で竹内浩三を知った。いいね、ひょんと死ぬるやって表現。気負いもなく淡々としていて心に響く。戦争は若い命や才能をすべて奪いつくすんだね。もったいないというか勝利をしたとして何をもたらしてくれたのでしょうね、彼ら以上のものはもたらしてはくれなかっただろうに。